スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

「おもしろそー!」な「JBL TOUR PRO 2」は全方向抜け目のない完全ワイヤレスイヤホンだった!!!

 今回のネタはJBLの完全ワイヤレスイヤホン「JBL TOUR PRO 2」。2023年3月10日発売の製品で、メーカー直販価格は3万3000円。ネットで予約購入し、ポイント還元を計算に入れると2万9700円だった。

JBLの完全ワイヤレスイヤホン「JBL TOUR PRO 2」。イヤホンケース兼充電器に高機能なタッチ操作対応液晶ディスプレイが搭載されているのが大きな特徴だ。カラーはブラックとシャンパンゴールドがある。

 発表時に「おっコレおもしろそー!」と思って速攻で予約。発売日に入手しつつ、さらに「オリジナル充電ケースカバープレゼントキャンペーン」にも応募して専用ケースもゲット。

3月31日までにJBL TOUR PRO 2を買うと専用革ケースがもれなくもらえた。応募期間は2023年3月10日~4月9日までで、既に受付は終了している。
キャンペーンに応募して革ケースをゲット! って応募するともれなくもらえたんスけどね。
もちろんジャストフィット。革製で高級感あり。5000円くらいしそうなケースだ。

 と、完璧なカタチでJBL TOUR PRO 2をお迎えした俺なのだが、じつはこのイヤホンを使い始めたのは6月。3月発売のイヤホンを3カ月死蔵し、ようやく6月に入って充電&使用開始したのであった。

 いやー「おもしろそー!」的な勢いで買った製品は、さらに「おもしろそー!」なモノがあると後回しになっちゃいますな。俺の場合は各種生成系AIのほうにおもしろみを感じてしまい、そちらに時間を食われてJBL TOUR PRO 2にほぼ触れないままだった。

 また、5月8日に新型コロナウイルス感染症の感染法上の分類が「5類感染症」になると同時に、急ぎの仕事がすご〜くたくさん入った。久々に徹夜で仕事したりするくらい多忙だった。しかも話が来た日から10日せず原稿&写真を入稿しろとか(以下略)。

 で、生成系AIの熱中度が下がりつつ(遊んでる暇がなかったため)、急な多忙状態も収まりつつ、ようやくJBL TOUR PRO 2を使い始めたのが6月。発売からずいぶん間が空いた。

 いやー「おもしろそー!」がきっかけで買った製品、場合によっては長く死蔵しちゃいますなー。でもせっかく買ったんだし、専用ケースもあるんだしで、時間&心に余裕ができたところで使い始めた次第。

 そしたら「おもしろそー!」の予想を超えて非常におもしろい製品であり、しかも完全ワイヤレスイヤホンとして非常に完成度が高く使いやすい製品なのであった。てなわけで以降、JBL TOUR PRO 2をレビューしてゆきたいッ!!!

世界初「スマートタッチディスプレイ」搭載充電ケースはスゲく便利

 まず、JBL TOUR PRO 2を買ったそもそもの理由である「ケース兼充電器に搭載されたタッチ対応ディスプレイ」について。スマートタッチディスプレイというそうだが、使ってみたらヒッジョォ〜に便利であった。

イヤホンの充電器としても機能する専用ケースには、タッチ対応ディスプレイのスマートタッチディスプレイが搭載されている。ディスプレイサイズは1.45インチ。

 JBL TOUR PRO 2は専用スマートフォンアプリ「JBL Headphones」でいろいろな操作・設定を行える。その主な操作は、ケースのスマートタッチディスプレイだけでも行えるのだ。

JBL TOUR PRO 2は専用スマートフォンアプリ「JBL Headphones」の表示例。ほかの完全ワイヤレスイヤホンと同様、スマートフォンから設定などを行えるが、JBL TOUR PRO 2の場合は多機能・高機能なので、アプリから非常に詳細な設定を行えたりする。

 ケースのスマートタッチディスプレイだけでも行える具体的な操作は、曲の再生・停止・送り戻し、音量調整、ノイズキャンセリングなどのオンオフ、イコライザーの選択などなど多々。さらに、スマートフォンへのメールの着信などをディスプレイ上に通知したりも。

曲の再生や停止やスキップ、音量調整、ノイズキャンセリングなどの切り替え、通知の設定、イヤホンの発見、フラッシュライト機能などまで、ケースのスマートタッチディスプレイで行える。メール着信の通知なども表示される。

 完全ワイヤレスイヤホンの場合、Bluetooth接続したスマートフォンから各種操作・設定を行うことが多い。また、イヤホンにタッチして主な操作を行うことも多い。まあ、そういうモノだと思えば、煩わしいことでもないし、フツーに便利に使える。

