法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」
「Google Pixel 7a」、AIで便利さと楽しさを加速するスマートフォン
2023年5月23日 00:00
グーグル(Google)は5月10日、開発者向けイベント「Google I/O」を開催し、AIを中心にしたサービスや開発者向け情報をお披露目する一方、Pixelシリーズの3つのデバイスを発表した。今回はそれらの中から、いち早く発売されたスマートフォン「Google Pixel 7a」を試用することができたので、レポートをお送りしよう。
AIの拡大で社会が変わる?
ここ数年、IT業界では「AI」に関する話題がごく当たり前のように取り扱われてきたが、昨年、生成型AIの「ChatGPT」の公開をきっかけに、多くの一般メディアでも「AI」が取り上げられるようになってきた。
AIは簡単に言ってしまえば、コンピュータによって、さまざまな情報を学習し、そこで得られた情報をもとに、判断や推論、問題解決などを導き出すものになるが、スマートフォンにおいてもカメラで撮影した画像処理をはじめ、さまざまな機能において、AIが活用されてきた。
それが「対話型」や「生成型」というスタイルになったことで、これまでと違った利用の拡大が期待されているというのが最近の話題だ。もっとも実際のところは、生成型AIで文書を作成する可否が論じられたり、グラビアのような写真を生成するといった利用の方が話題となっているが、将来的にAIが人々の生活や仕事に大きな影響を与えることは容易に想像できる。スマートフォンに絡む部分も含め、今後の動向をしっかりとチェックしていく必要があるだろう。
そんなAIに関する話題は、今回のGoogle I/Oでもさまざまなサービスやソフトウェア、機能などに活用されることが明らかにされた。たとえば、届いたメールに対し、従来は定型文で「あとで返信します」などの項目を選んでいたが、AIを活用することで、差出人や話題を考慮した返信を作成できるようになるなど、スマートフォンを実際に利用するうえでもAIが一段と活用されていることになりそうだ。
今回、Googleから発売された「Pixel 7a」は、ここ2年ほどの同シリーズの流れを継承したモデルで、今回のGoogle I/Oでは自ら「AIを核にした唯一のスマートフォン」とうたっている。
Googleが手がけるスマートフォンとしては、過去の同シリーズのレビューでも説明してきたように、2015年まではサムスンやLGエレクトロニクスなどと共同でAndroidプラットフォームのリファレンスモデルとして、「Nexus」シリーズを展開してきたが、2016年からはGoogleが提供する多彩なサービスを快適に利用するためのスマートフォンとして、「Pixel」シリーズの展開をスタートしている。
現在、「Pixel」シリーズには大きく分けて、2つのカテゴリーが存在する。
ひとつは例年秋に販売されるフラッグシップの「Pixel」シリーズで、昨年はディスプレイやカメラの仕様が違う「Pixel 7」と「Pixel 7 Pro」の2機種が販売された。
もうひとつは型番の末尾に「a」が付く「Pixel A」シリーズで、秋に発売されるフラッグシップモデルに比べ、リーズナブルな価格の普及モデルという位置付けになる。昨年は5月のGoogle I/Oで「Pixel 6a」が発表され、7月から販売が開始された。
「Pixel」シリーズの国内展開は、2018年の「Pixel 3」シリーズからで、Googleストアだけでなく、NTTドコモ、au、ソフトバンクでも販売された。
ただし、機種によって、取り扱いが違い、5G対応モデルではNTTドコモに割り当てられた5G対応周波数の一部がサポートされていなかったこともあり、昨年秋の「Pixel 7」「Pixel 7 Pro」まで、NTTドコモでの販売が見送られていた。詳しくは後述するが、今回の「Pixel 7a」では懸案の5Gバンド「n79」がサポートされたため、NTTドコモでも販売されることになった。
「Pixel」シリーズのスマートフォンはこれまで基本的にこの2つのシリーズが展開されてきたが、今回のGoogle I/Oではかねてから開発が明らかになっていた初のフォルダブルスマートフォン「Pixel Fold」も発表され、7月中旬に発売される予定となっている。同時に、タブレット端末「Pixel Tablet」も発表され、こちらは6月20日に発売される。
