三井公一の「スマホカメラでブラブラ」

フォルダブルスマホ「motorola razr 40」のカメラを使ってみる! カジュアルに撮影を楽しむ一台

 今回はモトローラ製のフォルダブル端末「motorola razr 40」を使ってみた。畳めばポケットに収納しやすく、開けば大画面で撮影が楽しめるというスタイリッシュで便利な端末だ。果たしてその写りはどうだろうか? なおスペックなど詳細は関連記事を参照願いたい。

縦位置撮影のホールド感がバツグン

 「motorola razr 40」はいわゆる懐かしい「ガラケー」方式の縦開きスタイルだ。パカッとディスプレイを開けると約6.9インチの有機ELディスプレイの大画面が広がる。

 明るく高精細なそれは撮影のプレビューやコンテンツを確認するのも快適だ。この状態はスリムなので実にホールドしやすい。ヴィーガンレザー素材のマットな触感もグリップ感と質感向上に寄与している。

 フルオープンではなく、テントスタイルやコンパクトスタイルでの撮影も可能なので、テーブルなどに置けば手軽にセルフィーやセルフタイマー写真の撮影ができる。ジェスチャーでシャッターを切ることも。

 アウトカメラ部には約1.5インチの小さいディスプレイを備えており、各種情報やアイキャッチアニメを表示することができる。

 アウトカメラ部を見てみよう。デュアル構成のカメラは超広角(約1300万画素、F2.2)とメイン広角(約6400万画素、F1.7)となっている。メインカメラはピクセルビニングと光学手ブレ補正機能を採用し、高い画質での撮影ができる。

 撮影メニューは一般的で、「ポートレート」や「動画」、マニュアル設定可能な「プロ」、高解像度撮影「Ultra-Res」などの選択ができるようになっている。

撮影設定画面

 撮影したカットはデュアルスクリーンを活かした表示で編集することが可能だ。「Googleフォト」と「Snapseed」の両アプリを立ち上げて、写真のセレクトと編集加工をしてみたがなかなか便利であった。

「motorola razr 40」でブラブラとスナップ実写

 折り畳めばデニムの前ポケットに収納もでき、ムリすればシャツの胸ポケットにも入るので、これから暖かくなる薄着の季節には携行しやすそうだ。

 また端末を持って手首を2回振ればカメラが立ち上がる「クイック撮影」機能が結構いい。もっと瞬時に立ち上がってくれれば、とっさのスナップ撮影チャンスでも大いに役立ってくれることであろう。

 撮影の仕上がりはかなり「盛った」印象だ。高精細でシャープネスが高く、彩度も明るめで高い。ひと昔前のAndroid機を思い起こさせる絵作りだ。

 ひととおりの撮影はそつなくこなせるので、ハイエンド機には手が届かないが、フォルダブル端末を使いたい! という人にはマッチするのではないか。

多摩川河川敷のワンシーン。やや線が太い印象を受けるが、スカッとヌケがよく気持ちいいカットになった。
低照度のシーン。まだ空に明るさが残るこのカットは予想以上に雰囲気のある写真に。

 夜間撮影の帰りに立ち寄ったラーメン店で。ミックス光下であったが、肉眼に近い色再現性でいい感じに。シズル感もあり、明るい店内ではメシマズ写真になる心配はなさそう。

 ポートレートモードで巨大なこけしを撮影。エッジ部分の処理とボケ感も安定していると感じた。色のりはあっさりしつつも露出はやや明るめに感じる。

 山手線沿線をブラブラ中スナップした花屋の店先。カラフルなイメージになっているが、どことなく明るめでポップな仕上がりになった。

満開に近い梅をポートレートモードで。被写体と背景の境界判定に難があるものの、暖かい雰囲気はちゃんと表現できている。
とあるオフィスの駐車場で。コントラストとシャープネスが高く感じるが、この写りが「motorola razr 40」の特徴なのだろう。ちょっとギスギスした印象を受ける。

 隅田川に架かる橋の下で。明暗差が激しいシーンだが、ハイライト部からシャドウ部までそつのない写りを見せてくれた。

 漁港でのカット。どことなく涼しげな印象の仕上がりだが、実際には春のような暖かさだった。露出と色合いでさわやかな雰囲気に仕上がったようだ。

 沈もうとする夕陽を見る観光客。イメージどおりの露出と色合いになったが、こういうシーンに出現するゴーストに注意したい。フレーミングとアングルでうまく逃げられればいいのだが。

 多摩丘陵の切り通しで。実際には日陰で薄暗いのだが、あっさりとクッキリとしたカットになってしまった。竹や木々の写りは線が太くなっているがまずまずに感じる。

 ブラブラ中に気になる建物を発見。人物の後ろ姿を入れ込んでシャッターを切った。手首を2回振ればカメラが立ち上がる「クイック撮影」機能が役に立った。これは実にいい。

 三軒茶屋・国道246号線と世田谷通り、茶沢通り交差点のカット。夜空がベタ塗り状態になってしまった。輝度部ににじみが出ているが、一般的な撮影では何ら問題にならないだろう。

優れた携帯性がセールスポイント、カジュアルに撮影を楽しもう

 「motorola razr 40」はカジュアルに写真撮影を楽しむ端末だという印象を持った。折り畳んでお洒落に持ち歩き、手首を2回振って「クイック撮影」でスマートに料理やショーウィンドウを撮る。

 またテーブル上に置いて友だちとセルフタイマー撮影を楽しむ、そんなイメージだろうか。ミッドレンジ機なので、搭載されているカメラの描写や機能にこだわらず、そこそこキレイな写真が撮れればいい、というユーザーに向いていると感じた。

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三井 公一

有限会社サスラウ 代表。 新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。 雑誌、広告、ウェブ、ストックフォト、ムービー撮影や、執筆、セミナーなども行っている。Twitter:@sasurau、Instagram:sasurau