スタパ齋藤のApple野郎

ミヨシのiPad用タッチペンがかなりイイ感じだった!!!

 ミヨシ(MCO)からiPad専用タッチペン「STP-A02」が発売された。ナニゲによさそう。

 USB-C充電式で充電ポートがイイ感じで隠せたり、ステッドラーっぽい雰囲気のデザインだったり、パームリジェクションに対応しつつ4段階の傾きセンサーを搭載していたり。iPadの側面にマグネット吸着したりもする。

ミヨシ(MCO)iPad専用タッチペン「STP-A02」。充電式のタッチペンでiPadとペアリングなどすることなく使える。カラーは写真の4色。直販価格は5781円。
機能性もなかなか充実している。

 個人的に「イイかも」と思ったのは、ミヨシから発売されている点。俺的に馴染み深いブランドというか……PC・スマートフォン周辺機器を買うと「あっまたミヨシだ!」ということが多いのだ。

 充電器とかタブレットスタンドとか、そういった小物を買ったときの「ミヨシ率」がミョーに高い。で、ハズレ率が非常に低い。俺内部では「同じような小物を買うならミヨシのにしとけば大丈夫」という法則が出来上がりつつあったりする。

 サードパーティ品のApple Pencil代用品とかは、興味で何本か買ったりしているものの、「あらーココが……」という微妙なハズレ感が残ることが多い。でもこのApple Pencil代用品、ミヨシだから大丈夫っぽいなあ、と。

 そんなわけで、さっそくこのタッチペンを試用。使った俺的結論を言えば、これもハズレることなくイイ感じの使用感なのであった。

本家Apple Pencilとの機能差は大きいが、ミヨシのでイイって人も多そう

 使い方は簡単で、タッチペンを充電して電源を入れて、iPadで使うだけ。Bluetoothペアリングとかは不要。なので、1本のタッチペンで(ペン接続の切り換え操作などなしで)2台以上のiPadを操作できたりする。

タッチペン後方に充電用USB-Cポートがある。開閉式で充電時以外はUSB-Cポートをカバーしておける。電池残量なしからの充電時間は約90分で、連続動作時間は約10時間。本体には充電用USBケーブルと交換用(予備)のペン先が3個付属する(本体のペン先と合わせて合計3個)。
USB-Cポートの開閉機構が電源ボタンになっていて、押せばオンオフできる。電源オンのときは白色LEDインジケーターが点灯する(一定時間経過すると消灯する)。

 ちなみに対応機種は、iPadが10.9インチ 2022年モデル、10.2インチ 2021年モデル、10.2インチ 2020年モデル、10.2インチ 2019年モデル、10.2インチ 2018年モデル。iPad miniが2021年モデル、2019年モデル。iPad Proが12.9インチ 2022年モデル、12.9インチ 2021年モデル、11インチ 2021年モデル、12.9インチ 2020年モデル、11インチ 2020年モデル、12.9インチ 2018年モデル、11インチ 2022年モデル、11インチ 2018年モデル。iPad Airが2022年モデル、2020年モデル、2019年モデルとなっている。

 このタッチペンと本家Apple Pencilとでは、いろいろと機能性が異なる。本家の第2世代は、筆圧にも傾きにも対応だったり、ペンにダブルタップ機能があったり、iPadとの連携機能がいろいろあったりする。

 ミヨシのペンは、iPadを操作でき、書いたり描いたりすることができ、スクリブルなんかも普通に使えつつ、4段階の傾き検出にも対応している。だがザックリ言ってそれ以上の機能性はない。

第2世代Apple PencilはiPad Proの横にマグネット吸着してペアリングや充電ができるが、ミヨシのタッチペンの場合はマグネット吸着するだけで充電などはできない。

 でも本家のApple Pencil(第2世代)は、ほぼ2万円。ミヨシのは5781円。この価格差と機能性の差を考えると「本格的にイラストを描くとかじゃないからミヨシのでいいや」ってコトになるかもしれない。ミヨシのよりも安いApple Pencil代用品は多々あるが、前述のとおり俺的にはハズレ率が低くないので、そのあたりは考え方次第かも。

機能性もイイ、質感もイイ、筆圧非対応だがフツーに便利

 実際にミヨシのタッチペンをひととおり使ってみたが、スゲく大雑把に言うと「使用感的な差は本家Apple Pencilと比べて筆圧がないってくらい?」みたいな。本家のはiPad Proにマグネット吸着させておくと充電できるとか本体をダブルタップすると消しゴム機能などを即呼び出したりできるが、基本的な機能である書いたり描いたりについては、「ぜんぜん違う!」みたいな使用感の差はない。ミヨシのタッチペン、書いたり描いたりしたときのタイムラグ(ペンの軌跡が線で表示されるまでの時間差)も「ほとんどない」と感じられるレベルだ。

ペン入力対応の各種アプリで使うことができる。パームリジェクション対応アプリの場合は、画面に手を置きつつ書くことも可能。メモアプリやSafariでのスクリブル入力(画面上に文字を手書きしてテキストに変換)もできる。
アプリがペンの傾き検知に対応している場合、ペンの傾け方で描かれ方をコントロールすることもできる。これは同じ筆ツールを使ってペンを立てて描いたもの(細い)とペンを寝かせて描いたもの(太い)。

 描くことに関しては、傾き検知に対応したアプリで使えば、けっこう表現力があるように思う。一方で筆圧感知がないので、「どうしても筆圧を活かして描きたい!」という人には完全に不向きだ。

 だが、筆圧を感知しないペンということで、これはこれで使いやすかったりもする。筆圧感知対応ペンに不慣れな人が描画系アプリを使うと「なんか一定の線を描けない」という違和感というか難しさを感じたりする。一定の濃さ太さの線だけ描ける筆圧非対応ペンは容易に使えるので、わりと多くの人が「簡単に描けていい」と感じるんじゃないだろうかと思ったりする俺だ。

 てな感じで実用性をしっかり持ったミヨシのiPad専用タッチペン「STP-A02」。安心感とともに使える1本かもしれない。

 なお、このペンの試用時、ひとつトラブルが発生した。最初に手持ちのiPad ProとiPad miniで試したら、iPadがミヨシのペンを認識しなかったのだ。

 原因は、それらiPadが既にApple Pencilとペアリングされていたこと。その状態だとiPad側でミヨシのタッチペンを認識しない。じつはほかの似たタイプのタッチペンもこういう仕様になっていて、Apple Pencilと同居できないっぽい。

 対応策は、iPad側でBluetoothをオフにするかApple Pencilとのペアリングを解除するかして、iPadがApple Pencilを認識していない状態にすることだ。なお、この件についてはミヨシの製品情報ページの「本製品が反応しない or 反応が悪い場合」に明記されている。

 ってまあ、こういうペンを買う場合、Apple Pencilの代替品として買うわけで、Apple Pencil未使用状態のiPadで使うことがほとんどだと思う。なので上記のようなトラブルが起きるケースはほとんどないような気がする。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。