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第366回:iモードID とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 iモードIDとは、ドコモのiモード携帯電話がiモードサイトにアクセスする際に、サイトに通知されるID番号です。ID番号は携帯電話の番号1つに対して1つ割り振られていて、他の電話番号に割り振られたID番号と重複することはありません(ちなみに、1枚のFOMAカードで2つの電話番号を取得できる2in1サービスを利用している場合は、A番号にだけiモードIDが割り振られます)。

 対象となるiモードサイトは、公式、勝手サイト両方です。ただし、SSLを使ったセキュアなサイトには通知されません。また、何日たっても、同じ電話番号に振られたIDは、iモードの解約などをしない限り変わることはありません。

 これまでも、iモード携帯電話には、アクセスしたiモードサイトに端末IDを通知する機能がありました。ただし、502iS以前ではサイトにアクセスした際のID通知は公式サイトにしか行なわれず、また、503i以降の端末IDは勝手サイトにも通知できるようになりましたが、送信前に毎回ユーザーの確認が必要となっていました。

 iモードIDは、これらとは違い、特にユーザーによる設定や確認を行なわずにサイトがIDを取得できるようになっています(設定を行なうことでサイトがIDを取得できなくすることは可能です)。

 なお、このiモードIDは、2008年3月31日から各サイトでの取得が可能になりました。以前の端末IDとは違い、これまで発売されている全てのiモード携帯電話が対象で、すでに使っているiモード携帯電話でもサイトにアクセスした場合、IDの取得が可能になっています。


サイトからユーザーを確実に見分けられる

筆者が作ったCGI

 筆者が作ったCGI。iモードIDによって、サイトが、訪問してきたiモードケータイを見分けるIDを簡単に得られるようになった。勝手サイトでも、ユーザーの操作なしにIDを知ることが可能だ
 iモードIDの提供による最大のメリットは、これまでよりもサイトを訪問したユーザーを、ユーザーの手をわずらわせずに確実に見分けることができることでしょう。

 従来の端末IDでは、サイトにIDを通知するのにユーザーの許可操作が必要だったことから、たとえばモバイルメールサイト、SNSサイトなどID・パスワードの入力が必要な会員制サイトで、その入力をいくつかのボタン操作のみで済ませる「簡単ID入力」などにしか利用されていませんでした。

 一方、iモードIDでは、ユーザーに意識させずにサイトにどのユーザーがアクセスしてきたかを把握でき、訪問間隔がどれだけ開いても、一度訪問したユーザーが再度来たかなどをチェックすることもできます。他のユーザーと間違うこともありません。

 そのため、たとえば、広告サイトが一度クリックしたユーザーには似たような傾向の広告を表示するというような目的にも使えますし、あるいは、単にアクセスユーザー解析をしたいだけの場合にも、ユニークユーザーを正確に把握することができるようになるでしょう。

 また、これまでiモードIDは、同じ電話番号であれば、どのサイトにアクセスしても同じIDが通知されるので、複数サイトを運営している会社の場合、どのサイトからどのサイトへ渡り歩いたかなどの解析も可能となるでしょう。

 なお、iモードIDは、携帯電話の番号1つについて1つ割り振られますが、内容はランダムな英数字の羅列で、このIDから直接電話番号を割り出すことはできません。

 サイトがiモードIDを取得するための方法は非常に簡単で、ユーザーにアクセスさせるサイトのURLを、

http://▲▲▲.jp/index.cgi?guid=ON

というように、「guid=ON」というパラメータを付加することで可能になります。

 サイト側には、HTTP拡張ヘッダ「X-DCMGUID」としてiモードIDが渡され、たとえば、CGIで受けた場合は、CGI環境変数HTTP_X_DCMGUIDの内容として受け取ることができます。



URL
  『iモードID』の提供開始について
  http://www.nttdocomo.co.jp/info/notice/page/080228_00.html#notice01

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(大和 哲)
2008/04/01 11:18

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