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第116回:3D対応液晶 とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 3D対応液晶とは、平面に写る従来の画像ではなく、立体的な3次元画像を表示することができるディスプレイです。3D画像を表示する液晶ディスプレイやプラズマディスプレイは、いくつかの方式が研究されていますが、その中でも最近は、何も器具などを使わず裸眼で立体的に画像が見える裸眼3Dディスプレイが注目を集めています。

 先日、発表されたシャープ製の携帯電話「SH251iS」のメインディスプレイに採用されている「3D対応液晶ディスプレイ」もそんなタイプの液晶ディスプレイのひとつです。このディスプレイでは、撮影したiショット画像や待受画面サイズの画像を、専用めがねなどを使わずに、そのままで立体的に見ることができます。

 この液晶ディスプレイはシャープが開発したもので、液晶ディスプレイ中のTFT(薄膜トランジスタ)とバックライトの間に、「視差バリア」を挟み込むことで、3D表示を実現しています。

 また、携帯電話用としては、他に2002年のCEATECで三洋電機が参考出品を行なった3D対応液晶ディスプレイもあります。こちらも視差バリアのスリットの配列を工夫した「階段状パララックスバリア」を利用した3D対応液晶で、同じく裸眼で立体的な映像を見ることができるようになっています。



 「視差(パララックス)バリア」は、立体視の方法としては古くから知られている方法です。右目から見た場合の縦長に刻まれた画像、左目から見た場合の縦長に刻まれた画像、それぞれを並べて用意しておき、縦方向に刻まれたスリット(視差バリア)を通して見る、というものです。この視差バリアを通すことで、右目には右目用の、左目には左目用の画像を見せるのです。

 たとえば、「SH251iS」に搭載されている3D対応液晶では、液晶ディスプレイのTFT液晶とバックライトの間にスイッチ液晶を挟み込んでいます。そして、このスイッチ液晶が電気的にONになっていたときには視差バリアの役目を果たし、右目には右目用、左目には左目用の画像を見せるわけです。


「SH251iS」に搭載されているディスプレイの構造説明図。上が2D表示時。下が3D表示時(シャープ資料から引用)

 ただし、この裸眼で立体視に対応した液晶は、仕組み上、映像を3Dで見るためには、ある程度決まった位置から画像を見なくてはなりません。遠くに離れてしまったり、横から見てしまっては、右目左目にそれぞれ用の画像を見せることができないからです。「SH251iS」の場合、閲覧するコンテンツによって異なる場合もありますが、ディスプレイの正面から30~40cmが、画像を立体的に見られる最適の位置、ということになっています。

 ちなみに、裸眼で3次元の画像を見せるディスプレイとしてはこの「視差バリア」の他には、液晶画面の上に山谷をつけたシートを張り、山の左右から見ている人の左目右目用の画像がそれぞれ見えるようにした「レンティキュラ」を利用した物もあります。携帯電話用にはありませんが、もっと大きな液晶ディスプレイなどではこのタイプの3D対応ディスプレイが存在します。


3D用画像データが必要

 上の説明でもわかるように、3D対応ディスプレイで3次元的に画像を表示するには、右目から見た映像、左目から見た映像の両方が必要になります。つまり、3D表示のためには、今まで使っていた単純な画像ではなく、新たに左右両方の目に適したデータを含んだ画像が必要ということになります。

 3D対応ディスプレイは、携帯電話への搭載に限られたものではなく、これから普及していくデバイスです。その能力をフルに活用できるようになるには、3D用データが広く出回ったり、より簡単に作れるようになったりするなどの環境整備が必要になるかもしれません。

 ちなみに「SH251iS」の場合には、携帯電話に内蔵されているカメラ撮影画像などを立体にして楽しめる3Dエディタがあり、これを使って3D画像データは携帯電話だけで簡単に作れるようになっています。


ドコモ、3D対応液晶搭載のカメラ付きiモード端末「SH251iS」


(大和 哲)
2002/11/19 12:12

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