iPhone駆け込み寺
新しい「iPad」「iPad mini」「Apple Watch」は先代モデルとどこが違う? 細かいスペックをチェックした
2021年9月15日 07:49
アップルは日本時間9月15日未明に発表会を開催し、最新のiPhone 13シリーズ、iPad、iPad mini、Apple Watch Series 7などの新製品を発表した。
iPhone 13シリーズは9月17日に予約受付を開始し、発売は9月24日から。iPadとiPad miniはすでに受注を開始していて、発売は9月24日から。Apple Watchは今秋(Later this fall)とのみ発表されている。
価格はiPhone 13シリーズが8万6800円〜19万4800円、iPadが3万9800円〜7万4800円、iPad miniが5万9800円〜9万5800円(いずれもモデルやストレージ容量、セルラー対応で価格が異なる)。Apple Watchの価格は発表されていない。
本記事では、「iPad mini」と「iPad」、「Apple Watch Series 7」のスペックなどを紹介する。
デザイン刷新し高級志向となった第6世代の「iPad mini」
今回発表された「iPad mini」は第6世代となるモデルで、2019年3月発売の第5世代iPad miniからの更新となる。デザインが刷新され、製品コンセプトがややハイスペック寄りにシフトしているのが特徴で、最新のA15 Bionicチップを搭載するなど、iPad Airのコンパクト版といった位置づけになった。
デザインは最新世代のiPad ProやiPad Airに近いものとなった。側面フレームが平面的なものとなり、Touch ID内蔵のホームボタンも廃止され、最新世代のiPad Airと同様のTouch ID内蔵のトップボタン(電源ボタン)を搭載する。Face IDは搭載しない。デザインの刷新により、第5世代iPad mini向けのジャケットケースなどのアクセサリ製品は流用できない。
本体の大きさは195.4×134.8×6.3mm、重さはWi-Fiモデルは293g、セルラーモデルが297g。第5世代iPad mini(203.2×134.8×6.1mm、300.5g/308.2g)に比べると、やや厚みが増しているが、長さは小さくなり、やや軽量化している。
ホームボタンが廃止され、画面周囲のフチ(ベゼル)がより狭くなったことで、画面サイズが大きくなった。画面サイズは8.3インチ(2266×1488ピクセル)で、iPad mini(第5世代)の7.9インチ(2048×1536ピクセル)に比べると短辺が短くなり、長辺が長くなっていて、アスペクト比も4:3(1:1.33)から3:2に近い1:1.52に変更されている。このアスペクト比のiPadは今回が初。
ピクセル密度は約325ppiで同等(10インチ以上のモデルの約265ppiよりも細かい)。なお、画面の四隅がiPad ProやiPad Air同様に丸みを帯びていて、サイズやピクセル数はそれを考慮しない数値となる。
ディスプレイの品質は標準仕様で、iPad Proが搭載するPro Motionといった機能は第6世代iPad miniには搭載されていない。スピーカーは短辺両辺に搭載されていて、横向き時にステレオ出力が可能。
カメラは背面・前面ともに強化されていて、いずれもシングル構成だが、背面カメラは8メガピクセルから12メガピクセルに強化され、F値もf/2.4からf/1.8へと明るくなり、Focus Pixelなどに対応した。前面のFaceTime HDカメラも従来の7メガピクセルから12メガピクセルになり、さらに画角が122度の超広角仕様となって、Center Stage機能にも対応する。
プロセッサには最新世代で同時発表のiPhone 13シリーズと同じA15 Bionicを搭載する。iPhone 13シリーズではスタンダードモデルとProモデルでGPUコア数に違いがあるが、第6世代iPhone miniに搭載されるのはGPUが5コアとアナウンスされていて、Proモデルと同等となっている。
デザインテイストや性能は「iPad Air」に近いが、「Smart Keyboard Folio」や「Magic Keyboard」に相当するアクセサリは第6世代iPad miniには用意されない。スタンド兼用の保護カバー「Smart Folio」は背面に貼り付けるタイプで、背面と前面の両方を保護する。Apple Pencilは第2世代のものに対応し、側面に磁力で貼り付けてペアリングや充電を行なう。
音量ボタンの位置も変更され、iPadシリーズとしては初めて、電源ボタンと同じ上端側(短辺)に搭載される。外部接続端子はUSB-Cのみで、第5世代iPad miniに搭載されていたイヤホンマイク端子は廃止されている。USB-Cは最大5GbpsのUSB 3.1。
Wi-Fiモデルとセルラーモデルが用意され、セルラーモデルは5Gにも対応する。セルラーモデルはデータ通信のみのため、デュアル待ち受けなどには対応しないが、nano-SIMとeSIMの両方に対応している。
