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楽天モバイル、5G活用でイベント時の混雑を緩和する実験と関係者インタビューを紹介

 楽天モバイルは、神戸大学、デンソーテンと協力し、2021年10月にノエビアスタジアム神戸で、5Gを活用したイベント時の混雑緩和に向けた方策の検討や会場周辺の経済活性化を目指す実証実験を実施した。同社は、実験の概要と関係者へのインタビューを紹介している。

 実証実験では、専用のスマホアプリを活用し、5日間の実証実験で2000人ほどがインストールしたという。ライブ配信映像によって、アプリ上でスタジアム内の混雑状況が分かるようにしたほか、帰宅時に利用する交通機関の混雑状況をリアルタイムで確認できるようにした。

アプリイメージ

 また、試合終了後も来場者を会場内に留めるために、クイズゲームで遊べる機能や会場内で待機しているとアプリ専用のポイントが貯まり、ヴィッセル神戸のグッズと交換できるという施策を実施した。貯まったポイントはスタジアム周辺の飲食店などでクーポンとしても利用でき、スタジアム周辺での回遊性向上につなげた。

 実験で工夫した点について、神戸大学の福間氏は、「負け試合では来場者が早くスタジアムから離れる傾向にあるなど、試合状況や試合結果によって来場者の行動も大きく変化する場合がある。アプリを通じてユーザーに届ける情報を試合状況に応じて変更し、ユーザーによって情報提供に差をつけるABテストなどを多く実施した。」と回答している。

 実験で苦労した点について、楽天モバイルの工藤氏は「アプリユーザーが、スタジアム内とその周辺の混雑状況を常にリアルタイムで確認できるように、ライブカメラ映像を安定して配信し続けなければならない。そのため、繰り返し動画配信のテストを行い、実証実験では楽天モバイルの5G通信で安定した配信を実現した。」と回答している。

 同じ質問に対し、楽天モバイルの益子氏は「今回は、スタジアムのメインエントランス前やグッズ売り場、コンコースなど計5箇所にカメラを設置した。今後、より多くの場所にあるライブカメラ映像を安定的に配信するためには、ネットワークスライシングにより、動画配信のための専用の帯域を確保する必要がある。」と回答している。

 インタビューでは、ほかにも「産官学連携のメリット」や「今後の取り組み予定」について紹介されている。