スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

iPhoneやiPadをテレビ化する超小型デバイス!!!

3cm角で約14gのLightningワンセグチューナーを使う

 アーッ!!! またワンセグチューナー買っちゃったーッ!!! だって小さかったんだも~ん♪ ↓こんなサイズ。

ケンコー・トキナーの「モバイルワンセグチューナー KR-012AP」。Lightningコネクター搭載のiPhoneやiPadでワンセグ放送を受信できるワンセグチューナー。サイズは約幅36×高さ32×厚さ12mm(アンテナ・突起部含まず)、重さは約14g(本体のみ)。ケンコー・トキナーオンラインショップ価格は1万978円。
チューナーをLightningコネクターに挿せば、専用アプリでワンセグ放送を視聴できる。写真の端末はiPhone 12 Pro Max。

 いや~モノとしては単なるiPhone/iPad向けのワンセグチューナなんスけどね、ここまで小さいの見たことなかったなぁ、と。ライバル機(とは言ってもほんの僅か)と比べても、コンパクトさにおいてワンランク上って感じ。

 正直なところ、俺の場合はワンセグ放送をいつもiPhoneとかで観たいってわけではなく、災害時の備えとしてワンセグチューナーを用意しておきたいというスタンス。なので、このくらいコンパクトなワンセグチューナーなら、バッグに入れっぱなしにして携行しても良さそうだなぁ、と思ったのであった。

 そしてこの「モバイルワンセグチューナー KR-012AP」、機能的には録画やタイムシフト再生や字幕表示なんかにも対応しつつ、音だけをバックグラウンド再生できたりもして、わりとコナレているという印象。アンテナはMCXコネクターで接続するあたりフツー的仕様ではあるが、こういうフツーの仕様だと自分で好みの外部アンテナとかつなげられたりして、ちょっと応用も利きそうだ。

 で、しばらく使ってみたら、なかなかイイ感じ。特にアプリが使いやすくて好印象♪ てなわけで以降、このワンセグチューナーについてレビューしてゆきたいッ!!! なお、以下に掲載するスクリーンショットの一部には、著作権を考慮してボカシを入れたりしているッ!!!

簡単セットアップ、アプリはコナレた使用感

 ケンコー・トキナーの「モバイルワンセグチューナー KR-012AP」は充電式のワンセグチューナーで、USB充電(microUSB)して使う。電池切れの状態から満充電までに約3時間かかり、満充電からの連続視聴可能時間は約4時間。パッケージには本体のほか、充電用USBケーブル(Type-A/microUSB)、ロッドアンテナ、スタンドアンテナ、説明書が付属する。

パッケージ内容一式。
2種類のアンテナが付属。左のチューナーの右上に付いているのはロッドアンテナ。右はスタンドアンテナで、ケーブルの先をチューナーに接続して使う。スタンドアンテナの下部は吸盤付きの台座になっていて、上部のアンテナとは分離できる。台座とアンテナはマグネットで吸着する。なお、これら2種類のアンテナの同時使用はできない。

 わりとシンプルなパッケージですな。ちなみにこれらパッケージ内容一式は、はがきが入るサイズのビニール袋に余裕で収まる。パッケージ内容一式を全部携帯するのもわりと現実的だ。

 さて、使用前のセットアップ。非常に容易で、ワンセグチューナーを端末のLightningポートに接続し、言われるがままに専用アプリをインストール。初回アプリ起動時に「チャンネルのスキャン」を行えば使い始められる。

端末にワンセグチューナーを接続>アプリをインストール>チャンネルをスキャン、とすれば使い始められる。なお、アプリは2種(同名のもの)が表示されるが、スクリーンショットにある上のもの(EyeTV Mobile)をインストールした。

 あとは「EyeTV Mobile」アプリの操作をするだけ。一度使えばその後は直感的に操作できるUIのアプリで、ワンセグ視聴用アプリにややアリガチな「雑な作り」もあまり見当たらず、イイ感じの使用感だ。スクリーンショットで見ていこう。

