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5G用の「東名阪以外での1.7GHz帯」にドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天が立候補、「開設料」が初めて比較項目に

 総務省は、5G向けの新たな周波数として「東名阪以外での1.7GHz帯」の割当に向け、2月12日~3月15日に申請を受け付けた結果、携帯4社が申請したと発表した。今後の審査を経て、割当先が決まることになる。

 割り当てられるのは、東京・名古屋・大阪以外での1.7GHz帯(20MHz幅×2)。東名阪についてはNTTドコモに割り当てられている帯域で、それ以外の地域は公共業務用無線で用いていた帯域となる。いったんは2018年、楽天モバイルの携帯電話事業が参入が決まった段階で、同じ帯域も募集していたが、その当時は名乗りを挙げる事業者がいなかった。しかし今回は、NTTドコモ、KDDI/沖縄セルラー、ソフトバンク、楽天モバイルが申請した。

 地方での5Gの早い展開を目指して割り当てられるが、当面は4Gでも活用できることが認められている。割り当てられた事業者は、すでに1.7GHz帯があるKDDI、楽天と共同で公共業務用無線局の移行費用を負担するほか、その周波数の経済価値を踏まえた「特定基地局開設料」を納める必要がある。

 開設料は、各社が申請時に示した額で割当先を決める際の比較項目のひとつ。各社がどの程度の値付けをしたのか、割当先が決まった際には明らかになる見通し。

 「電波の経済価値」で割当が左右されるという点では、いわゆる電波オークションと言えそうだが、ほかにもエリア展開やサービス内容なども競い合うかたちとなっており、今回の割当は電波オークションではなく、総合的な審査で決まる。

 とはいえ、開設料は2019年の電波法改正で導入が決まったもので、今回の1.7GHz帯の追加割当が初めての運用。総務省ではすでに「携帯会社の負担が増えすぎず、それでいて有効に活用したくなる金額」の検討を終えており、今回追加割当される1.7GHz帯の標準的な価値は年額62億円となった。その上で、審査では最低でも年間利用料が31億円以上で申請する、という基準が示されている。

 今後は審査が進められ、4月上旬には、電波監理審議会の答申を踏まえ、割当先が決まる。