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第314回:フルブラウザ とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


ケータイでPCのサイトが見られるブラウザ

W51H

 W51Hに搭載されているPCサイトビューアー。横画面での表示も可能
 ブラウザ(Browser)とは、Webブラウザ、つまりWebページを閲覧するためのソフトを言います。たとえば、パソコンでインターネット上のWebページを閲覧する場合、Internet ExplorerやMozilla Firefox、Operaといったソフトを使ってページを開きますが、これらがWebブラウザというソフトです。

 フルブラウザとは、PC向けに作られた一般のインターネットのWebコンテンツを表示可能なインターネットブラウザのことで、主に携帯電話や家電などパソコンではない機械に組み込まれたブラウザのなかで、PC用のサイトの閲覧がそのまま可能な能力をもったブラウザをいいます。

 携帯電話や、家電などに組み込まれているブラウザは、一般的には、その機械用に作られたコンテンツのみを表示するようにできています。たとえば、ほとんどのiモード携帯電話の場合、組み込まれているブラウザはiモードHTMLで作られたiモード用コンテンツを表示することを前提に作られており、PCで見られる普通のインターネット上のWebコンテンツをそのまま表示することはできません。これを見られるような機能を搭載しているのがフルブラウザ、ということになります。

 なお、「フルブラウザ」という単語は、現在、日本国内ではどの企業や個人の商標ともなっていません。以前、国内では、2005年3月にNTTドコモが商標出願していましたが、自他商品等識別能力(商標法 3条1項)と、商品等の品質の誤認を生じるおそれのある商標(4条1項16号)であることを理由に、昨年10月に拒絶の最終処分が下されています。


マシンパワー、通信速度の向上で、利用が可能になったPC用コンテンツ

 携帯電話で、携帯電話用のコンテンツしか利用できなかったのは、携帯電話では使えるリソースが、PCなどに比べて小さいことに理由がありました。

 たとえば、CPUパワーの問題があります。HTMLコンテンツを表示するためには、データの内容を解釈して画面に配置する「レンダリング」という作業が必要になりますが、これまで携帯電話はメモリもCPUパワーもPCと比較すると非常に小さく、実用的にこの作業を行なうのは難しいという問題がありました。

 携帯電話には画面サイズの問題もあります。今でこそ、VGAやQVGAといった画面解像度の携帯電話が発売されていますが、以前はそれよりも低い解像度の携帯電話しかなかったため、PC用のコンテンツを表示するには不十分でした。

 表示のズームを行なうことで解像度の低い画面でもそれらしく表示するとしても、画面の拡大縮小にはCPUパワーか、あるいはハードウェアによる補助が必要になり、やはり以前の携帯電話では現実的ではありませんでした。

 現在では、携帯電話のCPUパワーも(現在のPCに比べれば遥かに劣りますが)向上してきており、中には一昔前のPC以上の実力を持つものもあり、このようなソフトが利用できるようになってきました。

 また、携帯電話の場合、通信速度の問題もありました。

 たとえば、以前の世代の携帯電話のパケット通信では9.6kbps、14.4kbps程度の、PCではインターネット黎明期以下のスピードでしか通信ができませんでした。現在の3G携帯電話ではこの速度も上がり、特にHSDPAなどではADSLなど有線のブロードバンドインターネットと遜色ないスピードでの利用も可能となったため、このようなPC用のコンテンツが利用できるようになってきました。

 携帯電話やスマートフォンのフルブラザ機能は、新しい電話機の、通信速度性能をユーザーにアピールできる機能でもある、というわけです。


Opera、jigブラウザなどが有名

 携帯電話のフルブラウザとしては、Opera、jigブラウザなどが有名です。

 Operaは、スモールスクリーンレンダリングというソフトウェア技術を使ってPC用のサイトを、携帯電話の画面にあわせて表示することができ、この機能を使うとページの内容を解釈して横に長いページ内容を、縮めて再配置して、横スクロール操作なしにPC用のコンテンツの閲覧が可能になります。

 Operaブラウザは、ノルウェーのOpera Softwareという会社が開発しているソフトで、auのW51H、W43CAなどにPCサイトビューアーとして組み込まれているほか、ウィルコムのW-ZERO3[es]などにも標準で搭載されています。

 また、jigブラウザは、日本のjig.jpによって開発されたフルブラウザです。このソフトは、ドコモのiアプリ、auのオープンアプリ/EZアプリ(Java)Phase3、ソフトバンクのS!アプリ、ウィルコムのMIDP対応機種などで利用が可能なバージョンがあり、多くの携帯電話で利用が可能です。

 jigブラウザは、Operaなどとは違い、Webコンテンツを提供するサーバーと、携帯電話の間で、途中中継を行なうサーバーを利用していることが特徴です。この仕組みによって、多くの(インターネットへの直接の接続機能を持たないiモード携帯電話などでも)後付けアプリケーションソフトでのインターネットブラウジングを可能にし、また、中継サーバーでデータ圧縮などを行うことで、より少ないCPUパワー、通信データでのブラウジングを可能にしています。



URL
  ケータイ Watch版「jigブラウザ」
  http://k-tai.impress.co.jp/static/jig/

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(大和 哲)
2007/03/13 11:50

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