スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

iPhone用カメラグリップ「Fjorden」を海外通販で購入! 撮影がスゲく快適に!!!

 今回のブツは「Fjorden(フィヨルデン)」というiPhone用カメラグリップ。ネットでその存在を知り、あらコレ良さそう! とか思って速攻で注文したがイロイロあって手に入るまで4カ月もかかったが、7月から使い始めた。

黒い板状のものが「Fjorden」。iPhoneとBluetooth接続して使うカメラグリップで、専用アプリ「Fjorden Camera」で高度なコントロールとともに多彩な撮影を行える。iPhone装着用の各種アクセサリーとのセットで販売されており、直販価格は2万1000円から。
「Fjorden Camera」アプリの表示例。Fjorden本体と組み合わせて使うことで、デジタル一眼カメラのように多彩な機能をクイックにコントロールしつつ撮影できる。

 FjordenはiPhoneのカメラ機能を片手で細かく調整するためのコントローラーで、このコントローラーの実力を最大限に発揮させられるのが「Fjorden Camera」アプリ。このアプリとFjordenを組み合わせると、iPhoneのカメラ機能を繊細かつスムーズに制御しつつ撮影できる。

 ちなみにこのアプリはFjorden本体なしでも使える無料アプリで、片手で各パラメーターの制御ができたりして便利なので、興味があればお試しを。

 なお、FjordenでiOS標準カメラのシャッターを切ることはできるが、それだとFjordenが単なるBluetoothシャッターボタンとしてしか機能しない。余談だが、BluetoothシャッターボタンとしてのFjordenは「音量下げボタン」を押すタイプだ。

 ともあれ、7月に単独ロケにてFjordenを使ったが、使ってビックリこれが非常に便利。このテの「iPhoneカメラをより便利に使うためのコントローラー」の類は好物でいくつも使ったが、Fjordenはコントローラーもアプリもスゲくよくできていて、使い心地が非常によく、機能性についてもたいへん満足できるものとなった。

モノとしては樹脂製の薄くて軽い板デバイス。最安のセットで2万1000円からだが、「これが2万?」てな印象ではある。しかし使うと「あーら便利!」と満足感が高いデバイスなのであった。

 Fjordenは海外通販で購入した。「Fjorden Ultimate」という(現在はラインナップにない)全部入りのバンドルセットを買ったが、送料や税金などがけっこーかかってトータルで4万3000円くらいとなった。

 えっ、そんなにかかっちゃう? と若干ビビりつつ「この値段で使ってイマイチだったら、かなりヤだな〜」と危惧しながらFjordenの到着を待った。

 だが使ってみたら不安解消。Fjorden、こんなにツカエるiPhone用カメラグリップだったとは! とヒッジョーに喜べた。てなわけで以降、このサイコーな感じのカメラグリップをレビューしてゆきたいッ!!!

Fjordenは、どうやってiPhoneにセットするのか?

 FjordenはiPhone専用のカメラグリップで、iPhoneとはBluetooth接続して使う。そして専用カメラアプリと組み合わせて使うと、iPhoneでより高度な撮影ができるのは前述のとおり。

 ではFjorden、どのようにiPhoneにセットするのか。これがちょっと独特。

 Fjordenは独自のクイックリリース機構でiPhoneと合体する。iPhone側にはそのクイックリリースに対応したアダプターやケースが装着されている必要がある。そんな感じの(まあアリガチな)独特さがあるわけだが、実際にはけっこうスマートにiPhoneと合体するのであった。

Fjorden本体の端にボタン式のクイックリリース機構がある。
そのクイックリリース機構に対応するプレートやケース。左から、粘着テープでiPhoneやiPhoneケースに貼るタイプのユニバーサルアダプター、Fjorden用iPhoneケース、Fjorden MagSafeアダプター。
Fjordenのボタンを押ながらプレートやケースに対して押し当てると、カチッと合体。
ケースの内側にはこんな嵌合部がある。プレートもMagSafeアダプターも同様。簡単なつくりだがしっかりと合体する。また、嵌合部の反対側で2つの凹凸が組み合わさり、Fjorden本体がずれ動くことはまずない。
MagSafeアダプターでの使用例。Fjorden本体にはヒンジがあり、これを開くようにすると、一応iPhoneスタンドとしても機能するようだ(ケースやプレートでも同様)。

 てな感じで合体する。Fjordenは、最も安価な2万1000円の「FJORDEN BASIC(NON-MAGSAFE)」をはじめとして販売されているが、このバンドルに含まれるのはFjorden本体とiPhoneケースに貼るタイプのユニバーサルアダプター。

 Fjorden対応iPhoneケースやFjorden対応MagSafeアダプターとのバンドル品もある。粘着式のアダプターは全タイプのバンドル品に付属している。また、Fjorden対応のケースやMagSafeアダプターは単体でも購入できる。

