ケータイ用語の基礎知識

【第1016回】iPhone買い替えのコストを下げたい……ストレージ容量を節約する方法としての「クラウド/SSDのススメ」

iPhoneが高い。ストレージ容量少ないのが欲しい

ストレージ容量と価格

 iPhoneを購入しようとして驚くのが、搭載ストレージによる価格差です。iPhone16e・Appleから直接購入で、128GB:9万9800円・256GB:11万4800円・512GB:14万4800円と、ストレージ128GB当たり1万5千円もの差があります。

 逆に言うと、新しく買い換える際に少ないストレージ容量にすれば、節約になります(心理的抵抗はありますが)。現在512GBで128GBに買い換えれば384GB=3万円節約。

 しかし、iPhone内には大量にストレージを使う写真・動画のデータがある。どうするか。それなら、クラウドやSSDにこれら画像データを待避してしまいましょう。

クラウドへの写真データ待避方法

 iPhoneが標準で、「写真」に使っているクラウドはiCloudです。

 基本的に写真・動画は常にフル解像度の写真はiCloudに保存され、iPhone本体には軽量の縮小版のみが残り、容量を節約できるようになっています。この設定が正しく行われているか確認しましょう。

 「設定」メニューから、Apple ID(自分の名前)をタップ、「iCloud」→「写真」を選び 「iPhoneのストレージを最適化」がオンになっていることを確認してください。

 それから、このiCloudに写真を何GB保存しているでしょうか? 無料では5GBまでしか容量が使えません。そこでたとえば、200GB分の写真をクラウドで保持しようと思うと、有料プランに変更し月450円の課金が必要になります。

iCloudで200GB保持すると月450円必要

 384GB、768GBといった容量、あるいはもっと大容量にを無料で済ませたいならば、他のクラウドを使用することも検討しましょう。たとえばAmazonプライム会員の場合であれば、Amazon Photosが容量無制限で写真を登録できます。AmazonPhotosの場合も、設定で「写真の保存」を選ぶと、自動的に写真をクラウドにアップロードしてくれます。

Amazon Photos写真

 なお、iPhoneとクラウドの写真を常時リンクする設定にしている場合、写真の削除には気をつけましょう。というのも、ユーザーがiPhoneの写真を削除しているつもりで、実はクラウド上の写真を削除していたということがありうるからです。

 もし機種変更などをして、古い機種・新しい機種どちらもクラウド同期した状態になっていたら……、古い機種で写真を削除するつもりでクラウド上の写真を削除し、新機種上からも写真が見えなくなるという悲劇が起こります。

SSDへの写真データ待避を考える

 つづいてSSDへの写真データの待避です。

 容量当たり単価と言うことで言えば、2025年2月現在、500GBスティック型SSDが実売価格1万円前後。iPhone本体のストレージに比べてかなり安価です。

 iPhone14以前用のlightning端子のものはほとんど製品としてはないので、変換アダプタをかませての使用となりますが、検討してみる価値はあるでしょう。

 SSDへの写真のデータ移動方法は、かなり簡単です。

 SSDをiPhoneに接続。初めての接続の場合、「このデバイスにアクセスを許可しますか?」と表示されるので【許可】をタップ。

 次に、「ファイル」アプリを起動すると、「場所」一覧に「IODATA SSD」など接続したSSDが表示されているはずです。

 「写真」アプリを開き、移したい写真を複数選択。画面左下の「共有」アイコンをタップし、「ファイルに保存」→ SSDの保存先を選択して【保存】。

 これでSSDへの写真待避が完了です。

 SSDを外して、待避した写真は本体から削除してOKです。

 なお、SSDはフラッシュメモリを使用しており、長期間通電しないとデータが消えてしまう可能性があります。こまめに、データをバックアップすることが重要です。

大和 哲

1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)

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