「EyeTV Mobile」アプリのホーム画面。縦表示にも横表示にも対応している。
ホーム画面で「テレビ」を選ぶと視聴可能なチャンネルがリスト表示される。そこから観たいチャンネルを選んで視聴していく(番組表から視聴するチャンネルを選ぶこともできる)。横表示にすると各種アイコンを表示でき、タイムシフト再生や音量調整、表示スタイル設定、字幕のオンオフ、録画などを行える。字幕は高精細な明朝体であった。
ホーム画面で「録画番組」を選ぶと、録画済み番組一覧が表示される。ひとつを選択すれば再生される。再生中はポーズや送り戻しができる。字幕表示は行われないようだ。なお、録画番組はワンセグチューナー本体を端末に接続していなくても再生可能。
ホーム画面で「番組表」を選ぶと、各局の番組表が表示される。また、番組表のチャンネルを選ぶと、その局のより詳細な番組表が表示される。なお、番組表は受信を開始してからしばらくしないと表示されないことがある。
ホーム画面で「設定」を選んだ様子。エリアを移動した時の再スキャンやバックグラウンドでのオーディオ再生の設定などを行える。

 ワンセグチューナー好きなので、これまでこのテのワンセグチューナー用アプリをけっこう使ってきた。で、このアプリ、かなり使いやすく感じられる。他のアプリが「スマートフォンなどでワンセグを視聴するにおいて最低限の使い勝手」という感じなのが多いなか、このアプリは「けっこう快適にアプリを扱いつつワンセグを視聴できる」という使用感。アプリの使用感が他よりちょっとイイことから、本体や付属のアンテナまで「ちょっと良いモノ」に見えてくるから不思議だ。

アーッ!!! iPadで使うと少しリッチーッ!!! iPad miniが好バランスーッ!!!

 モバイルワンセグチューナー KR-012APはLightningコネクター搭載のiPhoneやiPadに対応している。ということで、手持ちの第5世代「iPad mini」でも使ってみた。

第5世代iPad mini(2019年発売の最新機種)にワンセグチューナーを接続して番組を視聴している様子。

 いや~小型テレビって感じで、な~んか非常にカワイイ!!! 前出のiPhone 12 Pro Maxとの組み合わせはサイズ的なバランスがかなり良いと感じていたが、iPad miniとの組み合わせの方がよりテレビっぽくてイイ。ワンセグを7.9型画面に表示すると画質の荒れが目立っちゃうんスけど、見やすさや操作しやすさはワンランク上って感じ。

 それと、「EyeTV Mobile」アプリはiPadで使った方が操作感も表示もリッチ。より快適に使えて気分がイイ。どんな表示か、スクリーンショットと説明文で見ていこう。

第5世代iPad miniでEyeTV Mobileアプリを使っている様子。UIの階層が浅いので、情報を一望しやすい。表示される情報量も多いですな。縦表示と横表示ではUIのパターンが少し変わるようだ。
番組を視聴している様子。アイコン類を表示させても画面に余裕があり、隠れてしまう情報も少ない。なお、アイコン類を消して映像のみにすることもできる。
録画番組を一覧表示した様子。
番組表を表示した様子。iPhoneでの表示と比べると、カテゴリー別に色分けされるなど、より見やすい表示になっている。
画面いっぱいに番組表を表示したり、特定番組にフォーカスして番組情報を表示したりすることもできる。

 まあちょっとした見栄え・機能性の違いではあるが、iPadでEyeTV Mobileアプリを使うと、さらに使いやすくなるという印象だ。こういう使い勝手があると「これでさらにフルセグまで視聴できたらいいのにナ」とか思ってしまう。

 ただ、EyeTV Mobileアプリについて、ちょっと残念な点がひとつ。それはアプリを起動した時、けっこうな頻度で「ワンセグチューナーを接続し直してください」的な表示が出ること。アプリを連続して使っている時は問題ないが、アプリを終了してまた起動すると高頻度で↓こんなような表示が出る。

こんな表示が出たら、端末からワンセグチューナーをいったん抜いて、再接続する必要がある。これはiPadでもiPhoneでも同様。

 それともうひとつ。アプリを起動していない状態でワンセグチューナーを接続すると、↓のような表示も出る。

アプリを起動せずにワンセグチューナーを接続すると出る表示。「無視」をタップすると、アプリ起動時にワンセグチューナーの再接続を要求されたりする。

 ちょっとタップするなりチューナーを抜き差しすれば済むことなので、まあ大した手間ではないが、「も~毎回コレだよ」と軽くイラッとするのであった。アプリのアップデートとかで改善されるのだろうか?