カラーバリエーションはスペースグレイ、ピンク、パープル、スターライトの4色で、第5世代のスペースグレイ、シルバー、ゴールドの3色構成から刷新された。ストレージ容量は引き続き64GB(5万9800円)と256GB(7万7800円)の2種類。セルラーモデルは1万8000円高くなる。
プロセッサ強化のみの廉価モデル第9世代「iPad」
今回発表された「iPad」は、第9世代となるモデルで、2020年9月発売の第8世代を置き換えるモデルとなる。デザインやサイズに変更はなく、プロセッサがA12 BionicからA13 Bionicに強化されているが、最新のA15 Bionicに比べると2世代前のプロセッサを搭載することで、価格が抑えられている。
インカメラが第8世代の1.2メガピクセルから12メガピクセルに一気に強化されていて、122度の超広角となった。これにより、テレビ電話アプリで被写体人物を追跡したり、新しい人物がフレームインしたときに画角を広げるといった操作を全自動で行なう「Center Stage」という新機能に対応する。背面カメラは8メガピクセル、f/2.4で変更はない。
ディスプレイサイズと解像度も第8世代と変わらず、10.2インチ(2160×1620ピクセル)で輝度などのスペックも変わらない。
第8世代同様、Touch ID内蔵のホームボタンを搭載し、外部接続端子はLightning。Wi-Fiモデルとセルラーモデルが用意されているが、セルラーモデルは4G対応で5Gには対応しない。セルラーモデルはnano-SIMとeSIMに対応。
大きさは250.6×174.1×7.5mmで重さはWi-Fiモデルが487g、セルラーモデルが498g。大きさは第8世代と完全に同じで、ケース類などのアクセサリも共通。第8世代同様にApple Pencil(第1世代)が利用できる。
価格は3万9800円〜7万4800円。ストレージ容量は64GB(3万9800円)と256GB(5万7800円)の2種類で、セルラーモデルはWi-Fiモデルよりも1万7000円高くなる。カラーバリエーションはスペースグレイとシルバーの2色。第8世代にはあったゴールドが用意されていない。
画面が大きくなった「Apple Watch Series 7」
Apple Watch Series 7はデザインはほぼSereis 6を踏襲しつつ、画面サイズだけ大きくなっている。細かいディスプレイサイズのスペックは公表されていないが、ベゼル部分が40%細くなり、本体サイズそのままで画面サイズが20%大きくなった。ディスプレイの性能自体も向上し、周囲が暗い環境での輝度が向上している。
画面サイズが大きくなったことで操作性が向上しているほか、新しい文字盤デザインも用意される。
本体の頑丈さも向上していて、前面パネルについては50%厚い部材を採用するなどでSeries 6の2倍以上の強度となり、「Apple Watch史上、最も強い前面クリスタル」とされている。防塵性能はApple Watchシリーズとしては初めてIP6Xに対応し、耐水性能はWR50(50m耐水)となっている。
電池の持ちは従来モデルと同様だが、充電速度はSeries 6より33%高速化している。
搭載するセンサーなどに変更はとくにアナウンスされておらず、引き続き血中酸素ウェルネスや心電図などを測定できる。
このほか、watchOS 8によってサイクリング計測の向上や新規ワークアウト、転倒検出の機能向上などがあるが、これらのOS由来の新機能は、Series 6までのモデルもOSアップデートにより利用できる。
Apple Watch Series 7は、アルミニウムケース、ステンレススチールケース、チタニウムケースの3素材がラインナップされる。
アルミニウムケースのカラーバリエーションはミッドナイト、スターライト、グリーン、ブルー、(PRODUCT)REDの5色。Sereis 6に比べると、ゴールドがなくなった代わりにグリーンが追加された。
ステンレススチールケースのカラーバリエーションは引き続きシルバー、グラファイト、ゴールドの3色。
チタニウムケースのカラーバリエーションはチタニウムとスペースブラックチタニウムの2色。このほかにも従来モデル同様、オリジナルの文字盤やバンドなどが付属するNike(ナイキ)とHermès(エルメス)とのコラボレーションモデルも用意される。
サイズは41mmと45mmの2種類。バンドは過去モデルと互換性があり、41mmは38mmと40mm、45mmは42mmと44mmケースと同じものが使える。
なお、Apple Watch Series 7は発売が「今秋」とアナウンスされているが、発売がiPhone 13シリーズやiPad新製品より遅く、価格も発表されていない。
【お詫びと訂正 2021/09/16 12:01】
記事初出時、「チタニウムケース」のカラーバリエーションが案内されていないと記述しておりましたが、誤りです。お詫びして訂正いたします。またSeries 7のカラーバリエーションとして「ゴールドがなくなった代わりにブルー追加」としておりましたが、正しくは「グリーンが追加」です。あわせてお詫びして訂正いたします。