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第156回:ミドルウェア とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 ミドルウェアとは、コンピュータ関連の用語で、ソフトウェアの1ジャンルを指し示しています。現在の携帯電話は、電話機というよりはまさに超小型のコンピュータです。内部にはマイクロコンピュータをはじめ、さまざまな電子デバイスが搭載されており、それらを使うために数多くのソフトウェアが動いています。

 ソフトウェアの種類を見てみると、まずOS(オペレーティングシステム)というソフトウェアがあります。OSは、ドライバを統率して、機械の基本的な機能を使うための方法を提供しています。液晶ディスプレイドライバなどのハードウェアを操作するためにあるのがファームウェアやドライバといったソフトウェアです。さらに、アプリケーションソフトというものもあります。電話帳やスケジューラー、あるいはゲームといった、人間が実際に使うサービスを提供するソフトウェアはこれにあたります。

 つまり、これらソフトウェアをハードウェアから近い順に並べると

ファームウェア → ドライバ → OS → アプリケーションソフト


という風になっているわけです。

 さて、ミドルウェアはどのジャンルになるかというと、OSとアプリケーションの間に位置するソフトウェアということになります。OS上で動作しますが、OSのように多くの機能をアプリケーションに提供するわけではありません。その代わり、用途は限定的ではあっても、OSより高度な機能を提供します。

 たとえば、10月14日に野村総研が開発を発表したモバイル通信向けミドルウェア「Mobiletune」は、Webブラウザやメールソフトといったアプリケーションから利用されます。このケースでは、通信データ圧縮機能やデータを暗号化したセキュア通信などの機能を備えており、カーナビゲーションシステムや携帯電話などに組み込むことで、Webデータの閲覧時に通信データ量を圧縮したり、セキュリティに配慮した通信を行なえるようになります。


なぜミドルウェアなのか

 ミドルウェアのミドル(middle)とは、英語で「中間」という意味です。OSとアプリケーションソフトの中間にあるソフト、という意味合いから名付けられました。


ミドルウェアは、その名前の通り、「OSとアプリケーションの中間」にあるソフト。OSよりもより専門的な機能をアプリケーションに提供する

 一般的なアプリケーションソフトは、OSを呼び出して様々な機能を実現しています。OSは全てのアプリケーションソフトから呼び出されることを想定して、どんなソフトにも使えるように汎用的で基本的な機能を提供するようにできています。

 しかし、Webブラウザとメールソフトは両方ともネットワークを使って通信をするというようにジャンルさえ限ってしまえば、個々のアプリケーションには共通の部分があります。つまり、この2つのソフトウェアの場合、通信部分はまとめてしまえば制作がより簡単になります。

 さらに「ネットワークで通信するときにデータを圧縮してパケット代を減らしたい」というようにもっと高度なことがしたいことがあればどうなるでしょうか。Webブラウザとメールソフトで通信部分を別々に作っている場合、それぞれで圧縮ルーチンを開発してしまいがちですが、ミドルウェアを使用するようにしていれば、ミドルウェアをバージョンアップすることで圧縮に対応できるようになり、より高度な機能が使えるようになるわけです。

 このように、特定のジャンルでしか使われないものの、そのジャンルでは必ず必要とされるような機能が、ミドルウェアという形で提供されるということが特にサーバーやパソコンなどの大きなコンピュータではよく行なわれています。

 サーバーでよく使われている有名なミドルウェアにはデータベースシステムがあります。銀行のオンラインバンキングやインターネットでのショッピング、会員制サイトといったサービスにおいて、ユーザーIDとパスワードなどユーザーの会員番号とそれに関連した情報、たとえばお金の出し入れのデータ、品物と買った人、支払いの情報などを各サイト毎に管理するプログラムを作るのは大変です。そこで、ミドルウェアとしてOracleやSQL Serverといったデータベースシステムが使われているわけです。

 携帯電話でも、どんどんコンピュータとしての機能が増えています。ですので、このようなミドルウェアが注目されるようになる日もまもなく到来することでしょう。


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(大和 哲)
2003/11/04 12:50

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