 だがJBL TOUR PRO 2の場合、そういった操作を「専用ケースをリモコン的に使っても行える」のがイイ。「あー完全ワイヤレスイヤホンってリモコンあると便利だなー」と思う。

手のひらサイズのケースは、そのままリモコン的に使える。タッチ操作はスマートフォンと同様のスムーズさ。表示も見やすい。

 このケースのリモコン的機能、実際に使ってみて感じるのは「いちいちスマートフォンを出して操作しなくて済むから手っ取り早い」「イヤホンのタッチ操作をする必要がなくて気軽」ということだ。

 裏を返すと、「そうかースマートフォンじゃないと設定変更できないって案外不便だったんだな」「イヤホンのタッチ操作しないで済むと、操作時にタッチする音や振動が耳に伝わらなくて快適だな」「タッチ操作方法忘れちゃってもいいから気楽」みたいなメリットが多々浮かび上がってくる。

 ただ、ひとつ残念なのが、このディスプレイには再生中の曲名などの情報が表示されないこと。せっかく高精細なディスプレイがあるんだし、再生中のコンテンツ名など情報が表示されるとさらに嬉しかったなー、と。ファームウェアアップデートとかで曲名表示が実現してくれたらいいなあと思う。

 でも俺の場合、iPhone&Apple Watchを使用中であり、そこにJBL TOUR PRO 2が加わるカタチ。なので、じつは曲情報などはApple Watch上に表示されるので、「まあケースのディスプレイに曲情報出てこなくていいかな」くらいな残念感ではある。

 それとこのディスプレイには、スクリーンセーバー(というか最初に表示されるロック解除画面)があり、そこに各種壁紙を設定できる。また、壁紙をオリジナルで作成することもできる。

オリジナル壁紙の作成は専用アプリから行う。
オリジナル壁紙を作成してみた。あら楽しい〜♪

 なお、購入時に若干の懸念があった。「ケースのタッチディスプレイで誤操作が増えたりするかも?」ということだ。

 が、ケース画面に触れると必ずロック画面が表示され、そこから右へスワイプしないと各コントロール機能にはアクセスできない。ので、そーとーな偶然がない限り「知らずと画面に触れちゃって設定が変わった」みたいなことはないと思う。

 てな感じで、ケースのスマートタッチディスプレイを「おもしろそー!」と思って買ったJBL TOUR PRO 2だが、おもしろいってコトよりも「便利ー!」というのが先にきた。そして猫壁紙まで作れて「おもしろーい!」となった。

 ともあれ、この世界初「スマートタッチディスプレイ」搭載充電ケースはスゲく実用的。ほかの完全ワイヤレスイヤホンメーカーもゼヒ追従してユーザーを喜ばせつつ完全ワイヤレスイヤホン(のケースの)新時代を築きまくってほしいと思ったりした。

装着感は? 音質は?

 あーもーこのケースのスマートタッチディスプレイだけで満足〜♪ みたいな気分の俺だが、JBL TOUR PRO 2は音質も装着感も優れた完全ワイヤレスイヤホンだと感じている。

 音質や装着感を支える各種テクノロジーについてはメーカーの製品ページをご覧いただきたいが、主な仕様は……。対応コーデックははSBC、AAC、LC3(対応予定)。イヤホン本体の防水性はIPX5(あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない防噴流形)。

 連続使用時間は、アクティブノイズキャンセリング非使用時がイヤホン本体約10時間再生+充電ケース使用約30時間、アクティブノイズキャンセリング使用時がイヤホン本体約8時間再生+充電ケース使用約24時間。急速充電対応で、15分の充電で約4時間再生可能となっている。

 で、音質だが、個人的な印象としては「高音のシャープさと透明感にすこーし欠けるかなー」とは思うが、全体的にとてもバランスの良い音だと感じられる。低音〜ボーカル域は厚みと豊かさが感じられる音質で心地よい。高音がきらびやか過ぎないのは、逆に聴き疲れしにくくて快適かも。

 とはいえ、音質に関してはユーザーの好みや感覚によることろが多い。ので、購入の際はなるべく実際に試聴してからにしてほしい。

きめ細やかなカスタマイズ性で定評のある「JBL Headphones」アプリだが、JBL TOUR PRO 2から、個人の聴覚特性に最適化する「Personi-Fi 2.0」が搭載され、外音取込時のゲイン増幅と左右差を微調整可能にする「パーソナルサウンドアンプリフィケーション」が使えるようになった。また、音量を85dB以下に抑えて難聴などを防止する「ボリュームリミッター」も利用可能に。

 それと、効きのよいイコライザーがあり、これをカスタマイズすることも可能。イコライザー設定(プリセット)は、ケースのスマートタッチディスプレイから切り替えられるので、曲に合わせて最適な音質で聴くことを「手軽に」できて快適だ。イコライザーはユーザーが自由に調整して新規プリセットとして保存・使用することもできる。

