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KDDI、衛星通信「Starlink」を使ったau 5G基地局を「乗鞍岳畳平バスターミナル」に開設

 KDDIは、Starlinkをバックホール回線として利用する5G基地局を、岐阜県高山市丹生川町の「乗鞍岳畳平バスターミナル」で8月26日に運用を開始する。

 Starlinkは、低軌道で地球上を周回している通信衛星を介して通信するブロードバンドサービス。これまでの高軌道衛星よりも地球との距離が近いため、一般的な衛星通信と比較して低遅延で大容量のデータ通信が利用できる。

 今回の基地局が設置された「乗鞍岳畳平バスターミナル」は、標高2702mに位置するバスターミナルで、「日本一高いところにあるバスターミナル」とされている。

乗鞍岳畳平バスターミナル

 乗鞍岳を登るユーザーのアクセス拠点の一つであるが、これまでは光ファイバー回線の敷設が難しく、遠く離れた麓の基地局を活用してエリア化してきた。一方で、電波状況によっては、通信が不安定となる場面もあり、今回Starlinkを活用した基地局を、バスターミナル内に設置することに至ったという。

 Starlinkでは、衛星通信により地上局と大容量かつ低遅延で通信できるため、過疎地の工事現場や船上、音楽イベントなど短期間利用の現場などでブロードバンド回線を利用できる。また、コンシューマー向けにもサービスが提供されており、引越後に光回線工事が完了するまでの間の繋ぎとしての利用や、光ファイバーが届かないエリアの通信確保などに役立てられている。

音楽イベントでの活用例

 今回の取り組みでは、過疎地でもより快適に音声通信やデータ通信が利用できるようになることが期待される。