レビュー

「Pixel 7a」実機レビュー! かなりコスパ良し、スペックを隅々までチェック

 Google(グーグル)のスマートフォン「Pixel 7a」が5月11日に発表され、同日よりGoogleストア直販価格では6万2700円で販売がスタートしている。今回は評価用機材を使って、「Pixel 7a」の気になるポイントをチェックしていく。

Pixel 7a

外観とディスプレイ

 大きさは約72.9×152×9mm で、重さは約193.5g。基本的なデザインは、背面上部の帯状に突出した部分にカメラユニットを配置する「Pixel 6シリーズ」を踏襲している。

手になじむサイズ感

 本体背面は指紋がつきにくいコーティングがなされており、ガラス面は傷が付きにくいCorning Gorilla Glass 3 カバーガラスが使われている。

 フレームとカメラバーは金属素材を採用し、IP67に準拠した防塵、防水性能にも対応。水気のある場所や雨天の屋外などでも安心して使える。

本体背面

 ディスプレイは6.1インチ(1080×2400ドット)の有機ELパネルを採用。ピクセル密度は429ppiで、リフレッシュレートは最大90Hzとなっており、画面の精細さはもちろんスクロールやゲームなども滑らかな表示に対応している。

画面のスクロールなどはかなりスムーズ

 本体右側面には電源ボタンと音量ボタンを配置。ただし、一般的なスマートフォンとはレイアウトが逆で、電源ボタンが上、音量ボタンが下となっている。

 指紋認証センサーはディスプレイ内蔵タイプ。さらに顔認証にも対応しているのでスムーズにロック解除が行えるようになっている。

本体右側面
本体左側面
指紋認証センサーはディスプレイ内蔵タイプ
顔認証にも対応している

「Tensor G2」搭載

 プロセッサーはGoogle独自開発で「Pixel 7/7 Pro」にも用いられている「Google Tensor G2」を搭載。上位モデルのプロセッサーを搭載しているのは、前モデル「Pixel 6a」と同じだ。

 メモリーは8GBで内蔵ストレージは128GB。Pixel 7aはmicroSDカードに非対応なため、アプリを多くインストールしたり、動画やマンガといったコンテンツをダウンロードして楽しむにはやや心許ない。そのため、クラウドサービスや外部ストレージ、パソコンとの連携で定期的なデータ管理が必要となりそう。

ストレージは128GBで、システムで約14GBが使われている

 発売時点では、Android 13を搭載し、セキュリティーアップデートは発売から最低5年間は保証されている。スマートフォンを長期間使用したいユーザーにはうれしいポイントだ。

通信関連

 モバイル通信は5GのSub 6に対応。対応バンドはn1/2/3/5/7/8/12/20/25/28/38/40/41/66/75/76/77/78/79。ミリ波には対応していないが、前モデルでは対応していなかった、ドコモが採用するn79も利用できるようになったため、ドコモ回線およびドコモ回線を使ったMVNOでも問題なく使える。

 SIMスロットは本体左側面に配置し、ピンで押し出すトレー式。前述のようにmicroSDは装着できず、nanoSIMが1枚セットできるのみ。ただしeSIMも利用できるので、物理SIMとeSIMのデュアル運用にも対応している。

SIMトレーにはnanoSIMが1枚セットできる

バッテリー

 バッテリーは4385mAhで、USB Type-Cからは最大18Wでの急速充電に対応。aシリーズとしては初めてワイヤレス充電(Qi)にも対応している。

 また、「自動調整バッテリー&スーパー バッテリー セーバー」機能で、アプリへの電源供給を細かく調整してくれるので、長時間の使用が期待できる。

Type-Cでの充電は最大18W
ワイヤレス充電にも対応

カメラ

 カメラは、背面が広角カメラ(64メガピクセル、F/1.89、80度)と、超広角カメラ(13メガピクセル、F/2.2、120度)の組み合わせ。メインの広角カメラに使用されるイメージセンサーは1/1.73インチとなっている。

背面カメラは広角と超広角のデュアル仕様
カメラ部分の厚みは実測で約9.9mm

 望遠カメラは搭載していないが、超高解像ズーム機能に対応しており、最大の8倍まで、かなりキレイに撮影できる。

 ポートレートや夜景モードを搭載しており、さらに「長時間露光」も追加。コンピュテーショナルフォトグラフィーのおかげで、夜景なども含めて十分きれいな写真が撮影可能だ。

定番の夜景モードに加え、長時間露光も搭載された

 以下はPixel 7aで撮影した作例。いずれもレンズを向けたらそのまま撮影して、明るさやピントは調節していないが、普段使いのスマートフォンカメラとしては高いレベルのクオリティー。

 メインの広角カメラは64メガピクセルだが、センサーが「Quad PD Quad Bayer」のため、書き出される写真は約16メガピクセルとなる。ちなみに「RAW+JPEG」での撮影にも対応している。

等倍(広角)で撮影(4624×3472/約3.25MB)
デジタルズーム2倍で撮影(4624×3472/約1.87MB)
デジタルズーム5倍で撮影(4624×3472/約2.55MB)
デジタルズーム最大の8倍で撮影(4624×3472/約2.37MB)
0.5倍(超広角)で撮影(4624×3472/約2.86MB)
屋内での料理撮影。やや暗めだが解像感はある
マクロフォーカスはないため、接写はこれくらいが限界
夜景モード・等倍(広角)で撮影(4624×3472/約2.29MB)
夜景モード・0.5倍(超広角)で撮影(4624×3472/約3.35MB)

 動画は4K/60fpsまで撮影できる。手ぶれ補正は4Kでの撮影時は固定、1080pでの撮影時はアクティブとなっており、手持ちで移動しながらの撮影でもかなりなめらかな映像が撮影できた。また、インカメラ(13メガピクセル、F/2.2、95度)でも4K/30FPSでの撮影ができるようになったので、イン・アウトの両カメラで4K動画を撮りたいユーザーにはうれしいポイントだ。

インカメラでの動画撮影も4K/30fpsが選べる

文字起こしも利用できる

 Googleが得意とするAIを使った各種機能も、ほかのPixelシリーズ同様、利用できる。

 特に便利なのが音声の文字起こし。ボイスレコーダーで録音した音声をリアルタイムで文字起こししたり、再生している動画や、通話相手の音声を文字で表示したりできる。

AIを使った自動文字起こし機能

 メッセージアプリでもボイスメッセージが届いた場合は、自動でテキスト化して表示してくれるので、イヤホンがなく音声を再生できない場合でも、メッセージの内容が確認できて便利だ。

ボイスメッセージが届くと、自動でテキスト化してくれる

 もちろん、写真上の不用な人物などを消去する「消しゴムマジック」やピンボケ写真を補正するといった機能も利用可能となっている。

消しゴムマジックなどももちろん使用できる

コスパはかなり高い

 スペックとしては上位モデルの「Pixel 7」とかなり似通っており、機能面でもカメラでマクロフォーカス非対応などいくつか違いはあるが、AI関連の機能はほぼほぼ「Pixel 7a」にも搭載されている。

 それでいて価格差はGoogleの直販モデルだと約2万円となっているので、Pixelシリーズを狙っているユーザーには、今回の「Pixel 7a」も従来モデルと同様、かなりコストパフォーマンスが高いモデルに仕上がっていると言える。