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ワイヤレスジャパンや「5G Tokyo Bay Summit」など開幕、ドコモ吉澤社長は5Gの“協創”をアピール

 東京ビッグサイトで5月23日、「ワイヤレスジャパン」など無線・通信関連の展示・セミナーイベントが開幕した。期間は5月25日まで。5G、IoT、AI、ドローン、交通システムなどをテーマに5つのイベントが共同で開催されている。

 またNTTドコモは、5G関連の展示を行う「5G Tokyo Bay Summit」の展示ブースを、共同開催の「ワイヤレス・テクノロジー・パーク」内に設けている。

吉澤社長「5Gはサービスと融合させた上で提供していく」

 基調講演には、NTTドコモ 代表取締役社長の吉澤和弘氏が登壇し、5G時代に注力する「協創」施策について紹介した。

「ワイヤレスジャパン」などが共同開催する基調講演にドコモ吉澤社長が登壇

 吉澤社長は、ドコモの事業が、通信インフラ、プラットフォーム構築、資本提携などでのサービス拡充と、時代とともに変化してきていることを振り返り、現在「+d」として進めている、広範なパートナー各社との“協創”施策がさらに拡大していくことを示す。

 2017年度からの中期経営計画では、6つの宣言を「beyond宣言」としてまとめており、この日の講演では「宣言4」で示されている「5Gで共に革新する 産業創出宣言」を中心に、パートナー各社との協創施策が紹介された。

 最新の事例は、いずれもすでに、それぞれ実験結果が発表されているが、まずは5Gの目指す世界として、時速300kmで走る自動車で5Gのハンドオーバーに成功した実験を動画とともに紹介。これは新幹線などでの利用も視野に入れたものとのことで、高速で移動中でもこれまでにない大容量通信を可能にしていく。また、ウィンドサーフィンの協議の模様を船上で撮影、陸の設備と5Gでつなぎ、高精細で大容量の映像を伝送できる模様も紹介された。

 さらに、より実務に近い内容では、東京・四ツ谷に、5Gオープンパートナープログラムに参加している各社が利用できる5Gオープンラボを開設したことを紹介。

 また、スカイツリーの麓に一般ユーザーも体験できるスペース「トライアルサイト」をオープンしたことや、ドコモの代々木のビルの壁面を使った巨大プロジェクションマッピングの実験、パフュームのメンバー3名が世界3カ所から同時にライブを行い、あたかも集まっているかのように見せるライブパフォーマンスの実施、人の動きを遅延なくトレースして災害対策に利用できるようにするロボット、遠隔医療、建機の遠隔操作といった、実験結果が紹介された。ほかにも、今後実験を行うセルラーV2Xや、オートモーティブ・エッジコンピューティング・コンソーシアム(AECC)への参画にも触れられた。

 吉澤社長は「5Gはサービスと融合させた上で提供していく」と、これまでとは異なるローンチになることを改めて語る。

 「3G、4Gの時は、なぜそんなに速い速度が必要なのか? 誰が使うのか? と言われた。しかし現在のストリーミングのSNSのアップリンク(=投稿)、映像配信などは、LTEの速度があったからこそで、サービスが追いついてきた形だ。5Gをローンチする時は、サービス・ビジネスが一緒になってスタートする」(吉澤社長)。

 吉澤社長はまた、プレサービスのレベルでは、エリアを限定して2020年よりも早い段階で5Gやサービスを紹介していく方針を語ったほか、同じビッグサイトで始まった展示イベント「5G Tokyo Bay Summit」では28ものテーマで5Gを紹介しており、「5Gで何ができるのか、何をやろうとしているのか。こういったことができるという内容をたくさん展示した。(各社の)ビジネスにつながるヒントを見つけてほしい」と、集まった業界関係者の聴衆に語りかけ、講演を締めくくった。