スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

IIJmioギガプランの各種機能を試してみた話

そうだ6月1日からギガプランをイジれるんだった!!!

 2021年春の携帯電話料金値下げラッシュにおいて、俺が選んだサービスは「IIJmioモバイルサービス ギガプラン(以下、ギガプラン)」。キャリアとしてはNTTドコモで、その回線を借り受けているMVNOことIIJmioのギガプランにしたってわけですな。

 ちなみに、IIJmioのギガプランで選べるキャリアはNTTドコモの回線(タイプD)とauの回線(タイプA)がある。ギガプランのプラン契約時にタイプD/タイプAを選ぶことになるが、契約後にタイプD←→タイプAを変更することもできる。

 さて、IIJmioのギガプラン、2021年6月1日からユーザーの運用形態に合わせて設定を細かく変更できるようになった。設定変更できるギガプランの機能は、データ容量シェア機能、データ容量プレゼント機能、ギガプラン専用データ量追加(購入)、5Gオプション。同一契約(同一ID)内の回線(SIM)間でデータ容量を分け合ったり、回線(SIM)から回線(SIM)へデータ容量を移行したりできるようになった。

 ほか、ギガプラン専用追加データ量をクーポンとして1GB単位で追加購入できたり、無料で5G通信/4G(LTE)通信の切り替えられるようにもなった。さらに近い将来(6月以降)にはギガプラン会員専用アプリ「My IIJmio」も提供される予定。このアプリを使うとデータ残量の確認、高速通信のON/OFF、過去のデータ利用量の確認などが行えるようだ。

IIJmioのギガプランは、ひとつのmioIDで最大10回線まで使える

 以降、2021年6月1日から可能になったギガプラン設定変更例を挙げてみたいが、その前にひとつ。「ギガプランで複数回線(複数枚のSIM)が使えるらしいけど、ソレって具体的にどういうこと?」という疑問をお持ちの方もあると思うので、ソコを改めてご説明。

 IIJmioのサービスを契約すると「mioID」というユーザーアカウントが得られる。IIJmioにはモバイルサービスをはじめとする各種サービス(IIJmioひかりとかセーフティメールとかイロイロ)があるが、契約したサービスはこのIDに紐づけられる。ギガプランを契約した場合も、このIDに紐づけられる。契約した色々なサービスの料金は、このIDに登録したクレジットカードなどからまとめて引き落とされる。

 ギガプランの場合、以下の表のように色々な料金プランがある。ひとつのプランを契約すると、当然だが1回線(SIMかeSIMが1つ)使える。

 さらに「ギガプランは同一のmioID内で最大10回線まで契約可能」である。異なる機能/容量のSIM(プラン)を組み合わせて必要な数だけ契約することができる。音声SIM2ギガプラン(858円)を10契約(合計8580円)してスマートフォン×10台を運用することもできちゃう。もちろん契約プランが増えるほど料金がかさむが、ひとつのmioIDで最大10枚までのSIMを使えるというわけだ。

 で、以降で説明するデータ容量関連の機能は「同一mioID内なら使える」という機能。たとえば異なるmioIDで契約したギガプラン間では、データ容量のシェアやプレゼントはできないというわけだ。

 ギガプランでの複数枚SIM利用イメージとしては、たとえば家族での利用。4人家族なら4つのプランを契約して4枚のSIMを得て、各人が使う。各人が必要な機能や容量のものを、それぞれ別のプランとして4つ契約するわけですな。で、必要に応じて後述の「シェア」や「プレゼント」などの機能を利用する。

 あるいは、ひとりで複数枚のSIMを使いたい場合。スマートフォン用とタブレット用とPC用と……と、必要な枚数だけギガプランを契約する。スマートフォン10台で音声通話SIMを使いたいという場合でも、それぞれ音声2ギガプランでの契約なら最安で合計8580円で使える。そして各契約(各SIM)でデータ容量をシェアすれば、2ギガ×10回線=20ギガとなり、ひとりなら十二分な容量を使えるというわけだ。

追加データ量「1GBで220円」は最安クラス

 まずは利用可能となったギガプラン専用の追加データ量(クーポン)から。1GB(1枚)につき税込220円で購入でき、毎月最大20GB(20枚)まで追加できる。他のキャリア/MVNOと比べても最安クラスと言える価格だ。ただし、クーポンの有効期限は購入した月の末日。残ったデータ容量は翌月に繰り越せないので、購入のタイミングにはちょっと注意が必要だ。ともあれ、どんな手順で購入できるのか、PCのブラウザ経由での手順をスクリーンショットと説明文で見ていきたい。

まずはIIJmioの会員専用ページにログイン。mioID(もしくは登録メールアドレス)とパスワードを入力する。mioIDはひとりにつき1つのみ発行されるIDで、SIM毎に支払いクレジットカードを分けるなどのためにひとりで複数のmioIDを持つことはできない
IIJmio会員専用ページにログインしたら、少しスクロールして「ギガプラン」の項目をクリック。ギガプラン関連のメニューが現れるので「データ量」をクリックする
続いて、「データチャージ」のカテゴリーから「データチャージ(オンライン)」をクリック。ネットで追加データ量を購入する項目だ。次いで、データ量を追加する回線を選び、さらに追加するデータ量を指定する
ここでは1GBを追加してみた。申し込み内容などを確認して「ギガプラン専用データを購入する」をクリック。あら簡単に買えちゃった〜
購入履歴はWebサイトでもIIJmioアプリ「IIJmioクーポンスイッチ(みおぽん)」でも確認できる

