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第299回:ウェアラブル とは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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ウェアラブルとは、“ware-able”、つまり「身に着けることが可能である」という意味のコンピュータ用語です。
通常のコンピュータは机の上に据え付けたり、あるいはノートパソコンのように持ち運んで膝の上などで操作する程度のもので、身に着けるものではありません。一方、ウェアラブルコンピュータは、入出力機器も含めて、身に着けることを想定した非常に小さなコンピュータです。
コンピュータをハードウェア的に見れば、その昔は部屋を1つ占有するようなメインフレームと呼ばれるような大きなコンピュータがあり、事務所に置けるようなワークステーション、デスクトップパソコン、持ち運びできるラップトップ、あるいはノートパソコンが作られました。さらに進化して、身につけられるほど小さくなったコンピュータがウェアラブルコンピュータだと言えます。
ただし、メインフレームの主な用途が科学分野やシミュレーションなど計算がメインだったのに、そして、デスクトップパソコンやノートパソコンの主な用途がワードプロセシングやWebブラウジングになったように、ウェアラブルコンピュータの応用はこれらと違ったものになると考えられています。たとえば、日常生活の中で目にしている物の情報をディスプレイ上に表示したり、ユーザーの健康状態を知らせてくれたりするといった用途などです。
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ウェアラブルディスプレイ。これは2003年の展示会で披露されたもの
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このような情報を常にユーザーに与えるために、特にその外観でこれまでのコンピュータとは異なるのがウェアラブルコンピュータの特徴でしょう。
ウェアラブルコンピュータの展示などでは、出力デバイスであるディスプレイを身につけるため、ヘッドセットやメガネのような形にしたりします。また入力デバイスとしてタッチパッドやセンサーを腕にとりつけていたりして、まるで機械をファッションのアクセサリーように、身に着けた状態で披露されることが多くあります。
ただ、これがウェアラブルコンピュータだというような標準的な定義があるわけではなく、人によって「これがウェアラブルだ」という範囲はかなりあいまいです。
コンピュータを身に着けるということは、まだ一般的ではなく、ウェアラブルコンピューティングは、これから普及していくコンセプトであると考えられています。展示会でのウェアラブルコンピューティングのデモのように、街中でヘッドマウントディスプレイをして歩いている人の姿を見ることはまずありません。
しかし、身につけられる機械でコンピュータを内蔵してコンピュータらしく使うことができるデバイスは多くあり、「ウェアラブル機器は、すでに静かに流行している」とする人もいます。
たとえば、携帯音楽プレーヤーである「iPod nano」などは非常に小さく、一部のスポーツウェアには専用ポケットがついているものもあります。また、ジョギングなどをしているときに、スポーツシューズの中にセンサーを入れて、その日のランニングデータを集計したり、「目標距離までどのくらいか」という情報を音声でユーザーに知らせたりする機能があり、このようなデバイスを「ウェアラブルコンコンピュータの1つである」とする人もいるのです。
■ 携帯電話をウェアラブルデバイスのホストに
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東芝の「ウェアラブル睡眠センサ」と携帯電話
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携帯電話もウェアラブルなデバイスを制御するコンピュータとして扱われることがあります。
最近の携帯電話は、3Dゲームが遊べるほどコンピュータとしても十分な演算能力を持ち、Java環境などでプログラム開発環境も整っています。また、Bluetoothや無線LANなどで、多くのデバイスと手軽に接続できる環境が整っています。
たとえば、本誌記事では、【CEATEC JAPAN 2006】東芝、携帯連携の「ウェアラブル睡眠センサ」 というようなニュース記事が掲載されました。これは、手首に巻くセンサーから、脈拍を測り、睡眠中の体調管理に役立てられるという試作品で、そのホストにBREWアプリを搭載した携帯電話が使われていました。
■ 関連記事
・ 東芝、携帯連携の「ウェアラブル睡眠センサ」
(大和 哲)
2006/11/21 12:33
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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