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第106回:3GPP とは
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![大和 哲](/cda/static/image/2000/04/01/yamato.gif) |
大和 哲 1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連のQ&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら。 (イラスト : 高橋哲史) |
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auのCDMA2000 1x対応端末「A5301T」
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FOMAなどのW-CDMAに関する記事や、cdma2000の記事など第3世代携帯電話に関係する記事には「3GPP」や「3GPP2」という用語がよく出てきます。
3GPPは、「3rd Generation Partnership Project」の略で、携帯電話を含めた第3世代の移動体通信システムの規格を世界的に標準化するための共同プロジェクトです。ここで策定されている規格が3GPP規格です。
これが第3世代移動体通信(3G携帯電話)の国際的な技術規格になっていて、IMT-2000(International Mobile Telecommunications 2000)の技術仕様もこの中に含まれてます。たとえば、ドコモの第3世代携帯電話「FOMA」は、この3GPPの策定した規格「リリース99」に準拠した方式を利用しています。
また、J-フォンのW-CDMA携帯電話は3GPP規格の中でも、より新しい規格「リリース4」に準拠しています。リリース4は2002年3月にローミングなどに関する問題を修正したバージョンが提供されたのですが、J-フォンが3Gサービスの開始を延期した理由として、このリリース4の変更を理由のひとつに挙げていました。
策定までの紆余曲折
![](/cda/static/image/2002/06/05/p2002s.jpg)
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NTTドコモのFOMA端末「P2002」
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現在、日本や世界で使われている携帯電話の多くは第2世代携帯電話、あるいはその発展型の2.5世代と呼ばれているもので、デジタル携帯電話(PDC、cdmaOne)などがそれにあたります。対して、FOMAやcdma2000などIMT-2000に準拠しているものが第3世代携帯電話です。
このIMT-2000という規格は、ITU(国際電気通信連合)という国際標準機関が中心となって、2000年代に商用化される移動通信サービスをイメージして、1985年から計画の策定が行なわれてきました。具体的には「高品質な会話」「マルチメディアに対応できる高速データ転送」「世界共通の互換性」といった点を目指していました。この時点では採用された規格が世界標準となる可能性があったわけです。
そして、W-CDMAという方式がこのIMT-2000の候補の1つとして提案されたのですが、このW-CDMAはもともと日本と欧州から別々の方式に基づいて提案されていました。しかし、それぞれにIMT-2000への採用を目指せば、他の方式が出た場合に共倒れともなりかねません。そこでW-CDMA方式がIMT-2000に採用されるために、両者の統一を目指す事にしました。この統一された規格を策定するために日本のARIBやヨーロッパのETSIなどの組織が参加して作られたプロジェクトが3GPPです。
対して、cdma2000技術の標準策定に関しては、3GPP2(3rd Generation Partnership Project 2)というプロジェクトで標準化が行なわれるようになりました。
5つの方式が採用された
互換を目指した第3世代移動体通信ですが、結局、日欧が主導するW-CDMA方式と米国主導のcdma2000方式の間で特許問題が発生したため、それまでに規格化されつつあったものがそれぞれ別個に標準化を進めるという方策が採られました。その結果、IMT-2000では
・DS-CDMA(W-CDMA 日欧方式) |
・MC-CDMA(cdma2000 米国方式) |
・CDMA TDD |
・TDMA Single-Carrier(拡張D-AMPS方式) |
・FDMA/TDMA(DECT) |
という5つの方式がITUで正式に勧告されました。
なお、これらの規格に関しては、1999年のQUALCOMMとEricsson両社の特許に関する合意などもあり、徐々に歩みよりも見せています。IMT-2000の実現を目指す通信事業者などによるグループ「Operators Harmonization Group(OHG)」などにおける話し合いの結果、QUALCOMMの「cdma2000」方式も取り込んで3GPPで世界共通規格が策定されるようになってきています。
また、3GPP2もcdma2000側へ3GPPの仕様を取り込んで、cdma2000の標準化を進めるようにもなりました。そのため、端末機器レベルでの互換はないものの、チップレートやパイロット方式などいくつかのパラメータは共通になったほか、複数モードをサポートするインフラなども作りやすくなっています。cdma2000、W-CDMA両方に同じ機能をもった端末用チップセットなどを出荷しているチップセットメーカーなどはその恩恵に預かっていることでしょう。
標準化プロジェクトにおいても、3GPPに関しては、現在日本、欧州に加えてアメリカのT1等も参加するようになりました。また、3GPP2に関しても、ANSIなどの米国勢だけではなく、3GPPにも参加している日本のARIBなども参加するようになっています。
・ 三菱電機、3GPPでW-CDMA用ノイズサプレッサーの承認を取得
・ 第5回:IMT-2000とは
(大和 哲)
2002/08/27 12:13
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