 てな感じ。なお、IIJmioは100MBでどの程度のデータ通信を行えるかの目安を示している。その数値を元に1GBでどの程度データ通信が行えるか計算すると、だいたい以下のようになる。

スマートフォンでの利用
Yahoo!トップページ(モバイル版)を表示約3410回
テキストメールの送受信(300文字程度)約20万4800通
Twitter(公式アプリで全角140文字でツイート後リロード)約1万1250回
動画(YouTubeで動画を約5分閲覧)約90回(約7.5時間)
地図(Android版Googleマップの地図を表示し、縮小して拡大する操作を5回行う)約280回
IP電話(Skypeで3分間通話)約580回(約29時間)

データ量のシェアとプレゼント

 続いて、データ容量のシェア機能とデータ容量の移行(プレゼント)機能。ギガプランで複数枚SIM契約(複数プラン契約/複数回線契約)をしている場合、これらの機能が役立つケースが多いだろう。なお、これら機能の使用料は無料だ。

 たとえば俺の場合、ギガプランで4回線を契約しているが、それぞれのデータ通信容量はどれも最小の2GBとしている。データ容量のシェア機能が使えない状態だと、俺的には「場合によっては心細い容量」であった。たとえば出張にiPadを持っていき、持て余した時間にずーっと映画配信サービスを使ったりすると……その月のiPadのデータ通信量はかなり残り少なくなってしまうかもしれない。

 だが、データ容量のシェア機能が使えると、2GB×4回線=合計8GBを各端末でシェアできる。特定の端末だけで2GBオーバーの容量を使ってしまっても、他の端末からのシェア分があるので、大きな問題には至らない。ちなみに俺の場合、自宅仕事が中心の自営業者なので、モバイル通信のデータ容量が8GBあれば、まず足りなくなるようなことはない。

 さておき、ギガプランで複数枚のSIMを契約している場合、どんなふうにデータ容量のシェア機能を設定するのか? これもPCのブラウザ経由での手順をスクリーンショットと説明文で見ていこう。

これも入口は同じ。IIJmio会員専用ページにログイン>ギガプラン>データ量へと進む。そこで「データシェアの確認・編集」をクリックする
データ量を複数SIM間でシェアするには、容量をシェアするSIMを登録する「グループ」を作る。そのグループに入っているSIMどうしがデータ容量をシェアできるようになる。なので、まだグループを作っていない場合、最初にグループ作成の手順が必要になる。ここでは「すべての端末」というグループを作り、ギガプランで契約中のSIM×4枚全てを同じグループに登録してみる
新たなグループができた。まずはこのグループの「回線の変更(追加・削除)」を選ぶ。続いて、このグループに登録したいSIMを選ぶ。ここでは4枚全てを選んだ
最後に内容を確認して「この内容で設定する」をクリック。グループの編集はいつでも行える。ただし、作成したグループを削除する場合、削除したいグループ内にSIMが登録されていると削除できない。なお、空のグループを削除した場合、そのグループ名がリストからなくなるのは月末日と思われる

 といった感じで、同じmioID内のギガプラン契約であれば、データ通信容量を容易にシェアすることができる。ただし月末日はグループの「回線の変更(追加・削除)」などを行うことはできない。

 データ容量のプレゼントも同様で、同じmioID内のギガプラン契約であればSIMからSIMへとデータ容量を移行することができる。たとえば、通常はSIM毎に容量を使い、あるSIMが容量不足になった場合、データ容量の移行(プレゼント)機能を利用、といった使い方ができる。

無料の「5Gオプション」ってナンだ?

 強い興味があったのが「5Gオプション」。無料で使えるオプション設定で、オンにするとNTTドコモ5Gエリア(タイプD)やau5Gエリア(タイプA)で5G通信を行えるようになる。なお、タイプDのeSIMとSMS機能付きSIMは5Gオプション非対応となっている。

 えっ? オンにするだけ!? 無料で5G通信!!! 実際に試してみたので、画像と説明文で見ていこう。

これも入口は同じだ。IIJmioの会員専用ページにログイン>ギガプラン>データ量へと進み、「5G通信/4G通信の切替」をクリック
続いて、5G通信/4G通信切り替えを行う回線を選ぶ。5Gオプション非対応の回線は選択できないようになっている。iPhone 12 Pro Maxに入れているSIMを5Gに切り替えてみることに。初めて使う場合は注意点を読んでおこう
注意点などの関連情報をチェックしたら申し込みボタンをクリック。これだけで5G通信が利用可能になる
てゅーか拙宅付近は全然5Gエリアじゃないんスよね〜。……でも探してみたら、わりと近くに5Gエリア発見。行ってみると、茶畑の真ん中って感じの場所なのであった
5G通信を利用する場合、iPhone側の設定も確認しておこう。5Gエリアに入ると、アンテナピクトに「5G」の表示が♪
さっそく通信速度を計測してみるが……ん? 速くナーイ。4Gと変わらず!?
ちなみに、この当たりを5Gエリアとしている基地局がこれ。でもIIJでは4Gと5Gで設備を共用しているので、混雑時にはスピードは大差ないという。そのことはIIJmioの「Q&A」にも明記されていた

 4G通信が混雑している場合、もしかしたら5G通信の方が空いているかも? というときのワンチャンスを期待できる5Gオプション機能、という雰囲気ですな。

 てな感じのIIJmioギガプランの各種機能。わかりやすさも使いやすさも上々という印象となった。あとは6月以降提供予定とされているギガプラン会員専用アプリ「My IIJmio」に期待してゆきたいッ!!!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。