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NECとドコモが5G実現に向けた実証実験

セル間協調技術で電波干渉を防ぎ通信品質を向上

 日本電気(NEC)は、5Gの実現に向けた検証実験として、集約基地局(Central Unit、以下CU)が複数のリモート局(Distributed Unit、以下DU)を制御するC-RAN(Centralized-Radio Access Network)構成の超多素子AAS(Active Antenna System)基地局システムを用い、DU間の協調制御を行う実験をドコモと共同で実施した。

低SHF帯超多素子AAS
検証実験の様子

 NECが開発した超多素子AAS基地局システムは、異なるDUに接続している端末の情報を複数DU間で交換し、DU間で協調制御しながら指向性を持ったビームを形成する。これにより、DUの通信可能範囲の境界付近に位置する端末のスループットを従来と比べて大幅に改善し、場所を問わずに安定した高品質通信が実現される。

 今回の実験では、屋外環境にてCUに接続された2台のDUの通信可能範囲の境界付近にある複数台の端末が、各DUと通信している状態でDU間の協調制御の有無による下り通信品質の測定が行われた。

 実験の結果、DU間で協調制御を行わない場合は、他DU配下の端末を意識せずにビームを形成し下り送信を行うため、干渉による通信品質が低下した。

 一方、協調制御を行った場合は、DU間で協調しながらビームが形成されるため、お互いのDUからの電波干渉による通信品質の低下を防ぎ、下りスループットが最大50%程度向上した。

 NECでは、本システムや5Gに向けた取り組みを、2月26日~3月1日までスペイン・バルセロナで開催される「Mobile World Congress 2018」にて展示・紹介する。