【MWC Barcelona 2025 】

NTTコノキューがグラス型XRデバイス試作を披露、XRで書道を体験

 ドコモの子会社でXRの事業を手掛けるNTTコノキューと、デバイス開発を行うNTTコノキューデバイスは、「MWC Barcelona 2025」のドコモブースに出展。グラス型XRデバイスの商用試作品を披露した。合わせて、発売済みのXRグラス「MiRZR(ミルザ)」と、その上で動作する遠隔作業支援ソリューションの「NTT XR Real Support」を活用し、来場者に書道を体験できるデモを行った。

ドコモブースには、メガネ型XRデバイスの商用試作機が展示されていた

 現在提供中のMiRZAは、ドコモショップやドコモオンラインストアで販売されているが、あくまで法人向けデバイスという位置づけ。スマホに無線で接続して使用するスタイルで、小型、軽量だが、価格も24万8000円と高額だ。建設現場の作業支援や、翻訳などに活用することを想定している。

現在販売中のMiRZA。法人をターゲットにしている。これと比べると、商用試作機はかなり小型化され、一般のメガネにサイズが近づいていることが分かる

 これに対し、MWCに出展された試作機は、より一般のユーザーに向けたものになる。MiRZAよりも小型になっており、見た目も普通のメガネに近づけている。展示されていた試作機はモックアップのため、動作はしなかったが、ディスプレイは片眼になるとのこと。徒歩でのナビゲーションや、スマホの通知の表示、翻訳やAIエージェントといった情報を、目の前に重ね合わせることを想定している。

補助的な情報を目の前に見えている景色に重ね合わせることを想定している

 MiRZAは韓国LetinAR社のミラーバー型のレンズを採用しており、3Dコンテンツの立体表示が可能だが、商用試作機は平面的な情報を出すことに特化し、コストを抑えているようだ。ドラゴンボール世代に分かりやすい例えで言うと、スカウターをメガネ型にしたデバイスと言えるかもしれない。25年夏以降の発売を予定しているが、現時点ではモックアップ(模型)以外の細かなスペックなどは明かされていない。

 MWCの会場には、発表されたベースモデルのほか、べっ甲柄やクリアタイプのフレームのデバイスが展示されていた。これらは試作機のさらに参考出展という位置づけだが、一般販売に向け、より気軽に装着できるよう、デザインバリエーションを増やそうとしていることがうかがえた。ドコモブースの説明員によると、価格は500ドル(約7万5000円)程度を目指しているという。

右下が発表された商用試作機だが、様々なデザインバリエーションも展示していた
バッテリーや各種デバイスが収められるため、テンプル部分は通常のメガネよりは太くなっている

 ドコモブースにはMiRZA自体も出展されており、目の前に浮かぶお手本を見ながら、習字をする体験ができた。筆の持ち方や漢字の書き順がすぐそばに表示されるため、迷うことがなく文字を書くことが可能。元々漢字を知っている筆者のような日本人以外も、このソリューションを体験しており、しっかり漢字が書けていたことから、その効果がうかがえた。

お手本に従いながら書道をする筆者
外国人の来場者も、迷わず漢字を書けていた