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第83回:「!広告!」メールとは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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届く「!広告!」メール
経済産業省が「特定商取引に関する法律施行規則」を改正する省令を公布し、2002年2月1日から、インターネットや携帯電話の広告メールの送信方法にルールができました。
最近、携帯電話やパソコンに「!広告!」という文字が入ったタイトルのメールが届くことがあると思いますが、これはその法律に則って作られた広告メールです。特定商取引に関する法律施行規則では、広告メールの題名のつけ方や、苦情があった場合の対処方法などのルールが決められています。
ルールは「オプトアウト」メールに対するもの
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無差別に携帯電話へ届けられた「!広告!」メール
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広告メールには2つの種類があります。ひとつは、無差別にメールを送り、送りつけられた側の要望によって次回の発送時には名簿から外す「オプトアウト」型の広告メール。もうひとつの方法は、メールマガジンのようにあらかじめメール配信の希望者を募り、その人たちだけに広告を送る「オプトイン」型の広告メールです。
今回改正された規則が適用されるのは、前者のオプトアウト型メールです。こちらは無差別に送られてくる広告メールですので、このようにルールを設けることで携帯電話ユーザーの迷惑にならないようにするのと、なおかつ商業的なメールであることを明確にさせるのが目的です。しかし携帯電話の場合だと、メールの到着を知らせる着信音を設定している場合が多いので、例えば深夜など就寝しているような時間帯に無差別で重要度の低いメールが送られてくると、それだけで迷惑と言えるかもしれません。
なお、広告メールに義務付けられたルールは、
・広告メール発信の際、メール送信者のアドレスを表示 ・メールの題名(Subject)に「!広告!」を表示 ・本文にも広告の旨を明記 ・ユーザーがメール受信拒否を送信者に伝える方法を明示 ・受信拒否の連絡方法を設定しない場合、題名に「!連絡方法無!」を含める
などで、今回改正された規則では、これらすべてを満たさなくてはならなくなりました。
また、本来この法律は、通信販売業者などが広告する際のルールでもあるので、「住所、問い合わせ先電話番号」などの表示も義務付けられています。従って、広告メールを送信する際には、住所や問い合わせ先を含め、先述のルールを守る必要があるのです。
もしこれらの表示がなされていない場合は、「違反広告メール」ということになり、諸ルールに違反した場合には、メール送信業者は大臣による行政処分の対象となります。さらに違反を繰り返すと、業務停止を含む行政処分が行なわれることもあるとされています。
なお、経済産業省の財団法人であり、特定商取引法に基づいた消費者取引に関する情報収集や苦情処理、相談などの業務を行なう公益法人「日本産業協会」では、現在広告メールの義務に違反しているメールの情報提供を募っています。もしも迷惑な違反広告メールが届いた場合は、ここに転送するといいでしょう。日本産業協会の迷惑メール転送受付窓口のメールアドレスは次の通りです。
※違反広告メール転送先:「meiwaku@nissankyo.jp」
携帯電話での「!広告!」メールの対応
さて、この広告メールのルールに従うと、広告メールがいらない場合には、「!広告!」を含むメールをどこかで着信できないように設定してしまえば便利だということになります。しかし、携帯電話の場合では、残念ながら今のところどの事業者もメールの題名でメールの着信を拒否できるような機能はありません。
現在のところ、この手のメール対策としては、若干不充分な部分もありますが、例えばNTTドコモの「ドメイン指定受信」機能などで受信制限をかけ、指定のドメインからのメールだけを受け取るような設定を利用することができますので、こういった機能を使えば、受けたくない広告メールを回避できることになります。
また、auとツーカーグループでも、この4月から迷惑メール対策として「指定受信機能」の提供を開始します。指定受信機能は、「メールアドレス」「ドメイン名(メールアドレスの@以降)」「メールアドレスの@以前」の3項目から受信したいメールアドレスを登録すると、それ以外のメール受信を拒否できるというものです。
なお、パソコンなどで使用するインターネットメールの場合では、題名に「!広告!」が含まれるメールはサーバから削除するように設定できるプロバイダもありますので、このようなプロバイダや「リモートメール」などのサービスを活用し、携帯電話でのメールのやりとりもインターネットメールを中心に使用する、というのもひとつの対策方法になるかもしれません。
・ 特定商取引に関する法律施行規則の一部を改正する省令(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0002285/
・ 迷惑メールの情報提供について(日本産業協会)
http://www.nissankyo.or.jp/tpc/tp101.html
・ 経済産業省、迷惑メールに対応するため特定商取引法改正へ
・ auとツーカー、メールの「指定受信機能」を4月追加
(大和 哲)
2002/03/07 13:18
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