話を「Pixel 7a」に戻すと、注目されるのは、やはり、6万2800円(Googleストア)という価格設定だろう。端末の価格はチップセットやディスプレイサイズなどで大きく違ってくるが、チップセットは昨年秋に発売された「Pixel 7」「Pixel 7 Pro」と同じGoogle製Tensor G2チップを搭載しており、ディスプレイやカメラなどのスペックに違いがあるものの、防水防塵やおサイフケータイ対応など、日本仕様もしっかりとサポートしており、かなりお買い得感が高い。
ちなみに、昨年の「Pixel 6a」の発売時の価格は5万3900円だったため、約9000円の値上げになるが、この1年間の物価上昇や流通コスト増、約10円程度、円安に振れたドル円の為替レートなどから考えると、この程度の価格上昇でよく抑えられたなというのが率直な感想だ。
また、各携帯電話会社での価格はNTTドコモが7万5350円、auが6万3890円、ソフトバンクが7万9920円となっている。auはほぼ同程度の価格だが、NTTドコモとソフトバンクは1万円以上、高く設定されているのは気になるところだ。
ちなみに、3社とも2年後に端末を返却することで負担を抑える端末購入プログラムでも販売しており、実質負担額を3~4万円程度に抑えることもできる。
一方、Googleストアでは、YouTube PremiumとGoogle Oneが3カ月間、無料で利用できるキャンペーンが実施される。
背面にカメラバーを備えたデザイン
まず、外観からチェックしてみよう。「Pixel」シリーズは国内向けモデル投入以降、背面中央に指紋センサーを備えたデザインを採用していたが、2021年発売の「Pixel 6」「Pixel 6 Pro」からは背面上部にカメラ部を収めた棒状の「カメラバー」を配したデザインに変更し、それ以降、基本的なデザインを継承している。
今回の「Pixel 7a」も同様のレイアウトを採用しているが、カメラバーは従来の「Pixel 6a」と少し印象が違い、つや消し仕上げのメタルパーツに楕円形の窓を開け、そこに2つのカメラを収める「Pixel 7」と同様のデザインを採用する。
ボディの外寸は「Pixel 6a」に比べ、わずかな違いしかないが、電源ボタンやカメラバーの位置などが微妙に違うため、ケース類は流用できない。
ボディ幅は72.9mmで、背面両側端の湾曲した仕上げにより、持ちやすい標準的なサイズ感にまとめられている。
重量は193.5gで、「Pixel 6a」の178gから約15g増になるが、これは「Pixel 7a」がワイヤレス充電に対応したことで、背面にコイルを内蔵したためと推察される。
耐環境性能は従来の「Pixel 6a」に引き続き、IP67準拠の防水防塵性能を備える。
ディスプレイは1080×2400ドット表示が可能なフルHD+対応6.1インチのOLED(有機EL)を採用する。
縦横比は20:9、高輝度モードでのコントラスト比が100万対1、リフレッシュレートは従来の「Pixel 6a」から進化し、最大90Hzのスムーズディスプレイに対応する。「常に表示状態のディスプレイ」(Always On Display)もサポートされる。表示はHDRをサポートし、YouTubeなどのHDR対応コンテンツを高画質で楽しむことができる。
ディスプレイのカバーガラスはCorning社製Gorilla Glass 3を採用し、ディスプレイ内には光学式指紋センサーを内蔵する。
生体認証は指紋認証とインカメラによる顔認証に対応するが、顔認証は画面ロック解除のみに利用し、決済やアプリへのログインなどには指紋認証が求められる仕様となっている。指紋認証のレスポンスは十分に良好だが、市販の保護ガラスや保護フィルムを貼ったときは、指紋を登録し直すことが推奨される。
バッテリーは4385mAhの大容量バッテリーを内蔵し、最大18Wの急速充電に対応するほか、「Pixel A」シリーズとしてははじめてQi規格準拠によるワイヤレス充電にも対応した。
従来の「Pixel 6a」の4410mAhに比べ、バッテリー容量はわずかに少なくなっているが、通常利用で24時間以上、スーパーバッテリーセーバーを有効にして、最大72時間の使用を可能にするとしている。今回の仕様では「Pixel 6a」や「Pixel 7」などといっしょに持ち歩いたが、バッテリー消費はあまり大きな差が見られなかった。
