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日本雑誌協会とTCA、「デジタル万引き」への注意呼びかけ

 日本雑誌協会と電気通信事業者協会(TCA)は、7月1日から書店でカメラ付き携帯電話を使って雑誌記事などを撮影しないよう呼びかけるキャンペーンを実施する。全国の書店に3万枚のポスターを配布して、マナー向上を訴える。

 今回のキャンペーンは、カメラ付き携帯電話を使って、書籍・雑誌を購入せずに書店の店頭で雑誌記事などを撮影する行為に注意を呼びかけるもの。日本雑誌協会では、急速に普及していくカメラ付き端末によるこうした被害を「デジタル万引き」と表現しており、7月21日から実施される「年間定期購読キャンペーン」と合わせて読者に訴えていく。

 日本雑誌協会では、「今日食べに行くお店や、映画など日常に密着した情報がカメラ付き携帯電話で撮影されてしまう」としており、携帯電話がユーザーに非常に近いところにある情報ツールであることを指摘。「全てをカメラ付き携帯電話のせいにするつもりはない」と前置きした上で、「デジタル万引きについて、小売書店から多数の苦情が上がっており、メガピクセル携帯電話でこうした行為が加速する」と、カメラ付き携帯電話の今後の普及に対して警戒感を示している。

 デジタル技術の発展によってもたらされた被害としては、音楽業界の違法コピーの問題が先行している。音楽著作権団体では、インターネットを介した音楽の違法ダウンロードに関して、強い立場で臨んでおり、メディアでも大きく取り上げられている。しかし、日本雑誌協会とTCAでは「デジタル万引き」について、読者にマナー向上、注意を喚起する方法しか見つかっていないようだ。立ち読みの域を越えたこうした行為に対して日本雑誌協会では、「問題に対する声は大きくなってきているが、解決方法は聞かれない」としている。また今回のポスター配布で、書店で従業員が注意しやすくなる効果も見込んでいるようだ。

 なお、携帯キャリア各社では携帯電話の取扱説明書に、著作権および肖像権に関して注意を促がすコメントを掲載している。



URL
  日本雑誌協会
  http://www.j-magazine.or.jp/
  電気通信事業者協会
  http://www.tca.or.jp/


(津田 啓夢)
2003/06/30 18:04

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