効きのよいイコライザー。初期値では5種類が用意されているが、カスタマイズして新規プリセットを保存することができる。
ケースのスマートタッチディスプレイ上でイコライザーの切り替えができる。ただし(現在のところ)、カスタマイズしたイコライザー設定については、ケース側で選べるのは「最後にカスタマイズ保存した1つのみ」のようだ。

 イヤホンの装着感だが、俺的には初期状態でバッチリであった。完璧にフィット。ただし、これもユーザーによるものだと思うので、購入するならやはり一度試着したほうがいいのかもしれない。

 使っていて気づいたのは、JBL TOUR PRO 2のイヤホンはゴツくなくコンパクトで装着感が軽快だということ。比べてみると手持ちの完全ワイヤレスイヤホンのどれよりも小型なのであった。

 JBL独自の「ショートスティック型」デザインだそうだが、耳からの出っ張り具合も少なく、自然な装着感がありつつ、それでいて脱落しにくそうな安定感まで揃っており、かなり好印象である。また俺的使用環境では使用中に音が途切れるといったことは起きていない。

強力なノイズキャンセリング、充実した機能性、けっこーマニアック?

 それからノイズキャンセリングなどの機能性だが、周囲のノイズに応じて雑音を打ち消すANC(アクティブノイズキャンセリング)がしっかり効いて満足している。もう少し強力にANCが効く完全ワイヤレスイヤホン製品もあるとは思うが、現在のANCの効きとして最高レベルではないだろうかと思う。 またそのカスタマイズ性も高く、自分の耳に合わせた最大の効果が得られるようだ。

アンビエントサウンドと呼ばれる機能では3つの効果を使い分けられる。アクティブノイズキャンセリング、アンビエントアウェア、トークスルーの3つで、それぞれ効きが鋭くわかりやすい効果が得られる。ノイズキャンセリングは自分の耳に合わせて細かくカスタマイズ(効果向上)することができる。外音取り込みのアンビエントアウェアは、取り込む外音の量も調節できる。

 個人的に興味深く感じたのは「トークスルー」という機能。周囲の音をあえて取り込むアンビエントアウェア機能があるが、これに加えてさらに「自分が発して外に出た声を取り込んでいる」らしく、自分と相手の声を明瞭に聞き取りながら自然に会話できて快適だ。

 各機能を使っていると「こんな細かく調整やカスタマイズができるんだ」とたびたび感じる。それぞれの機能性が充実しているという印象で、作り込みが深いというか強いというか、さすがの有名オーディオブランドだと思う。専用アプリ「JBL Headphones」の表示を見るだけでも、その機能性の豊かさがわかる。

細かく調整できるノイズキャンセリング系機能、個人の聴覚特性に各機能を最適化する「Personi-Fi 2.0」設定、イコライザー、独自の空間サウンド、イヤホンタッチ操作の機能カスタマイズ、通話中に聞こえる自分の声の大きさを調整できるボイスアウェア設定、コンテンツに応じて遅延などをコントロールできるスマートオーディオモード、ノイズキャンセリングを睡眠などの「静けさ」ために使うSilentNow機能、イヤホン着脱時の再生開始・停止設定、周囲の音を増強しつつ会話音声も強めて話しやすくするパーソナルサウンドアンプリフィケーション設定、イヤホン左右の音量バランス調整、音声アシスタント設定、音声案内言語設定、イヤホンフィット性の確認、ボリューム上限設定、イヤホンから音を出しての紛失イヤホン発見機能、スマートケースの表示設定、オートパワーオフやオートスタンバイなどバッテリー節約系設定、クイックスタートやリセットや説明参照などまで、これでもかッ! ってほどの機能が盛り込まれている。そしてどれもわかりやすい説明が付いていて設定しやすい。

 アプリの右上には電源アイコンがあるが、イヤホンを耳にしたまま電源をオフにすることまでできる。なんかもー細かいところまで見ていくと「かなりマニアック?」って感じ。項目数が多くて一見使いにくそうには見えるのだが、しかし、よくわからない機能はスルーして使ってもまったく問題がないので、こういう充実ぶりは大歓迎だといえよう。

 てな感じのJBL TOUR PRO 2。ケースは超便利だし、音もイイし、機能性もスゲく充実している。3万円とかしちゃうお高めの完全ワイヤレスイヤホンだが、使ってみると「ここまで作り込んであるなら3万円は高くないかもしれない」と思わせる、なんつーかメーカーの気迫や良心のようなものが伝わってくる。全方向ほとんど抜け目のない完全ワイヤレスイヤホンだと思うので、興味があればぜひ触れてみてほしい!!!

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スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。