【MWC Barcelona 2025 】
ZTEがスマホ最新機種を発表、驚きのAI新機能も
2025年3月4日 17:14
中国メーカーのZTEは、MWC Barcelona 2025の会期初日にあたる3月3日(現地時間)に、自社ブース内で発表会を開催。スマホやホームルーターなどの新製品を発表するとともに、「AI for All」という同社の戦略を発表した。AI for All戦略は、日本でワイモバイル向けの折りたたみ端末「nubia Flip2」を発表した際にも披露されていたもの。ハイエンド製品だけでなく、エントリーモデルやホームルーターにもAIを組み込んでいく方針を示した。
発表会では、廉価なゲーミングスマホの「nubia Neo 3」やその上位版の「nubia NEO 3 GT」を新製品として披露。発表済みで、日本でも代理店のFastlaneを通じて提供されている「nubia Z70 Ultra」も改めて紹介された。また、日本で先行販売されているnubia Flip2のグローバル版にあたる「nubia Flip2 5G」も、同発表会で公開され、ZTEのブースに展示された。
衝撃の「AIエージェント」
こうした端末に共通しているのが、AIだ。
日本で発売されたnubia Flip2にも、通話の通訳や音声の文字起こしなどに対応することが明かされていたが、MWCの発表会では、こうした一般的なAI機能にとどまらない新機能も披露された。
その1つが、「AIエージェント」だ。
これは、AIがあたかもユーザーの秘書のようにふるまう機能で、ZTEのnubia Z70 Ultraに採用されたそれは、アプリの操作まで肩代わりしてくれる。AIの世界ではブラウザの操作を自動で実行するOpenAIの「Operator」が話題を集めているが、ZTEのAIエージェントはそのスマホ版といったところ。ユーザーが話しかけた言葉をAIが解釈し、必要なアプリを呼び出すだけでなく、その操作まで代わりに行ってくれる。
展示エリアで実際にAIエージェントを試すことができたが、この機能が衝撃的だった。たとえば、「サグラダファミリアまでのタクシーを呼んで」というと、AIエージェントが自動的にUberアプリを起動し、目的地欄に「サグラダファミリア」と自動で入力し、検索結果をタップしてくれる。バルセロナでUberを使うと、その後にライドシェアの種類やタクシーを選択する画面が表示されるが、そこまで一切、画面を触らずに操作できた。
Uberだけでなく、Booking.comアプリにも対応している。こちらは、「1日から5日まで、バルセロナに泊まりたいのでホテルを探して」と話しかけると、Booking.comアプリを起動したうえで、宿泊地やチェックイン、チェックアウトの日時をAIエージェントが選択したうえで、ホテルの一覧が表示される。
また、こうした単純な命令だけでなく、AIエージェントに頼んで画像を開いてもらったうえで、「ここにタクシーで行きたい」というと、上記のようにUberアプリを開いて目的地を指定してくれる。1つのアプリを呼び出して操作を肩代わりしてもらえるだけでなく、複数の動作を連携させることまでできるというわけだ。ほかにも、写真を開いた状態で「この写真をX(旧Twitter)に投稿したい」というと、写真が添付された状態でポストの編集画面が立ち上がった。

この機能は単なるデモではなく、欧州での提供も近く予定しているという。現時点ではUberやBooking.com、X、Instagramなど、対応しているアプリは一部にとどまり、それ以外の操作はできないというものの、AIの学習が進んでいけば、より多くのアプリを扱うことができそうだ。
おもしろいのは、スマホだけでなく、ホームルーターにも生成AIを活用しているところ。スマホから管理画面を開き、チャットでモードを切り替えたり、各機能のQ&Aを聞くことができたりするという。スマホだけでなく、ホームルーターにもこうした機能を搭載している点は、まさにAI for Allと言えそうだ。
このほか、ZTEはグーグルとのコラボレーションも発表しており、Geminiアプリを同社の端末にプリインストールしていく。Geminiは電源キーの長押しで呼び出すことが可能。nubia Flip2 5Gの場合、本体を閉じた際に使用する縦長の外部ディスプレイにも、Geminiを呼び出せた。













