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第115回:XMDF形式とは
大和 哲 大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


シャープ製Linuxザウルス「SL-A300」にもビューワーが提供されている
 XMDF形式とは電子書籍用のデータフォーマットです。NTTドコモのM-stage bookでは、電子書籍配布にも利用されています。M-stage bookでは、コンテンツ配信者である出版社がXMDF形式で電子書籍のデータを作成し、M-Stage book配信サーバーからFOMAやPHSのネットワークを通じてデータ配信を行ないます。

 受信したデータは、主にPDAやパソコンなどのビューワーを利用して閲覧できます。たとえば、M-Stage bookの場合は、「musea」や「GFORT」、「Sigmarion」などドコモブランドで販売されているPDAのほか、日本ヒューレート・パッカードの「jornada」シリーズなどのWindows CE系OSを搭載したPDA、「CLIE PEG-N750C」などのPalm系PDAで利用できるほか、Windows 98SE/Me/NT/2000/XPを搭載したパソコンでも専用ビューワーをインストールすることで閲覧できます。

 ビューワーの機能にもよりますが、XMDF形式を閲覧できるビューワーのほとんどが、テキストの縦方向表示やワンキーでのページめくり機能を持っており、電車などでも片手で手軽に文庫本を読むような感覚で電子書籍を閲覧できます。

 またPDAだけでなく、ドコモの第3世代携帯電話「FOMA」の端末では、シャープ製PDA型端末「SH2101V」が単体でM-Stage bookの電子書籍データを閲覧できるようにもなっています。


元は「ザウルス文庫」のデータ形式

 もともと「XMDF形式」というデータ形式は、シャープが開発したもので、同社製PDA「ザウルス」での利用が想定された電子書籍「ザウルス文庫」などで使われたデータ形式です。ザウルスでも、専用のビューワーソフトが用意されており、インストールすることでXMDF形式のデータが使用できます。

 電子出版の普及が遅れている理由の1つとして,電子ブックのフォーマットが機械や機種、OSごとに異なることが挙げられていました。しかしXMDF形式は、NTTドコモに規格として採用されたほか、オープン化も目指しているということで、今後主流になりうる候補の1つと目されているデータ形式です。

 たとえばルビなど、通常の書籍では独特な表現が必要とされるため、メールで使われているプレーンテキストや、ホームページなどに使われるHTMLでは(ルビ自体はHTMLでもできますが)上手に、かつ簡潔にデータを表現することができません。

 XMDF形式ではルビや字下げなど、書籍、特に小説などの文学的なテキストが表現できる構造になっています。また、JIS漢字など一般の漢字には使われない文字を表現するための外字、あるいは途中で表現を大きくしたり小さくしたりするために複数の文字フォントサイズが用意されており、文中で自在に変えられるようになっています。

 このほか、画像や音声、動画などのデータを混在させることも可能で、縦書き表示などとあいまって、字面やイラスト、写真なども含めて、より本物の書籍・文庫本に近いレイアウトで電子書籍が利用できるように工夫されているのです。

 M-Stage Bookで使われているXMDFデータは、音声再生機能などが拡張されていて、電子書籍を表示させながら、ビューワーが対応していれば、効果音などの再生も可能になっています。

 さらにXMDF形式は、データの暗号化や改ざん防止などのセキュリティ機能が用意されています。


PDABOOK.JP、XMDF形式の電子書籍を提供
ドコモ、Vライブなど3つのM-stageサービスを10月から正式運用
「ザウルス文庫」ビューワーがLinuxザウルスに対応

「SL-A300」でXMDF形式の電子書籍を閲覧


(大和 哲)
2002/11/12 14:00

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