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楽天、新たなAIモデル「Rakuten AI 3.0」を開発
2025年12月19日 16:45
楽天グループは、日本の生成AIの開発力強化を目的としたプロジェクト「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)プロジェクト」の一環として開発した新たなAIモデル「Rakuten AI 3.0」を発表した。
本モデルは、Mixture of Expertsアーキテクチャを採用した日本語大規模言語モデル(以下「LLM」)。
生成AI APIを統合した開発用プラットフォーム「Rakuten AIゲートウェイ」の生成AI API群に加わり、「Rakuten AI」エージェントプラットフォームを通じて、楽天のサービスに順次導入される予定。
来春には、オープンウェイトモデルとしての公開も計画されている。
本モデルは、計算効率を高めるため、約7000億個のパラメータのうち、個々のトークンに対して約400億個のパラメータのみをアクティブ化。アクティブパラメータには3つの密な層とエキスパートコンポーネントが含まれ、各トークンは、常にアクティブな「共有エキスパート」と8つの「専門エキスパート」を経由する。
この構造により効率的な処理が可能に。大規模で複雑なデータセットでの迅速かつスケーラブルな学習を可能とするため、本モデルの学習は楽天が設計した社内マルチノードGPUクラスタ上で実行された。
楽天は、基盤モデルの会話能力と指導追従能力のファインチューニングを行い、日本語版MT-Benchを使用してモデル評価を行ったとしている。
日本語版MT-Benchは、LLM を8つの側面(ライティング、ロールプレイ、推論、数学、コーディング、抽出、STEM、人文科学)で評価するために作られた、80の質問からなる自由回答形式の評価データ。
「Rakuten AI 3.0」のスコアは8.88。過去のRakuten AI LLMやOpenAIの「gpt-4o」を上回る結果となった。
 と日本語に特化した主なモデルの比較.png)

楽天は今後、豊富なデータと最先端のAI技術の活用を通じ、世界中の人々へ新たな価値創出を目指していく。
