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第163回:着モーション とは
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大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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■ 着うただけではなく動画も再生できる
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2月頃発売予定とされるNTTドコモの900iシリーズ
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「着モーション」は、2月頃を目処に発売されるというNTTドコモの新型FOMA「900i」シリーズから対応している新サービスで、着信時に携帯電話上で音声と映像が再生されるというものです。
これまで他キャリアの携帯電話で、着信音としてCD音源と同様の楽曲を流すことができる「着うた」が提供されてきましたが、さらに映像が追加できるようになったものと考えればわかりやすいでしょう。
発信者によって、液晶ディスプレイ上でそれぞれ違う動画を再生する、というようなこともできます。
また、着モーション用の動画データが多くのコンテンツプロバイダから提供されることがすでに発表されていますので、発売開始と同時に、公式サイトなどからさまざまな着モーションデータを利用できるようになるでしょう。
たとえば、J-POPアーティストのプロモーションビデオや、名作アニメなどで、変わった所では、さまざまな企業のユニークなテレビCM映像などを配信するサイトもあるようです。
■ iモーションを着信時に再生
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着モーションの再生画面
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別の角度から見れば、着モーションは「着信時にiモーション映像を再生するもの」という言い方もできます。
iモーションは、FOMA向けの動画配信サービスで、動画と音声の場合で15秒前後、コマ送りの静止画+音声の場合で30秒前後、音声のみの場合で100秒前後のデータを読み込んで、iモーション対応携帯電話で再生できるというものです。
iモーション動画の配信方法には、ダウンロードするタイプと、ストリーミングで携帯電話内にはデータが蓄積されないタイプがありましたが、着モーションでは基本的にどのサービスもデータをダウンロードして使うようになる予定です。
着モーションのデータ形式としては、映像にはMPEG-4、音声がAACおよびAMRが利用可能です。なお、900iシリーズでは、1つの着モーション用データは最大300KBまでとなっています。
AACは、正式には「MPEG-2 AAC」と呼ばれる音声データ圧縮方式で、“Advanced Audio Coding(先進的なオーディオ圧縮)”の略です。その名の通り、MPEG-2で採用された新しい音声圧縮方式で、MPEG-1の音声圧縮(MP3)より、効率よく音声を圧縮できます。また、現在はMPEG-2だけでなく、MPEG-4の音声データ圧縮方式としても採用されています。
また、AMR(adaptive multi-rate、適応的マルチレートの略)は、3G携帯電話の規格を定めている3GPPで標準化された音声圧縮方式で、「GSM-AMR」とも呼ばれています。もともと人の声などの音声に強い方式で、柔軟に圧縮率をフレームごとに切り替えられるという特徴を備えています。
■ URL
NTTドコモ 900iシリーズ概要
http://900i.nttdocomo.co.jp/
■ 関連記事
・ 新型FOMA「900i」シリーズ、関連記事一覧
・ 第69回:iモーションとは
(大和 哲)
2004/01/13 12:47
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