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ドコモの5G、ミリ波通信のエリア拡大に寄与する無線バックホール統合伝送に成功

 NTTドコモとファーウェイは、5Gの39GHz帯を用いて、5G中継局の無線アクセスバックホールと端末向け通信を同じ周波数帯で伝送することに成功したと発表した。

 実験は4月16日~27日にかけて神奈川県横浜市みなとみらい21地区で実施された。実験は将来的に標準化が検討されているという、無線アクセスバックホール統合伝送技術に関するもので、基地局と中継局の間の「バックホール通信」と、中継局から端末の間の「アクセス通信」との干渉をビームフォーミングで低減し、同時伝送を実現した。

 これによりミリ波帯でも、従来ならビルなどの遮蔽物の影響でカバーしづらい・できないエリアに対し、迂回する中継局を設置して同じ周波数帯で運用し、エリア化が可能になる。

 実験では、基地局から(中継局を介し)端末までの伝送遅延を1.6msにまで短縮した。さらに中継局と端末間は39GHz帯(ミリ波帯)で、約650Mbpsの高速な無線通信が可能になることも実証している。エリアカバーのために設置する中継局のバックホール通信を統合する今回の内容は、ミリ波通信のエリア拡大に利用できることを明らかにしたとしている。