「Pixel 7」と同じGoogle独自の「Tensor G2」を搭載
今回発売された「Pixel 7a」には、昨年の「Pixel 7」「Pixel 7 Pro」と同じGoogleが独自に開発したチップセット「Tensor G2(テンサージーツー)」を搭載する。
昨年の「Pixel 6a」は「Pixel 6」などと同じ「Tensor」を搭載していたが、ひとつ世代が進んだ形になる。半年前にリリースされたフラッグシップと同じチップセットを普及価格帯のモデルに搭載するという手法は、昨年の「Pixel 6a」に続くものだが、昨年の「Tensor G2」も米Snadragon 8 Gen 1と同等か、それに次ぐパフォーマンスが得られていることを考えると、同価格帯のライバル製品に比べ、大きなアドバンテージを持つことになる。
Googleがスマートフォンで圧倒的なシェアを持つ米Qualcomm製Snapdragonシリーズではなく、独自開発の「Tensor」シリーズの開発に踏み切った背景については、「Pixel 7」「Pixel 7 Pro」のレビュー記事でも説明したように、Googleが自らの最先端研究で培った技術を活かし、AIや画像処理などをはじめとした各機能のパフォーマンスを高めていくことを挙げているほか、機械学習の情報を端末上で処理できるメリットなどもある。
同時に、Snapdragonシリーズを選んだ場合、ライバル機種との差別化が難しいうえ、設計や供給スケジュールがQualcomm任せになり、コロナ禍のときのような半導体不足を招くと、端末供給そのものにも大きな影響を与えてしまうことが考えられる。
Tensor G2のパフォーマンスについても「Pixel 7」「Pixel 7 Pro」のレビュー記事で解説したので、そちらも参照していただきたいが、「Pixel 6a」に搭載されたTensorに比べ、「TPU(Tensor Processing Unit)」と呼ばれる機械学習の性能が大幅に向上し、パフォーマンスで60%、電力効率で20%の改善が図られている。これらの改善により、リアルタイム翻訳や文字起こし、写真や動画撮影時の画像処理などの性能が向上している。
メモリーとストレージについては8GB RAM、128GB ROMが搭載され、外部メモリーカードはサポートされない。従来の「Pixel 6a」と比較すると、RAMが増量され、「Pixel 7」と同等となっている。
NTTドコモの5Gネットワークにも対応
ネットワークについては5G/4G LTE/3G(UMTS/HSPA+/HSDPA)/GSM(クアッドバンド)に対応しており、SIMカードはnanoSIM/eSIMのデュアルSIM対応となっている。
5Gについては「Pixel 7」「Pixel 7 Pro」と違い、Sub6までの対応で、ミリ波には対応しないが、前述の通り、新たにNTTドコモに割り当てられた5G対応バンドの「n79」にも対応した。
国内の各携帯電話事業者に割り当てられた5G対応バンド(Sub6)のうち、3.7GHz帯の「n77」と「n78」はNTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルに割り当てられ、4.5GHz帯の「n79」はNTTドコモのみに割り当てられている。
この「n79」というバンドは海外でもまだ利用例が少なく、グローバル市場向けに展開されるモデルではあまりサポートされていない。たとえば、グローバル市場向けのモデルをベースに、国内向けモデルを展開するシャオミやOPPOの端末でもサポートされていない。
従来の「Pixel 7」「Pixel 7 Pro」は「n79」をサポートしていなかったため、NTTドコモでは扱われなかったが、国内市場からの要望も多く、「Pixel」シリーズの売れ行きが順調であることも踏まえ、今回の「Pixel 7a」から「n79」がサポートされ、NTTドコモでも販売されることになった。
NTTドコモの5Gは「n78」でもエリアが展開され、4G向け周波数帯域の5G転用もスタートさせているうえ、元々、4Gネットワークでも十分高速なため、従来モデルでも実用に不満はなかったが、NTTドコモ自らも販売する体制が整ったことで、ユーザーとしても安心できる環境になったと言えるだろう。
