「iコンシェル」(iコンシェル)は、好みや居場所、時間などユーザーの状態に合わせて、情報を配信・更新するなど、ユーザーの日常の行動を支援する機能を持つ、NTTドコモの新サービスです。
「iコンシェル」の“コンシェル”とは、ホテルなどで宿泊客のさまざまな相談に乗ったり、要望に対応したりする係「コンシェルジュ」(concierge)から取ったとされています。ユーザーへの情報提示などに、マスコットキャラクター「マチキャラ」のユーザインターフェイスを利用して人に模した機能にすることで、親しみやすいサービスを目指しています。代表的なiコンシェルのマチキャラとして「ひつじのしつじくん」が採用されています。それぞれのユーザーにあわせて情報配信するサービスは「エージェントサービス」とも呼ばれます。
このサービスは、ドコモの2008年秋冬モデルから対応しています。2008年11月現在の対応予定機種は、N-02A、P-02A、P-03A、F-01A、F-03A、N-01A、P-01A、SH-01A、SH-03A、N-04A、P-04A、P-05A、SH-04Aの13機種です。利用料は月額210円です。また、iコンシェルを契約すると、「電話帳お預かりサービス」もあわせて契約する形になりますが、「電話帳お預かりサービス」の月額利用料105円は、iコンシェルの利用料に含まれており、210円でiコンシェルと電話帳お預かりサービスが利用できます。
■ 居住地、ライフスタイル、スケジュールに合わせて配信
iコンシェルの仕組みの中心は、いわゆるレコメンデーションシステムと言えます。レコメンデーションシステムとは、住んでいるエリアの情報やスケジュールなど、ユーザーに関する情報を収集・分析して、ユーザーが必要とするだろう、と推測した情報を配信するものです。
たとえば、居住エリアを元に普段利用している鉄道路線の運行情報や、道路の渋滞情報、住んでいる場所の天気予報、地域のイベント情報などがユーザーに提供できます。
iコンシェルでは、コンテンツプロバイダから有料/無料の情報サービスも配信されます。ユーザーはドコモ以外の企業から、好みの情報を得られるというわけです。コンテンツプロバイダによるコンテンツは、芸能情報やニュースなど多岐にわたります。たとえば「オリコン音楽情報」では、その週の音楽のランキングや新着エンタメニュースが、「スポニチ野球」ではプロ野球や高校野球の試合日程情報などが配信されます。
また、iコンシェルではスケジュールも活用しますが、さまざまなスケジュールデータをiモードサイトからスケジューラにまとめてダウンロードすることも可能です。ドコモの開発者向けサイト「作ろうiモードコンテンツ」によれば、複数の予定が含まれるデータを「iスケジュール」と呼び、予定1件分のデータを「通常スケジュール」としています。
iコンシェルのスケジュール機能では、居住エリアの一週間分の天気予報をスケジューラに自動登録する、といった使い方ができます。天気予報データは自動で更新され、携帯電話を見れば、いつでも最新の天気予報を確認できます。
iコンシェルのスケジュールもコンテンツプロバイダが情報を配信でき、ライブ開催情報などがスケジュールに記録される、といった使い方ができます。
このほか、iコンシェルでは、スケジュール機能でクーポン情報も自動的に更新されます。ドコモのおサイフケータイでは、電子クーポンとして利用できる「トルカ」という機能が用意されています。iコンシェルでは、トルカ用のクーポンが配信され、たとえばぐるなびや全日空などのクーポンが配信される予定です。
iコンシェル用のスケジュールデータは、一般のユーザーが作成し、配布することも可能です。ドコモの「作ろうiモードコンテンツ」ではスケジュールデータ作成のパソコン用アプリ「スケジューラデータツール for i-mode」が配布されています。このツールを使うことで、パソコンでスケジュールデータを作成できます。
■ 刻々提供される情報を整理して、親しみやすく「エージェント機能」で提供
iコンシェルでは、日々、刻々と更新される情報やデータをユーザーに提供します。より親しみやすく情報提供するため、マチキャラが利用されています。
マチキャラは、待受画面上に2Dグラフィック(2Dマチキャラ)のキャラクター、あるいは3Dグラフィック(3Dマチキャラ)で描かれたキャラクターです。画面上を動きまわって、電話やメール着信などのイベントに反応して動く機能です。iコンシェルを契約していると、マチキャラが情報を案内します。
マチキャラもコンテンツプロバイダから提供され、ドラえもんやハローキティなどが配信される予定です。また、ユーザーがマチキャラを作成することもできます。
マチキャラ作成は2つの方法があり、ひとつは「iアバター」というサービスを使います。ユーザーは、サイト上でアバターを作成・登録して、マチキャラとして利用できます。コンテンツプロバイダから、アバター用のアイテムが提供され、人気アニメのキャラクターと同じ衣装を着せたり、実際に存在するファッションアイテムと同じものを持たせたりできます。
もうひとつの方法は、パソコン用ソフトを使ってユーザがデータを作成する方法です。ドコモでは、マチキャラコンテンツを作成するためのアプリ「マチキャラコンテンツ開発ツール」を提供しており、これを使ってオリジナルのマチキャラを作成できます。ただし、もともと開発者向けサイトで配布されているアプリですから、作成技術の習得が必要で、iアバターと比べ、難易度が高い方法です。しかし、好みのキャラクターを画像ファイルなどから作れるため、より高い自由度のある方法と言えます。
■ URL
iコンシェル
http://answer.nttdocomo.co.jp/concier/
作ろうiモードコンテンツ iコンシェル
http://www.nttdocomo.co.jp/service/imode/make/content/iconcier/
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(大和 哲)
2008/11/18 15:09
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