【MWC Barcelona 2025 】
NTTコノキューがグラス型XRデバイス試作を披露、XRで書道を体験
2025年3月4日 08:15
ドコモの子会社でXRの事業を手掛けるNTTコノキューと、デバイス開発を行うNTTコノキューデバイスは、「MWC Barcelona 2025」のドコモブースに出展。グラス型XRデバイスの商用試作品を披露した。合わせて、発売済みのXRグラス「MiRZR(ミルザ)」と、その上で動作する遠隔作業支援ソリューションの「NTT XR Real Support」を活用し、来場者に書道を体験できるデモを行った。
現在提供中のMiRZAは、ドコモショップやドコモオンラインストアで販売されているが、あくまで法人向けデバイスという位置づけ。スマホに無線で接続して使用するスタイルで、小型、軽量だが、価格も24万8000円と高額だ。建設現場の作業支援や、翻訳などに活用することを想定している。
これに対し、MWCに出展された試作機は、より一般のユーザーに向けたものになる。MiRZAよりも小型になっており、見た目も普通のメガネに近づけている。展示されていた試作機はモックアップのため、動作はしなかったが、ディスプレイは片眼になるとのこと。徒歩でのナビゲーションや、スマホの通知の表示、翻訳やAIエージェントといった情報を、目の前に重ね合わせることを想定している。
MiRZAは韓国LetinAR社のミラーバー型のレンズを採用しており、3Dコンテンツの立体表示が可能だが、商用試作機は平面的な情報を出すことに特化し、コストを抑えているようだ。ドラゴンボール世代に分かりやすい例えで言うと、スカウターをメガネ型にしたデバイスと言えるかもしれない。25年夏以降の発売を予定しているが、現時点ではモックアップ(模型)以外の細かなスペックなどは明かされていない。
MWCの会場には、発表されたベースモデルのほか、べっ甲柄やクリアタイプのフレームのデバイスが展示されていた。これらは試作機のさらに参考出展という位置づけだが、一般販売に向け、より気軽に装着できるよう、デザインバリエーションを増やそうとしていることがうかがえた。ドコモブースの説明員によると、価格は500ドル(約7万5000円)程度を目指しているという。
ドコモブースにはMiRZA自体も出展されており、目の前に浮かぶお手本を見ながら、習字をする体験ができた。筆の持ち方や漢字の書き順がすぐそばに表示されるため、迷うことがなく文字を書くことが可能。元々漢字を知っている筆者のような日本人以外も、このソリューションを体験しており、しっかり漢字が書けていたことから、その効果がうかがえた。






