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第224回:UIQ とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


Symbian OS向けのユーザーインターフェイス

UIQのユーザーインターフェイス。画面中のタブやアイコンをペンで操作することで携帯電話内のアプリケーションを利用できる
 UIQは、Symbianの100%子会社であるUIQ Technologyが提供している、Symbian OS向けユーザーインターフェイスプラットフォームです。

 現在、多くの高機能な携帯電話やスマートフォンは、Symbian OSやLinuxといったOSを搭載しています。しかし、このようなOSは元々ハンドヘルドコンピュータや、ワークステーションといったコンピュータ用に作られたもので、たとえば文字を1行テキストを表示したり、メモリやメモリカードを管理したりするというようなコンピュータの基本ソフトとして必須の機能はしっかり持っているものの、携帯電話に合わせたユーザーインターフェイス機能は搭載されていません。

 そこで、携帯電話向けには、OSに加えて、ユーザーインターフェイスライブラリを搭載しています。

 UIQの特徴としては、メディアリッチな携帯電話向けに作られていること、ペン入力がサポートされていることが挙げられます。また、次のバージョンでキーボード入力が強化されるとされています。画面上にアイコンを表示させてタスクを切り替えられるほか、電話帳からかけたい番号をペンで選んだり、電話番号をペンで入力したりするなど、PDAのようにペンで携帯電話を操作します。

 UIQは、2000年に最初のバージョンが作られ、1.0/1.1/2.0/2.1が存在し、現在の主流は2.0と2.1です。また、次バージョンとして3.0がまもなくリリースされることも発表され、詳細な機能などが近日公表されることになっています。

 海外の携帯電話では、Sony EricssonのP800、P900、P910に、MotorolaのA920、A925、A1000、BenQのP30とP31などに採用されています。


誰でも自由にアプリが開発可能

 UIQの特徴としては、内部構造が公開されていることも挙げられます。このため、一般の人にでもソフト開発が可能になっています。

 UIQ用ソフトの開発は、パソコン上で、コンパイラとUIQ向けの開発キットであるUIQ SDKを使って行ないますが、コンパイラは一般に利用されているものが流用でき、SDKはUIQから無料で配布されています。ただし、現在のところ、日本語版SDKは提供されていません。

 利用可能な言語はJava(パーソナルJava、MIDP)とC++です。Symbian OSはARM系CPU上で動作しますが、C++を利用するとARM用のバイナリコードを生成して携帯電話用のネイティブアプリケーションを作成することも可能です。

 この自由さを活かして、UIQ採用の携帯電話ではゲームや実用ソフト、ネットワークユーティリティといった、サードパーティ製のアプリケーションやオンラインソフトが配布されています。Javaでは速度が十分出し切れなかったアクションゲームや、内蔵メモリ内のソフトウェアしか実行できないモトローラのA1000などに対してメモリカード内のソフトも実行可能にするプログラムなど、便利なユーティリティが実際に登場しています。

 また、開発言語JavaとC++のみだったのですが、サードパーティやボランティアによって、Visual BASICやOPL、Perlなど、より手軽にソフトを作成できる言語にも対応されつつあり、これらを使ってアマチュアプログラマの手によるフリーソフトが登場しやすい状況になってきつつあります。



URL
  UIQ Technology
  http://www.uiq.com/

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(大和 哲)
2005/05/10 11:58

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