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モバイルバッテリーの苦い経験で学んだポータブル電源の買い方

 2022年3月16日に発生した福島県沖地震は記憶に新しい人も多いかと思います。大きな被害を受けた福島と宮城に家族がいる筆者はすぐ連絡を取り、幸い無事であることは確認できたのですが、自宅内で物が落ちたり、倒れたりといった被害は少なからずあったとのこと。より被害が大きかった地域では復旧にも時間を要しているだけに、一刻も早い復旧を願ってやみません。

 そしてこの地震は東京でも小さくない影響があり、ブラックアウト防止のため多くの地域で一時的に停電が発生したことから大きな騒ぎとなっていました。幸いにして筆者宅は停電の対象とはならなかったのですが、地震の直接的な影響だけでなく、間接的な影響でも大規模停電は起き得るのだということを改めて学んだ次第です。

 そこで今後発生するかもしれない大規模停電に備え、仕事に影響のある機器の電源供給を欠かさないためのバッテリーをいくつか購入することにしました。具体的には、USB PD対応でスマートフォンだけでなくノートパソコンの充電もできる大容量のモバイルバッテリーと、停電でパソコンやNASに影響を与えないためのUPS(無停電電源装置)、そしてそれらを使い切った時の備えとなるポータブル電源です。

もしもの停電に備えてバッテリー類を購入。モバイルバッテリーだけでなくUPSや、最近人気のポータブル電源も用意することに

 ですがいざ購入しようと思った時、1つ気になったことがありました。それは少し前、自宅にあったモバイルバッテリーを処分した時のことです。

 実は以前、企業の発表会でノベルティグッズにモバイルバッテリーを配布するというのが国内外問わず流行した時期がありました。2016年に起きた「Galaxy Note 7」の発火事故などを機としてモバイルバッテリーに関する規制が厳しくなり、それ以降は配布されることもなくなったのですが、それ以前にノベルティとして頂いたモバイルバッテリーが自宅内に多数残っていたのです。

 ですがそれらは頂いてから既に5年以上経過しているのに加え、スマートフォンのバッテリー大容量化が進んだ今となっては容量も小さく、実用性もあまり高くありません。それゆえ頂いた企業の方々には申し訳ないと思いながらも、まとめて処分する決心した訳です。

 ただモバイルバッテリーは発火の問題などもあることから、安易に捨てることはできません。そこでまずは、モバイルバッテリーをリサイクルしてもらえるという家電量販店に持ち込んで回収をお願いしてみたのですが、回収対象のメーカー製ではなかったりするなどの理由から、実際に回収してもらえたのは持ち込んだもののうち半数程度に過ぎませんでした。

 では残りは一体どうやって処分したらいいものか……と悩んで色々調べていたところ、幸いにも筆者の住む自治体では、モバイルバッテリーを燃えないゴミとして出せば回収してくれることが判明。残りはそのまま燃えないゴミに出し、無事処分するに至った訳です。

ノベルティで頂いた古いモバイルバッテリーを処分し、手持ちのモバイルバッテリーは大容量の4つに。ただその処分は意外と厄介だった

 こうした経緯があっただけに、モバイルバッテリーより大容量の機器を購入する際は、使い終わった後に安心して処分できる製品を選ぶべきでは? と考えた次第。そこで色々と調べてみたところ、UPSは主要メーカーのWebサイトに何らかの説明がなされており、同等のバッテリー容量の製品に買い替えた場合は使用済みのものをメーカーで回収してくれることが多いようなのでひと安心です。

 ですが困ったのはポータブル電源です。比較的新しい製品ということもあってか提供しているのが新興のメーカーであることが多く、Webサイトに製品の機能や性能に関する説明は充実しているものの、処分や回収などに関する説明をしている所はあまり多くなく、説明があったとしても「自治体に確認すること」と書かれているのみであったりします。

 一方で自治体のWebサイトを確認すると、処分方法は「メーカーに連絡すること」と書かれているケースが少なからずあり、たらい回しにされている印象も否めませんでした。そこで今回は確実に処分できることを考慮し、メーカーによる回収の実績があるアンカー製のポータブル電源を選ぶに至った次第です。

ポータブル電源はメーカーによる回収の実績があったアンカー製の「Anker 521 Portable Power Station (PowerHouse 256Wh)」を選択。仕事用のバックアップ電源としては十分な容量だ

 バッテリーはあくまで消耗品。いつかは処分する必要があるものですから、メーカー、自治体共に処分の仕方についてもっと積極的な取り組みや情報発信をして欲しいと感じています。そうでないと最近のブームで購入したポータブル電源の寿命が来るであろう数年後、「処分できないポータブル電源」が社会問題になってしまいそうな気もしています。