ネットワーク周りではSIMカードの認識の連動したAPNの設定が少し気になる。
たとえば、NTTドコモのSIMカードではAPNに「spモード」と「mopera U」のみが表示され、NTTドコモ網を利用したMVNOのSIMカードを挿すと、「IIJmio」や「BIGLOBE」など、おなじみのMVNO各社のAPNが表示されるものの、そこにも「spモード」と「mopera U」が表示される。
auのSIMカードでは「5G NET」と「5G NET for DATA」が表示されるが、au網を利用したMVNOのSIMカードでは「Rakuten mobile」が表示されるのみで、他のMVNO各社のAPNは表示されず、UQモバイルは「UQ mobile」のみがAPNに表示される。
ソフトバンクのSIMカードはAPNに「Application」と「Closed Networks[Enterprise]」が表示され、MVNO各社のSIMカードを挿しても同じ内容しか表示されないが、LINEMOのSIMカードを指すと、APNに「LINEMO」が表示され、有効になる。
楽天モバイルは「Internet」と表示され、自動的に接続された。
端末上でのAPNは携帯電話会社から提供される情報を基にするため、一概に判断できない部分もあるが、「Pixel」シリーズは従来モデルからSIMカードを挿したときのAPNの表示がやや実状に合わないことが気になる。
今回は主要3社で取り扱うため、NTTドコモ、au、ソフトバンク、UQモバイル、ワイモバイル、LINEMOなどのSIMカードを認識し、適切なAPNが設定されるが、MVNO各社のSIMカードへの対応は不十分だ。
最終的にはいずれのSIMカードを挿してもユーザーがAPNを新規に設定すれば、動作するはずだが、「Pixel」シリーズがより多くの人に使われるようになっていくには、こうした部分も必要に応じて、最新のものに更新していくような取り組みを期待したい。
Wi-FiについてはIEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax(2.4GHz/5GHz/6GHz)に対応し、Bluetooth 5.3をサポートする。FeliCaも搭載しているため、Google Payで提供される交通系ICカードやQUICPay、iDをはじめとした各電子マネーも利用できる。
また、Google Oneの契約者向けに提供されているVPNサービス「Google One VPN」も無料で利用できる。VPNサービスは街中のWi-Fiスポットを利用するときをはじめ、よりセキュアな通信が必要なときに有効だ。
au Wi-Fiアクセスなど、各携帯電話会社がVPNサービスを提供しているときは、そちらを利用できるが、それ以外の契約のときはGoogle OneのVPNサービスをぜひ活用したい。
Android 13を搭載
プラットフォームはAndroid 13を採用する。アップデートについては米国Googleストアの発売から5年間が保証されるため、安心して利用できる。
ユーザーインターフェイスはホーム画面の下段に検索ボックスとドック、画面内にアプリのショートカットやウィジェットが並び、上方向にスワイプすることで、アプリ一覧が表示される。
アプリ一覧ではフォルダーが作成できないが、最上段の検索ボックスに文字列を入力して、検索することができる。もっともホーム画面下段の検索ボックスからもインストールされているアプリが検索できるので、早く起動したいときはそちらの方が便利だが……。
ホーム画面のパーソナライズ(カスタマイズ)ではAndroid 12から引き続き、「Material You」が利用でき、壁紙だけでなく、ウィジェットや画面全体の色調などもカスタマイズできる。
実用機能としては、音声通話時に背後のノイズを抑える「クリア音声通話」、メッセージアプリでの文字起こし、音声入力時の絵文字入力(日本語は未対応)などが利用できる。
日本の場合、音声入力の利用があまり多くないと言われてきたが、Googleアシスタントをはじめ、音声入力やレコーダーなどの環境も着実に進化しているので、「Pixel」シリーズを購入したユーザーは積極的に活用したいところだ。
