本日の一品

アンカーの大容量ポータブル電源を試す

劣化しにくいバッテリーと、省電力スイッチが安心

 アンカーのポータブル電源、「Anker 535 Portable Power Station(PowerHouse 512Wh)」をレンタルする機会を得ました。

「Anker 535 Portable Power Station」
「Anker 535 Portable Power Station」ポート類

 USB Type-Cポートは出入力共に最大60W、Aポートは5V/7.2Aで各ポート12W、最大合計36Wの出力に対応します。Type-Cポートは、スマートフォンやタブレット等への充電・給電だけでなく、ポータブル電源のバッテリー充電するための入力ポートとしても使えます。

 ACアダプターでの充電は最大120W、Type-Cポートは最大60Wのため、Type-Cポート単体で充電する際を1倍速とすれば、ACアダプターでの充電は2倍速、Type-CポートとACアダプターを同時に入力に使った場合は3倍速で充電できます。

USB Type-Cポートは入出力どちらも対応する(写真はバッテリーからの出力中)

 ポータブル電源を使用中は、ディスプレイ上にバッテリー残量、現在の消費電力(W)、残りの使用可能時間または充電完了時間の目安が表示されます。現在の消費電力やバッテリー残量が一目でわかるので、多数のデバイスや家電を接続して使うと、どの家電の消費電力が大きいのか、どの状態で消費電力が大きくなるのかわかりやすく、消費電力の変化を見るのもけっこう楽しめます。

 シガーソケットとAC出力ポートは、それぞれ出力をON/OFFするスイッチがあり、電源を供給するためにはこのスイッチをONにして電力の供給を開始します。充電・給電を終了した後、このスイッチをオフにすると電力供給が終了となります。

 筆者が所有している従来のアンカーのポータブル電源では、充電終了後にスイッチをOFFにし忘れると、待機時消費電力によってバッテリーの消費が続き、次に使おうとした時にはバッテリー残量がゼロだった…。という経験をしたことがありますが、本製品は待機時に電力を消費し続けると、自動的に出力がオフになる"省電力モード"を備えています。

従来のAnkerポータブル電源スイッチ切り忘れでバッテリー残量がゼロになることも…。

 「Anker 535 Portable Power Station」では、省電力スイッチを有効にしておけば、充電・給電の完了後にうっかりスイッチをONにしっぱなしにしても、誤ってバッテリー残量がゼロになる事故を予防できます。

 ポータブル電源を使う頻度が数カ月に1回とか、非常用のため年に1回あるかないか。という使い方でも、うっかりバッテリー残量を枯渇させる心配がありません。なお、電力消費の小さい、ワイヤレスイヤホンやデジタルカメラなどを充電する際は、省電力スイッチをオフにすることが推奨されています。

 ポータブル電源のバッテリーを経由せずに各機器へ充電する、パススルー充電にも対応しているため、災害などに備えた非常用電源として準備しつつ、普段はWi-Fiルーターなどのネットワーク機器やサーバなどにつないで、UPSとして使うこともできます。

ノートパソコン + ホームルーターなら、1日まるごと使える

 ノートパソコン「MacBook(M1チップ)」と、UQコミュニケーションズのホームルーター「Speed Wi-Fi HOME 5G L11」を「Anker 535 Portable Power Station」から電力供給しながら使ってみたところ、消費電力はおよそ30W、1時間あたりのバッテリー消費量は4~5%前後となりました。

MacBookをType-Cポート、ホームルーターをACアダプタ経由で同時に利用

 1時間あたりのバッテリー消費量が4~5%のため、この組み合わせでは連続して20時間以上、ポータブル電源を使った作業が継続できます。停電やキャンプ中など、通常のコンセント経由での電力が使えない場合でも、ノートパソコンを使った作業なら丸一日以上、スマートフォンやタブレットの利用であれば数日は問題無く過ごせるでしょう。

長く使えて安心、処分の際はメーカーによる対応も

 アンカーは、これまでも多くのポータブル電源を発売していますが、新モデルの「Anker 535 Portable Power Station」は、リン酸鉄リチウムイオン電池を採用することで、充電と放電を3000回繰り返した後でも初期容量の80%以上が期待できるとアピールされています。

 アンカーの従来のポータブル電源は、充放電のサイクル寿命が300回~500回とされていたため、製品寿命は大幅に延びています。ポータブル電源は、モバイルバッテリーと比べて単価が高く、買い替えサイクルも長くなることが予想されますが、1つの製品を長く使う人のおサイフにも、環境にも負荷が少ない仕様と言えるでしょう。

 また、提供元のアンカー・ジャパンはモバイルバッテリーなどの回収に対応しており、本製品についてもユーザーの送料など負担なしに製品を廃棄できます。リン酸鉄リチウムイオン電池の採用によって製品寿命が長くなっている製品ではありますが、正規店で購入した製品であれば、最後にはメーカーが責任をもって回収にあたる点も、"最後まで安心"と言えそうです。

製品名発売元価格
Anker 535 Portable Power Station(PowerHouse 512Wh)アンカー・ジャパン5万9800円