ニュース

総務省、既存周波数帯の5G化などについて意見募集

 総務省は、「第5世代移動通信システム(5G)及びBWAの高度化に関する技術的条件」について検討を行ってきた新世代モバイル通信システム委員会報告(案)について意見募集を受け付ける。提出期限は2月16日。

 報告案は、既存の4GとBWA周波数帯の5G化に関するもの。既存の4G周波数は、2019年4月に楽天モバイルを含む4キャリアに割り当てられた5G周波数よりも低く、5Gエリアの迅速な整備のために、既存周波数の5G化が求められている。また、4Gと互換性のあるWiMAXとXGPについても高度化を検討することが望ましいとした。

 既存周波数帯で構築される5Gネットワークは、工場内など障害物の多い場所でも回折しやすく、sub6やミリ波帯よりも適しているとされる一方で、低遅延、高信頼は実現できるものの、超高速通信は見込めず4Gと同程度になると予想される。

 このため報告案には、ユーザーが5Gの性能を誤認しないように携帯事業者によるエリア別速度マップの公表やe-LTE(NSA構成の5Gにおいてアンカーバンド設定可能なLTE基地局)で通信する場合は従来どおり4Gと表示する方針などのユーザー保護方策が盛り込まれている。

 また、既存周波数帯の5G化を勧めていく過程で懸念される4Gのユーザビリティの低下については、4Gと5Gの柔軟な切り替えを可能にするDSS(Dynamic Spectrum Sharing)技術を導入し、円滑なシステムの移行が求められるとしている。