Fjordenの物理ボタン機能

 Fjorden本体(コントローラー部)とiPhoneをBluetoothペアリングしたら、専用アプリを開いて撮影開始。

 Fjorden本体には4つのボタンがあるが、これらがどれも便利に使える。Fjordenはグリップとして薄いものの、片手でiPhoneを握るときの引っかかりとしては十分役立つ。

 iPhoneを片手でグリップしつつ、4つの便利ボタンを使うと、予想以上に「iPhoneをややマニアックに使うカメラとして快適に使える」ようになる。

Fjorden本体上部にあるボタン類。カメラ機能制御のための4つのボタンがある。

 上のボタンの図に番号を振った。これを参照しつつ、各ボタンの機能をザッとご説明。

各ボタンの機能
①「マルチファンクションボタン」
  • 初期設定では、短押しがアウトカメラとインカメラの切り換えで、長押しが撮影モードの切り換えとなっている。ただし、アプリの設定により、短押し・長押しの機能を変更できる。たとえば短押しをフラッシュオンオフに設定したり、長押しを撮影モードAuto/Manualの切り換えに設定したりできる。
②「コントロールダイヤル」
  • 露出やホワイトバランス、フォーカスなどを調整できる。静止画Auto撮影モードでは露出補正のみ調整可能で、静止画撮影Manualモードでは露出補正/シャッタースピード/ISO感度/ホワイトバランス/フォーカス調整を行える。調整ターゲットの変更はダイヤル短押しで、長押しにするとパラメーターのリセットとなる。
③「シャッターボタン」
  • 半押しでピント合わせができ、全押しで撮影となる。
④「ズームレバー」
  • 撮影時に使うレンズ(倍率)を断続的・連続的に切り換えられる。たとえば短スライドで0.5×/1.0×/2.0×/3.0×を切り換えられ、長スライドで倍率を連続的に変えてのズームイン・アウトを行える。

 といった感じで、露出補正込みでのオート撮影から多彩なパラメーターを調整しつつのマニュアル撮影まで、各項目をイジりつつスムーズに撮影できる。ボタン数がやや多いので最初は操作に戸惑うかもしれないが、まあすぐ慣れられるボタン数・機能だと思う。

 シャッターボタンの半押しでのピント合わせは、半押しがやや深いところにあるので若干の慣れが必要ではあるものの、やっぱりシャッターボタンでフォーカスを合わせられるのは快適! と痛感する。

 ちなみに、Fjordenの電源オンはシャッターボタン押下。電源オフは自動で行われる(アプリを閉じた状態で無操作が5分続くとオフになる)。

ほとんど片手で操作できてスゲく快適♪

 前述のように、Fjordenコントローラー部は右手ですべてのボタンを操作できるようになっている。また、専用の「Fjorden Camera」アプリも、操作部はほぼ全て右側に集中しており、主な操作を右手親指だけで行えるようデザインされている。

 なお、アプリは縦位置でも正しく表示される。だが、Fjordenコントローラーのボタン位置やアプリのUIからして、FjordenではiPhoneを横位置かつ右手で握って撮影するのが前提になっているようだ。

Fjordenを装着してiPhoneを握った様子。この状態で、人差し指や中指で各ボタンを操作できる。
「Fjorden Camera」アプリの操作UIのほとんどは右側に集まっている。ので、右手親指だけで操作できる。

 という感じで、iPhoneのカメラ操作を右手だけで行える。もちろん左手でタップして操作してもいいが、慣れてくると「右手だけでここまでiPhoneカメラをコントロールできて便利〜♪」みたいな気分に。

 まあコンパクトデジカメでもミラーレスカメラでも、だいたい右手で主な操作ができる。

 Fjordenを使うとiPhoneもそういう専用機の操作性に近づくということだが、そうなってくるとiPhoneのカメラ機材としての「遠回りな操作感から感じる不便さ」がどんどん払拭され、iPhoneのカメラ機材としての実用性がグイグイ高まってくる感じ。

 最近のiPhoneは画質的にもかなり優秀で、Fjordenにより操作性の良さも追加される。すると、iPhoneの道具としての価値が底上げされたような感覚になるっていうか、実際に底上げされたのだと思う。

 てな感じで使えるFjorden。全体的に非常に完成度の高いiPhone用後付けカメラグリップだと思う。コントローラー本体とアプリの融合がナイスで、どちらもツボを押さえた作り込みがされていると感じる。

 Fjorden、iPhoneのカメラで露出補正しつつ撮ったりマニュアル系の撮影機能を多用している人には、かなりオススメ。興味があればぜひジックリとチェックしてみてほしい。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。