WMA(Windows Media Audio)は、マイクロソフトが開発した音声コーデックです。過去には「MS Audio」と呼ばれることもありました。音声データを非可逆圧縮方式で圧縮しますが、MP3よりも高い圧縮率で、高音質な音声とすることを目標に作られています。
開発元がマイクロソフトであることや、Windowsには、WMA形式対応でCDなどからWMA形式のファイルを作れる「Windows Media Player」というソフトが添付されていることなどから、Windows搭載のパソコンではよく使われている形式です。ファイルの拡張子は「.wma」になります。
携帯電話では、米モトローラのW-CDMA/GSM携帯電話「E1060」などが対応しています。「E1060」は、先日行なわれた展示会「3GSM World Congress 2005」で発表された、マルチメディアプレーヤー機能搭載の新機種で、MPEG-4やWMV、MP3、そしてWMA形式に対応しています。
WMAのもう1つの特徴は、「DRM」に対応していることです。「DRM」は、Digital Rights Management(デジタル著作権管理)の略で、デジタルコンテンツの著作権を保護するための仕組みです。DRMを利用すると、CDなどからデジタル音楽ファイルを作る際にファイルの保護を行ない、そのパソコン以外では音楽データを再生できないようにしたり、コピーを禁止したりするなどの設定が可能になります。一部のデジタルオーディオプレーヤーなどでは、WMA形式のファイルに対応していても、DRMに対応していない場合があります。
WMA形式に関して、データ圧縮の仕組みにも触れてみましょう。圧縮アルゴリズムなどの仕様は公開されていませんが、基本的には、MP3やATRACなどと同様に、音の中でも、たとえば大きな音と小さな音が重なるときなど、人間が感じ取りにくい部分のデータを省略することによって、データサイズを小さくしています。
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