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第303回:スーパー3G とは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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■ 3Gの次、4Gの前
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2006年10月の「CEATEC JAPAN」で、ドコモ石川副社長の講演で示された、今後のロードマップ
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「スーパー3G(Super 3G)」とは、現在の3.5G(第3.5世代)とも呼ばれるHSDPAを含む3G(第3世代)の携帯電話と、次世代の4G(第4世代)携帯電話の中間世代にあたる、次世代移動体通信規格を示す言葉です。技術的には4Gに近いことから「3.9G(第3.9世代)」などと呼ばれることもあります。
現在の3Gを進化させることで、周波数効率を向上させ、限りある電波を有効活用できるようになるほか、データ通信速度の向上も期待されており、ピーク伝送速度50Mbps以上、下り100Mbps以上を目指す、とされています。
また、スーパー3Gでは4Gと同様に、基本的に無線でのデータ通信は全てIPベースとなることも特徴の1つです。
スーパー3Gの規格は、現在、3G携帯電話などの規格であるW-CDMA方式の標準化を行なっている団体「3GPP」で、Long Term Evolution(LTE)という名前で、ドコモを中心に標準化規格とすべく検討が進められています。
「長期的な進化」を意味する、Long Term Evolutionという名前が示すとおり、この規格は、スムーズな3Gから4Gへのスムーズな移行を目指すとともに、3Gオペレーターが3Gの特長やネットワークを長期的に活用し続けられることも大きな狙いの1つです。
ドコモでは2010年までにこのスーパー3Gネットワークを4Gに先行して導入するというシナリオを国際会議などで明らかにしています。
■ 4Gの技術を先取り
スーパー3Gは、技術的には、現在の3G携帯電話の規格と親和性を持たせるために、利用する周波数や周波数帯域幅といった3Gのリソースは、現行と同じ2GHz帯および追加周波数帯を利用しつつ、無線アクセス方式を一新することで、データ伝送速度などの高速化を実現したものとなっています。
無線アクセス方式としては、やはりドコモが中心に4G向けに開発し、採用を目指している技術を先取りしたものが採用されています。たとえば、通信方式のVSF-Spread OFDMはそのような技術の1つとなっています。ちなみにVSF-Spread OFDM は、可変拡散率-直交周波数・符号分割多重方式を意味する、Variable Spreading Factor-Spread Orthogonal Frequency Division Multiplexingの略です。
また、無線LANなどで使われているMIMO(Multi Input Multi Output)などのアンテナ技術の活用も考えられています。
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(大和 哲)
2006/12/19 12:04
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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