ケーブルなどを追加して快適化してみる

 使いやすいアプリにより、イイ感じでワンセグを視聴できるモバイルワンセグチューナー KR-012AP。だが、場合によっては「快適ではない」ということも。

 ひとつは、端末をケースに入れている場合。iPhone/iPadのLightningポート付近を覆ってしまうケースを使っていると、ワンセグチューナーを端末に接続できなかったりする。ケース入り端末に対しては、ワンセグチューナーから伸びるLightningプラグが実質短いのだ。

端末がケースに入っていると、ワンセグチューナーが正しく接続できなかったりする。iPhone/iPadがハダカの状態ならワンセグチューナーを接続可能。

 つまりこのワンセグチューナーはiPhone/iPadがハダカ状態でないと、恐らく多くの場合は使えない。えー? ハダカ?? ソレはイヤ~ン!!! そこで使ったのが、Lightning延長ケーブルの類。

ケース入りiPhone/iPadとワンセグチューナーの間にLightning延長ケーブルを追加。

 若干怪しいカテゴリーのケーブルではあるが、こういったケーブルを使えばケースに入った状態のiPhone/iPadでもワンセグチューナーを使えるようになる……ことが多い。とか若干濁しているのは、手持ちのLightning延長ケーブル数本のうち、1本は延長ケーブルとして機能しなかったからだ。前にも似たような経験をしているので、Lightning延長ケーブルならどれでもOKってわけではなさそうだ。

 でもまあ、こういう延長ケーブルを使えば、ワンセグチューナーのLightningコネクターに無理な力が加わることも減るので、チューナーをより長持ちさせられる気がする。iPhone/iPad側のLightningポートにも、あまり無理な力が加わらなくなるように思う。

 もうひとつ、アンテナの問題。場所によってはワンセグをうまく受信できないことがある。電波が弱くて映像がガクガクになったり。鉄筋とかの室内だとワンセグの受信状態がいきなり下がったりもする。

 モバイルワンセグチューナー KR-012APに付属するスタンドアンテナのケーブル長は2m弱。なので、窓際にアンテナをセットしたくても、状況によっては届かないかもしれない。届かないと感度が悪くなり、ワンセグ放送を受信しにくかったり、受信できなかったりする。

 モバイルワンセグチューナー KR-012APは、多くのワンセグチューナーと同様、アンテナ用コネクターがMCX(ジャック)になっていて、そこに外部アンテナをつなげられる。アンテナ側のケーブル端がMCX(プラグ)のものをつなげられるのだ。
 なので、例えば「MCX延長ケーブル」の類を使用する。より受信しやすい位置に付属スタンドアンテナをセットするというわけだ。

室内でワンセグチューナーを使っていて、「アンテナを窓際に立てられないから受信感度がイマイチ」という場合は、アンテナとチューナーの間に延長ケーブルを追加しよう。MCXタイプのワンセグアンテナの場合、MCXジャック-MCXプラグ(MCXメス-MCXオスとも)の延長ケーブルを使えばOK。

 家庭用の地デジ受信アンテナがあれば、そこからの信号をワンセグチューナーに流すというテもある。方法はいくつかあるが、簡単なのは壁にあるアンテナ信号取り出し口の「テレビコンセント」から信号を流す方法。テレビコンセントにアンテナケーブルをつないでワンセグチューナーまで引いてきて、アンテナケーブルの端の端子をワンセグチューナーのアンテナに触れさせればいい。

地デジの電波の信号が流れているアンテナケーブル端子を、ワンセグチューナーのアンテナに触れさせる。これだけでちゃんと受信できるようになる。なお、アンテナケーブル端の内側と外側の金属は接触させない(ショートさせない)ようにしよう。

 ほか、アンテナコンセントに地デジ対応ブースター(の入力端子)をつなぎ、ブースター(の出力端子)に地デジ受信用アンテナを接続するという方法もある。室内に簡易的な地デジ放送アンテナができ、複数のワンセグ/地デジチューナーで放送の受信が可能になったりする方法ですな。

右のアンテナは、アンテナコンセントにつないだブースターの出力端子につながっている。本来はテレビやチューナーに直接つなぐが、アンテナをつなぐことで微弱ながら電波を発信する。数十cm?数m程度の距離なら、その電波をワンセグチューナー(のアンテナ)で受信できる。なお、アンテナコンセントの先につないだ(発信用)アンテナの長さは15cmくらいが良いと思う。

 他にもイロイロな方法がある。がッ!!! ワンセグチューナーレビューからかなり逸れていくので、ここではあまり深掘りしないでゆきたいッ!!!

 てな感じのケンコー・トキナー「モバイルワンセグチューナー KR-012AP」。アプリが使いやすいのが好印象である。チューナー本体もかなり小型なので、「災害時に備えてワンセグチューナーひとつ持っておきたいかも」という方は、邪魔にならず保管できるということで吟味してみるといいかもしれない。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。