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ユーザーの生活に役立つ情報を配信する「iコンシェル」

 「iコンシェル」は、ユーザーに適した情報を提供する、プッシュ型情報配信サービス。利用料は月額210円。初回申込時は、お試し期間として30日間、無料で利用できる。またマスコットキャラクターとして「ひつじのしつじくん」が用意される。

 サービスコンセプトは、携帯電話がユーザーの“執事”のようになって、時間帯や場所にあわせ、ユーザーに最適な情報を提供する、というもの。サービス名称の「iコンシェル」とは、「iモード」とフランス語の「執事(concierge。コンシェルジュ)」を組み合わせた造語という。

 ドコモでは2006年の903iシリーズにあわせて、画面上に表示するマスコットキャラクター「マチキャラ」を導入しているが、今回の「iコンシェル」利用時には、携帯電話の画面上に“マチキャラ”を表示し、新着情報などがマチキャラのセリフとして表示される。

 ドコモからは、鉄道運行情報や道路交通情報、気象情報、イベント情報などが配信される。たとえば、朝の通勤・通学の時間帯で、普段利用している鉄道路線で遅延などが発生した場合、待受画面上でマチキャラが「鉄道運行情報があります。○○鉄道の△△線 運転見合わせ」などと案内する。またランチ前の時間帯であれば、飲食店のクーポンが表示され、トルカとして店舗で使うこともできる。



企業による情報配信も

 「iコンシェル」では、ドコモからの情報だけではなく、他の企業からの情報も受け取ることができる。11月5日時点で明らかにされたコンテンツプロバイダは、ANA(運賃情報やキャンペーン)、浦和レッドダイアモンズ(試合日程や選手の誕生日情報)、マクドナルド(クーポンなど)、ワーナー・マイカル・シネマズ(映画情報と上映スケジュール)、ジャスコ(月・週別のお得情報)、ゲオ(レンタル返却日の通知)など。

 合計210のコンテンツが用意される予定で、無料コンテンツ・有料コンテンツが用意される。有料コンテンツの場合、「iコンシェル」だけのコンテンツとして課金されるケースや、アーティストのファンクラブのサービスの一環として提供されるケース、あるいは有料公式サイトの機能の1つとなるケースなど、さまざまな形がある。

 iコンシェルの画面では、スケジュール一覧とトルカ一覧へ画面を切り替えられる。スケジュール一覧で登録されているデータには、青色のマークとオレンジ色のマークが付くが、青マークはユーザー自身が登録したデータ、オレンジ色のマークはiコンシェルで取得したデータとなる。iコンシェルで取得したデータだけを集めたスケジュールは「iスケジュール」という名称が付いている。

 コンテンツプロバイダによる情報提供が行われる一方、新聞の折り込みチラシのように、企業がドコモに料金を支払って、ユーザーに広告を配信する、といったサービスは行われない。


マチキャラも進化

マチキャラも進化

マチキャラも進化
 マチキャラは、プリセットのキャラクターだけではなく、コンテンツプロバイダからキャラクターが配信されるとのことで、5日の発表会では「ドラえもん」や「キティ」が登場することが紹介された。

 また自分好みのマチキャラを作成できる「iアバター」も用意され、アプリかサイト上でオリジナルキャラクターを作成できる。作成したキャラクター(アバター)は、iアバター対応のSNSやゲームといったサイトで利用することもできる。

 アバター向けのアイテムもコンテンツプロバイダから提供される予定で、アニメ「機動戦士ガンダム」に登場する「シャア」のコスチュームや、実際に存在するファッションブランドの服飾アイテムなどが用意されるという。

 これらのマチキャラは、iコンシェルを契約しないユーザーでも利用できる。


iコンシェルの仕組み

iコンシェルの仕組み

iコンシェルの仕組み
 これまでドコモでは、定期的にアドレス帳のデータをサーバーにバックアップする「電話帳お預かりサービス」を提供してきた。「iコンシェル」では、電話帳お預かりサービスを拡張する形で実現したという。

 これまでは、サーバーで保存できるデータはアドレス帳だけだったが、今回より「端末内のスケジュール帳データ」「トルカ」「電話帳」がサーバー上で保存される。1日1回、定期的に保存され、サーバー側の「エージェントエンジン」によって、それらのデータとドコモ側が保持する契約者情報、ユーザーが入力した各種設定情報を元に、エリアや時間帯にあわせた情報が配信される。なお、アドレス帳データについては、NTTグループの強みを活かして「タウンページ」と照合し、アドレス帳データの中に店舗情報があれば、営業時間や定休日などタウンページ側の情報をアドレス帳データに自動追記する。

 ドコモが収集したデータは、ドコモ内だけで利用され、他のコンテンツプロバイダに提供されることはない。なお、ドコモでは、「iコンシェル」の導入にあわせ、対応機種のスケジュールの仕様を統一している。vCarendarと呼ばれる規格にドコモ独自企画をあわせた内容という。

 また情報表示画面やスケジューラ画面は、アクロディアの「VIVID UI」が利用されている。ドコモでは地震発生を伝える「エリアメール」で「CBS(Cell Broadcast Service)」と呼ばれる技術を利用しているが、iコンシェルの情報配信は、iモードサイトを閲覧する場合と同じパケット通信で情報をやり取りする。

 ドコモからの情報は全てプッシュ配信される。またコンテンツプロバイダ提供の情報を利用する場合、初回登録の手続きはユーザーがサイトを訪れるなどして手続きすることになるが、それ以降はプッシュ配信される。いわゆる勝手サイト(一般サイト)のような形でiコンシェル向けに情報配信することはできない。


料金体系

 iコンシェルそのものの利用料は月額210円。初回申込時は、お試し期間として30日間、無料で利用できる。有料のコンテンツを利用する場合は、iコンシェル利用料とは別に情報料を支払う。たとえば、月額315円で提供されるコンテンツを利用するのであれば、iコンシェル利用料とあわせて、月額525円かかることになる。

 パケット通信料は、ドコモ提供の情報は無料だが、コンテンツプロバイダ提供の情報は課金される。また、定期的に「端末内のスケジュール帳データ」「トルカ」「電話帳」をサーバーにバックアップする際の通信料も課金される。同社では、情報そのもののサイズは小さいとしながらも、パケット定額制サービスなどの利用を推奨している。

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URL
  ニュースリリース
  http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/081105_01.html#p02


(関口 聖)
2008/11/05 14:49


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