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第333回:TCA とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 TCAとは、社団法人電気通信事業者協会のことです。略称のTCAは英語での同団体の名称、Telecommunications Carriers Associationの頭文字から来ています。

 電気通信回線を設置する通信事業者、つまり、携帯電話やPHS、固定電話、衛星通信事業者、ケーブルテレビ事業者などの間で共通の課題に対応するために発足した社団法人で、活動としては、これらの問題の連絡調整、協議の場を設け、通信事業の啓発や宣伝、技術、経営などに関する調査研究、交付金の交付などを行なっています。


ケータイユーザーには「契約数情報」でおなじみ

 TCAは携帯電話、PHSに関する各種の統計情報も発表しています。最もケータイユーザーになじみが深いのは、毎月集計・発表している事業者別の契約数でしょう。

 TCAでは、携帯電話・PHS及び無線呼出の契約数、各事業者別、グループ別、システム別、携帯IP接続サービスの契約数を公表しています。特に、この契約数情報では、NTTドコモ、au、ソフトバンク、ウィルコムなどの携帯電話・PHS加入者数が何人純増(新規加入者数から解約者数を差し引いた純粋な増加数のこと)、純減したかが注目され、これが公表されると、新聞、Webなどでもその数値が報じられます。

 ユーザーの純増純数は、事業者の事業方針や営業政策がユーザーに受け入れられているのか、その時々のケータイ事業者の勢いが、如実に数字となって現れるためでしょう。

 他には、ユーザー向けの啓発などもケータイユーザーの目に触れることが多いかもしれません。たとえば、TCAでは、携帯・PHSのルール・マナーに関する標語の募集などを行なったり、「SIMカード」(USIMカード)理解促進・注意喚起のサイトを公開したりしています。SIMカード啓発サイトは、カードを拾って携帯電話に入れればそのカードの持ち主の回線が使えてしまうため、特に海外渡航時に紛失したり盗難にあったりし、第三者に悪用されてしまうケースが発生しているとし、年末年始の休暇で海外渡航が増える時期に先立ち注意をうながすべく公開されたサイトです。


他の団体とも共同で活動

 また、TCAでは、他の団体と共同での活動も行なっています。

 情報通信ネットワーク産業協会と共同で行なっているのは、「モバイル・リサイクル・ネットワーク」です。これは、使用済の携帯電話・PHSの回収活動で、これら団体の活動の結果、携帯電話・PHSは回収に際しての費用は無償とし、メーカーやブランドに関わらず回収されるようになりました。そのため、たとえば、ソフトバンクショップでドコモの携帯電話を回収してもらう、というようなことも現在では可能になっているのです。

 情報通信系以外の団体との共同の啓発活動では、日本雑誌協会との「デジタル万引き」への注意呼びかけなども行なっています。デジタル万引きとは、書店やコンビニエンスストアなどで立ち読みし、新聞や情報誌などに掲載されている記事を携帯電話のデジタルカメラで撮影することで、買わずに情報を入手することを言います。日本雑誌協会と電気通信事業者協会では2003年7月1日から書店でカメラ付き携帯電話を使って雑誌記事などを撮影しないよう呼びかけるキャンペーンを実施し、全国の書店に3万枚のポスターを配布して、マナー向上を訴えました。



URL
  社団法人電気通信事業者協会(TCA)
  http://www.tca.or.jp/

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日本雑誌協会とTCA、「デジタル万引き」への注意呼びかけ


(大和 哲)
2007/07/31 11:31

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