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NEC、5GおよびBeyond 5G時代に向けて10Gbpsの屋外無線伝送実験に成功
2020年3月4日 14:48
NECは、5GおよびBeyond 5G(5Gの次の世代の無線通信システム)時代の無線通信データの大容量化に向けて、D帯(130~174.8GHz)に対応したRF IC(周波数変換器)と、同デバイスを実装した屋外無線装置を開発し、10Gbpsの屋外無線伝送実験に成功したと発表した。
開発したRF ICは、増幅器や周波数変換回路などの複数機能を持っており、同RF ICを石英基板上にフリップチップ実装するRFモジュールも併せて開発した。フリップチップ実装は一般的に、ワイヤで基板上にチップを実装するワイヤボンディングと比べて、実装面積を小さくできるという特徴を備える。
実験では、モジュールと変復調部が一体となった試作装置を用いて、D帯で10GbpsのFDD(周波数分割複信)により双方向屋外無線伝送実験に成功した。
対向する装置の送受信周波数はそれぞれ142GHzと157GHzに設定し、リンク距離150m、変調方式128QAM、変調速度1.6Gbaudによる10Gbps伝送の条件で実験を行い、エラーフリーでの信号通過を確認したという。
さらに、実使用環境を想定し、4カ月以上にわたり、約1kmのリンク距離で無線伝搬特性の実証実験を実施。実験を通して得られたデータを基に、ITU-Rが勧告している降雨減衰を考慮した電波伝搬推定手法をD帯まで拡張するための検討を行うとしている。
NECは今後、同技術を超小型マイクロ波通信システム「パソリンク」に適用し、5GおよびBeyond 5Gの商用利用において数十~100Gbpsほどまでの大容量化が求められるモバイルバックホール、フロントホール回線での利用を目指す。