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ドコモ、2019年夏モデルを発表――“完全分離”に向け、充実したスタンダードモデル、新プラン、販売施策が出揃う

 NTTドコモは5月16日、2019年夏モデルの発表会を開催した。新機種としてスマートフォン10機種、フィーチャーフォン2機種、モバイルWi-Fiルーター1機種が発表されたほか、新サービスや「月々サポート」「端末購入サポート」廃止後の新たな購入プログラムの仕組みも明らかにされた。

スマートフォンはスタンダードモデルを充実、東京五輪限定モデルも登場

 夏モデルのスマートフォンは、買い求めやすい価格帯のスタンダードモデルとして「Xperia Ace SO-02L」「arrows Be3 F-02L」「LG style2 L-01L」「Pixel 3a」の4機種、最先端の機能や高い性能を求めるユーザーに向けたハイスペックモデルとして「Xperia 1 SO-03L」「Galaxy S10 SC-03L」「Galaxy S10+ SC-04L」「Galaxy S10+ Olympic Games Edition SC-05L」「AQUOS R3 SH-04L」「HUAWEI P30 Pro HW-02L」の6機種を発売する。

 端末代金やその割引と通信料金を切り分けた分離プランである「ギガホ」「ギガライト」の提供開始を控え、手頃な機種を充実させる一方、各社のフラッグシップモデルも取り揃えたラインアップとなっている。

 また、「Galaxy S10+ Olympic Games Edition SC-05L」は2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた特別仕様のモデルで、同大会のゴールドパートナーであるドコモ限定で販売される。

 このほか、フィーチャーフォンの新機種として「arrowsケータイ F-03L」と法人向けの“カメラレスケータイ”である「SH-03L」、モバイルWi-Fiルーターの新機種として「Wi-Fi STATION SH-05L」も発表された。

ユーザーの利用期間に合わせて「36回払い」を設定。ハイスペックモデルには「スマホおかえしプログラム」

 分離プランの導入に向けて、従来の「月々サポート」や「端末購入サポート」が廃止された後の、端末購入の負担を抑えるための販売施策が明らかにされた。

 まず、スマートフォンユーザーの機種変更までの平均利用期間を集計したところ、同じ機種を3年以上使っていたユーザーが43%いたという。長期間の利用時に端末代金の負担をならして抑えることができるよう、端末を割賦で購入する場合の分割回数として、従来の12回払い、24回払いに加えて、36回払いという選択肢を用意する。

 長期間利用するユーザーが多い一方、24~35カ月で機種変更するユーザーも38%に及び、特に最先端の機能などを求めるハイスペックモデルのユーザーはその傾向が強いことから、新たな購入プログラムとして「スマホおかえしプログラム」を提供する。

 スマホおかえしプログラムは、36回払いで端末を購入して次回の機種変更時に返却することで、最大12回分の分割支払金が免除されるというもの。従来のような2年周期での機種変更を望むユーザーの負担を軽減する。

“完全分離”時代にドコモの端末を選ぶメリット

 料金プランと端末の代金・割引が切り分けられた後で、SIMロックフリー端末など他の選択肢ではなくドコモが販売する端末を選ぶメリットとしては、「高速通信」「安心・安全」「サポート」の3点を挙げる。

 高速通信という点では、総務省が定めた「実効速度に関するガイドライン」に基づく速度計測で国内最速となったことをアピール。さらに、夏モデルのうち5機種は、ドコモスマートフォンで最速となる受信時最大1576MbpsのLTE通信に対応する。

 サポート面では、故障・紛失時に端末の交換ができる「ケータイ補償サービス」を刷新。東京23区と大阪市では4時間以内に交換用端末が届く「エクスプレス配送」を開始する。

パートナー各社との協創、「+d」の取り組み

 ドコモは、さまざまな業種のパートナー企業との協創によって新たな付加価値を生み出す「+d」という取り組みを数年前から続けてきた。今回発表された2つの新サービスも、+dの推進の一環となる。

 オイシックス・ラ・大地との協業による「dミールキット」は、共働き世帯をターゲットに、短時間で調理できる食材キット(ミールキット)を提案・宅配するサービス。

 肌解析を通して、若年層に美容の延長として健康に目を向けてもらう「FACE LOG」は、ソニーネットワークコミュニケーションズの肌解析アルゴリズムによって実現した。

 これらの新サービスは+dの取り組みであると同時に、BtoB、BtoCの多岐にわたるサービスから成るヘルスケア事業の展望においても意味を持っている。

500万ダウンロードを突破、さらなる拡大を目指す「d払い」

 2018年4月に開始した決済サービス「d払い」は、2019年5月時点でダウンロード数が500万ダウンロードを突破。年度内に1000万ダウンロードという目標を掲げる。加盟店の拡大についても、d払い、dポイント、iDの合計で、2021年度末には200万カ所で利用できるサービスを目指す。

 さらなるサービス拡大に向けて、d払いアプリの機能拡充を発表。銀行口座からのチャージ、送金・出金、dポイントを送るといった機能を追加する。

 また、店舗はQRコードを設置するだけで済み、導入コストの負担を減らせるユーザー読み取り方式の決済にも対応。決済端末を導入できる体力のある大手ばかりではなく、中小個店への普及に向けた体制を整える。