ニュース

総務省、5G時代に向けた周波数再編アクションプランを公表

 総務省は、13日「周波数再編アクションプラン(令和2年度第2次改定版)」を公表した。

周波数の再編目標

 これまで実施された取り組みを含め、5G通信の帯域として、28GHz帯で最大2GHz幅、3.7GHz帯と4.5GHz帯で最大500MHz幅の合計約2.5GHz幅程度の周波数を確保する、という目標が示されている。

 これにより、既存の携帯電話用周波数や、IoTで活用できる無線LAN用周波数を含めて、2020年度末まで約4GHz幅の周波数確保を目指していくとした。

 なお、周波数確保には、既存の無線システムとの共用を前提にしており、周波数再編などの手当が必要としている。

帯域確保の現状と今後

 2019年4月に、3.6~4.1GHzと4.5~4.6GHzの600MHz幅、27~28.2GHz、29.1~29.5GHzの1600MHz幅の計2200MHz幅を5G用周波数として確保、12月には、28.2~28.3GHzの100MHz幅を、ローカル5G用周波数として確保した。

 これにより、あわせて約3.6GHz幅の周波数を確保している。

 また、2020年中に、ローカル5G用周波数の候補として、4.6~4.9GHzと28.3~29.1GHzの1100MHz幅を割り当てる。これにより、合計約4.7GHz幅の周波数を確保できるため、当初の目標「2020 年度末までの約4GHz幅の周波数確保」は達成できる見込み。

 なお、5G用周波数の追加割り当てについては、4.9GHz帯と26GHz帯、40GHz帯を候補に、2021年の割り当てを目指し技術的検証などをすすめるとしている。

5G通信の普及に向けて

国際的に調和のとれた周波数の追加割り当て

 諸外国で利用されている4.9~5.0GHz帯や26.6~27.0GHz帯、39.5~43.5GHz帯における既存無線システムと携帯電話との共用を検討する。

 また、5G用周波数として7025~7125MHzの割り当てや、東名阪エリアで割り当てられている1765~1785MHz/1860~1880MHzの東名阪エリア以外への割り当てを検討する。

 このほか、2.3GHz帯のダイナミックな周波数共用の仕組みを活用した割り当ての実施を目指す。なお、同周波数に関しては、現在テレビ放送事業者が素材伝送などで使用している。共用には、既存免許人であるテレビ放送事業者などの理解や、運用調整ルールの制定などが必要となる。

既存バンドの5G化

 広域な5Gエリアの構築のため、現在4G通信などで割り当てられている3.6GHz以下の周波数帯における5G通信の導入に向けて、2020年8月に制度整備を行った。

 具体的には、現在4G通信で利用されている1.5/1.7/2GHz帯と、UQコミュニケーションズのWiMAX 2+やWireless City Planning(WCP)のAXGPなどで利用されている2.5GHz帯の移動通信システムを、5G化や5Gに対応した新たな無線システムへの高度化を行うため、既存の開設計画の変更や5Gへの高度化に向けた取り組みを推進するもの。

 なお、同制度を活用し、KDDIとソフトバンクは、既存周波数の5G転用で迅速な5Gエリア拡大を図る。

 一方、NTTドコモは将来的な可能性は残したものの、原則5Gの高速大容量を実現できる周波数帯での展開を行う。

ローカル5G用周波数の追加割り当て検討

 ローカル5G用周波数として、2019年12月に整備済みの28.2~28.3GHz の周波数帯に加え、4.6~4.9GHzと28.3~29.1GHzを2020年内に制度整備を行う。

 このほか、既存周波数の再編や、Beyond 5Gの推進に向けて取り組んでいくことなどが盛り込まれた。

【お詫びと訂正】
本記事初出時、公開の日付に誤りがありました。修正いたします。