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「Nothing Phone (2)」が正式発表、どんなスマホか? マーケ部門トップが語る
2023年7月12日 00:30
英Nothing Technologyは、Androidベースのスマートフォン「Nothing Phone (2)」を正式発表した。日本では7月25日に発売され、21日からNothing公式サイトで予約受付が開始される。
価格は、メモリーとストレージの組み合わせが8GB+128GBが7万9800円、12GB+256GBが9万9800円、12GB+512GBが10万9800円。
先代モデル「Nothing Phone (1)」では、背面のライトで通知を確認できる機能や独特のUI(ユーザーインターフェイス)など、ほかのスマートフォンとは一線を画するコンセプトでデザインされていたが、今回の「Nothing Phone (2)」はどのような仕上がりになっているのか。
本稿では、記者向けに開かれたNothing Phone (2)プレブリーフィングで、同社共同創業者でマーケティング部門トップのアキス・イワンジェリディス(Akis Evangelidis)氏が語った「Nothing Phone (2)」のこだわりなどをご紹介する。
「Nothing Phone (2)」の主なスペック
「Nothing Phone (2)」は、いわゆるハイエンドなスマートフォンとしてのスペックを備える新機種。
ディスプレイは6.7インチのOLD(有機EL)ディスプレイ(2412×1080)を搭載し、最大120Hzの可変リフレッシュレートをサポートしている。
チップセットは、「Qualcomm Snapdragon 8+ Gen 1」を採用しており、外部端子はUSB-C、IP54相当の防水防塵性能に対応する。メモリー(LPDDR5)とストレージ(UFS3.1)の組み合わせは、8GB+128GB、12GB+256GB、12GB+512GBをラインアップしている。
本体のカメラは、5000万画素のメインカメラ(F値1.88、1/1.56")と5000万画素の超広角カメラ(F値2.2、1/2.76")が背面に、3200万画素のフロントカメラ(F値2.45、1/2.74")を前面に備える。
バッテリー容量は4700mAh、最大45Wの有線急速充電(Power Delivery 3.0対応)と最大15Wのワイヤレス充電、最大5Wびリバース充電をサポートしている。
生体認証は、顔認証と画面内指紋認証が利用できる。
Nothingブランドを拡大
アキス氏は、Nothingについて、ここ10年でスマートテック業界に参入したブランドのなかでは大きな柱になっているとし、ブランド全体が順調に推移していることをアピール。
会社としても、この3年間で従業員数が200人→450人に、世界7カ国にオフィスを構えているほか、新たに9600万ドルの資金調達にも成功したと説明。さらにプロダクトポートフォリオを多様化できるとしており、スマートフォンやワイヤレスイヤホンなどこれまでの製品群以外の製品にも取り組む姿勢を示した。
Nothing Phone (2)のデザイン
「Nothing Phone (2)」では2色のカラーラインアップを展開する。先代モデルの「Nothing Phone (1)」と比較すると、配色が若干異なっている。背面デザインなどのこだわりは、後述するが、アキス氏は、すべての面において機能改善を図っているとコメントしている。
先代モデルよりも若干厚みが増しつつも、手持ち感も改善されており、背面のリアガラスは、エッジに丸みを持たせており「洗練されたバランスの取れた感触」(アキス氏)としている。
背面デザインについても、機能改善を図りながら統一感を出すようにエンジニアリングされているといい、たとえばワイヤレス充電用のチャージングコイル部分は小型化と位置の調整を行い、ほかの部品と調和されるようにしているという。
背面の仕上がりについてアキス氏は「調和がとれて、左右対称のデザインとすることで、スムーズなシェイプ、一貫性を持った上品でプレミアム感が感じられる」としている。
付属充電ケーブルにもこだわり
デザインへのこだわりは、製品に付属する充電ケーブルにも現れている。コネクタ部に透明の素材が使用されているが、アキス氏いわく「非常に難しい苦労した部分」という。
充電ケーブルについて、「デザイン全体に大きなインパクトをもたらすもの」と考えていたといい、何度もテストを重ねて、さまざまな技術をもって実現できたものとアキス氏は協調している。
裏返したままでも通知を確認できる「Glyph Interface」
先代モデルから引き続き、背面にはライトで通知などを確認できる「Glyph Interface」が搭載されている。搭載理由をアキス氏は「できる限りスマートフォンとのインタラクション(やりとり)を最小限に抑えたかった」としており、スマートフォンのディスプレイを確認するために裏返さなくてもどういう状況かをわかるようになっているという。
「Nothing Phone (2)」では、新たな機能も搭載されている。
たとえば、サードパーティー製のタクシー配車/デリバリーアプリでは、「Glyph Interface」で進捗状況がわかるようになる。このビジュアルトラッカーでは、配車やデリバリー状況がどこまで進んでいるのかを確認でき、光で到着を知ることができる。
「Glyph Interface」以外にも、着信音/通知音もアーティストとコラボレーションした新作が導入されている。
画面がモノクロになるUIも
先述の「Glyph Interface」について「スマートフォンとのインタラクションを最小限にする」としたアキス氏は、加えて「ユーザーが目的を持った形でスマートフォンを使ってもらいたい」とコメントした。このコンセプトは、端末のOS作りにも現れていると説明する。
「Nothing Phone (2)」では、新しいユーザーインターフェイス「モノクロームモード」が導入されている。
数あるスマートフォンアプリでは、ユーザーの注目を集めるため、それぞれのブランド戦略としてさまざまな色を使っているとアキス氏は指摘。モノクロームモードでは、それを全部モノクロにすることで、ユーザーがその色に邪魔されずに目的を持ってスマートフォンを使えるようになるという。
カメラ機能もアップデート
アキス氏は続けてカメラ機能にもアップデートが加えられたとコメント。同社のカメラエンジニアも40名から100名まで増員するほどカメラ機能にもこだわっているとアピールする。
背面には5000万画素のカメラを2つ搭載している。メインカメラのセンサーは、ソニー製の「IMX890」で、光学手ぶれ補正機能をサポート。Advanced HDRや18bit ISP(イメージシグナルプロセッサー)を搭載しており、先代モデルのおよそ4000倍のカメラデータを収めることができるとしている。
アキス氏「80~90年代のアップルと共通している部分が多い」
このほか、チップセットに「Qualcomm Snapdragon 8+ Gen 1」を採用することでパフォーマンスが80%改善されている。
バッテリー容量は4700mAhで有線の急速充電が最大45Wまでサポートしている。バッテリー性能について、アキス氏の体感として30~40%向上しているとしている。
ディスプレイは6.7インチのOLD(有機EL)ディスプレイで最大120Hzのリフレッシュレートをサポートしている。
また、持続可能社会への貢献として、カーボンフットプリントを先代モデルから5kg削減に成功したとしている。
ちなみに、先代モデルの「Phone (1)」では、日本市場においておよそ50%がiPhoneからの移行ユーザーだったという。アキス氏は「(同社は)2023年のアップル(Apple)よりか80~90年代のアップルと共通していると思う。デザイン指向かつユーザー体験の再発明という点で、クリエイティブなコミュニティにいるユーザーにアピールできているのでは」とコメント。
また、日本ユーザーについて「ファッションや芸術分野について日本はまさに中心、テクノロジー分野でもアーリーアダプターが多く、我々のデザインがそのような意識が高いユーザーにマッチしたのではないかと思っている」とした。