新開発の64MP/13MPのデュアルカメラを搭載
カメラについては、背面のカメラバーに広角カメラとウルトラワイドカメラ、ディスプレイ上部のパンチホール内に前面カメラをそれぞれ内蔵する。
背面の広角カメラは64MピクセルのQuad PD Quad Bayerイメージセンサー(1/1.73インチ、ピクセルピッチ0.8μm)で、F1.89のレンズを組み合わせ、画角が80度、最大8倍の超解像ズームに対応する。
ウルトラワイドカメラは13Mピクセルのイメージセンサー(ピクセルピッチ1.12μm)で、F2.2のレンズを組み合わせる。画角は120度と広く、レンズの歪み補正にも対応する。
背面のカメラはどちらもデュアルピクセル位相差検出式オートフォーカスに対応する。前面カメラは13Mピクセルのイメージセンサー(ピクセルピッチ1.12μm)にF2.2のレンズを組み合わせる。画角は95度とワイドだが、固定フォーカスのみの対応となる。
メインカメラについては、従来の「Pixel 6a」の広角カメラが12.2Mピクセルだったため、一気に高画素化したが、上位モデルの「Pixel 7」同様、標準では4つの画素をひとつの画素として使って、より多くの光を取り込むピクセルビニング(2×2)で撮影されるため、暗いところでも明るく撮影できる。
ポートレートなども背景がきれいにボケて、人物が強調された写真を簡単に撮ることができる。ただ、逆光のシーンでは今ひとつ人物に明るさが足りない印象が残ったり、暗いところでの撮影もシーンによってはやや色味が薄くなるなど、ライバル製品との方向性の違いも垣間見える。
また、撮影後の補正や編集については、「Pixel 7」などと同じように、背後に映り込んだものを消す「消しゴムマジック」、ブレやボケを補正する「ボケ補正」など、Tensor G2のAI処理能力を活かした編集機能が用意されており、かなり楽しむことができる。
今やおなじみになった「消しゴムマジック」もGoogleフォトで写真を表示すると、「背景の人物を消去」のボタンが表示され、それをタップすれば、対象となるオブジェクトをワンタッチで消せるなど、画像編集に経験がないユーザーでも簡単に操作できる。
これらの編集機能の一部は、Google Oneを契約したアカウントのGoogleフォトでも利用できるようになったが、レスポンスや処理についてはTensor G2を搭載し、端末上での処理ができる「Pixel 7a」に一日の長がある。
Tensor G2で楽しさや便利さを加速させる「Pixel 7a」
2018年から国内市場向けの展開がスタートした「Pixel」シリーズは、Googleが提供するさまざまなサービスを快適に利用できるスマートフォンという位置付けだったが、2021年に「Pixel 6」シリーズで、Googleが独自に開発したチップセット「Tensor」を採用して以来、AIを軸にしたスマートフォンの可能性を追求する方向性を強く打ち出している。
ただ、「Pixel」シリーズが評価できるのは、「AIの性能が云々」を語るのではなく、実際にユーザーが体験できることを非常に重視している点だろう。カメラの「消しゴムマジック」や「ボケ補正」にはじまり、レコーダーのリアルタイム文字起こし、リアルタイム翻訳で楽しめるチャット、周囲の雑音を除去するクリア音声通話など、次々と新しい「便利」や「楽しさ」を生み出している。
また、こうした新機能を「Pixel 7」「Pixel 7 Pro」など、フラッグシップに位置付けられるモデルだけに搭載するのではなく、普及価格帯の「Pixel 7a」にも搭載することで、より多くのユーザーが楽しめるようにしている。
しかも昨今のコスト増が報じられる中、価格も従来の「Pixel 6a」の9000円増に抑えられ、性能的には上位モデルの「Pixel 7」と変わらないレベルに仕上げられており、かなりお買い得な一台に仕上げられている。
さらに、今回はauとソフトバンクに加え、NTTドコモも取り扱いを復活させており、幅広いユーザーが手にしやすい環境も整えられている。今のスマートフォンに物足りなさや新鮮さが感じられず、「もっとスマートフォンを便利に楽しみたい」と考えるユーザーにもオススメできる一台と言えるだろう。ぜひ、実機を手に取り、「Tensor G2」で広がる「Pixel」シリーズの世界を体験していただきたい。