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第167回:SD-Audio とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


SDカード。これはパナソニック製
 SD-Audioとは、SDメモリーカードにおける規格の1つで、音楽データの記録再生に用いられます。

 SDカードの特徴として、強力な著作権保護機能を装備していることが挙げられますが、SD-Audioもこの機能を利用して、著作権保護に配慮した音楽データ利用ができます。

 現在、「SD-Audioプレーヤー」と呼ばれる携帯音楽プレーヤーや、「D-snap」など音楽再生に対応したデジタルカメラ、携帯電話ではボーダフォンの「V801SA」「V601SH」「J-SH51/52/53」といった音楽再生可能な携帯電話などでは、SDカード上で、このSD-Audioフォーマットを利用することで音楽データの記録・再生を実現しています。


SD-Audioの概要

SDカード内の音楽データ再生が可能な「V601SH」
 SDカードでは、扱うデータの規格などは決まっています。SD-Audioでは、ディスク上に専用フォルダを作成し、そこに音楽データを入れるというような論理的なフォーマットが定められています。SDカードのメモリー内に格納できる音楽データは、「MPEG2AAC」「MP3」「WMA」のいずれかで圧縮されます。

 これらのデータは、著作権保護の仕掛けを施すことも可能で、携帯電話では、このようなセキュアなデータだけを利用できるようになっている場合がほとんどです。

 たとえば「V601SH」などで利用できるデータは、CPRM(Content Protection for Recordable Media)によって著作権保護されたMP3データである「セキュアMP3」のみとなっています。ちなみに「V801SA」ではセキュアMP3のほかにAACデータの再生も可能です。

 CPRMは、DVDでも採用されているコピーコントロール技術で、SDカードのようなメディア、そして読み書きする機械それぞれで、異なる特徴的なデータを鍵としてデータを暗号化する著作権保護技術です。

 たとえばセキュアMP3の場合、SDカードのメディアIDやフォルダの位置などをキーとしてMP3データを暗号化したものです。音楽データをSDカードに書き込む「チェックアウト」作業の際には、暗号の鍵となるデータを参照しながら暗号化し、再生するときには暗号化されたデータを復号(元に戻すこと)します。

 他のメディアにデータを移したり、同じデータでも違うフォルダにコピーしてしまうと、暗号を解くためのキーが使えなくなるため、音楽再生ができなくなります。これによって、著作権保護を行なっているのです。


お気に入りの音楽データを入れて使うには

 このような著作権保護機構があるため、たとえば、SD-Audio対応の携帯電話ユーザーで、SDカードに手持ちのCDといった音楽データを携帯電話で楽しみたいというような場合でも、MP3などの音楽データを単純にパソコンからSDカードに転送するだけでは再生することはできません。あらかじめ決められた方法で音楽データをSDカードに転送しなければならないのです。

 その方法の1つとして、たとえばパソコンを使ってSD-Audioに対応したデータを入れたSDカードを作る方法があります。

 パソコンには、SD-Audioデータのチェックアウトができる松下電器産業の「SD-Jukebox」といったソフトウェアと、セキュア対応のSDカード用リーダーライターを使います。これでパソコン上でCDを再生したり、MP3データを用意してくることで、暗号化されたセキュアMP3データを作成し、SDカードに送ることができるようになります。

 また、V601SHなどの一部の携帯電話には、単体でセキュアMP3データを作る機能がありますので、直接オーディオ機器を接続して、携帯電話上でセキュアMP3を作ってしまう方法もあります。

 この場合、同梱されている光デジタル変換プラグやアナログ変換ケーブルを経由してオーディオ機器に接続して録音することで、セキュアMP3データの作成が可能になっています。



URL
  SDカード 総合情報サイト
  http://www.sdcard.com/japan/

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第117回:SDIOカード とは
第27回:SDメモリーカードとは


(大和 哲)
2004/02/17 13:42

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