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携帯電話出荷数が3年ぶりの増加、機種変更施策と生成AIが影響か MM総研調査

 MM総研は、2024年(1~12月)の国内携帯電話端末出荷台数の調査結果を発表した。

 調査によると、2024年の総出荷台数は前年比2.7%増の2887.0万台となり、3年ぶりの増加となった。内訳は、スマートフォン出荷台数が2789.2万台、フィーチャーフォンが97.8万台で、スマートフォン比率は全体の96.6%となった。フィーチャーフォンは同社の出荷統計として初めて100万台を下回り、過去最少を更新した。

 総出荷台数が増えた理由として、通信事業者による機種変更施策や、AI機能の訴求による需要喚起が市場回復に繋がったと分析している。

出典:MM総研(以下同)

スマートフォン全体に占める5G対応は99.5%に拡大

 通信方式別では、5G対応のスマートフォンが2776.1台となり、スマートフォン出荷台数全体の99.5%に拡大した。

 一方、ミリ波に対応した5G端末の出荷台数は61万台と、前年より55.6%減少した。日本で発売されるiPhoneはミリ波非対応モデルであることや、Androidスマートフォンも、高価格端末の一部モデルのみがミリ波対応であることが、大きく失速した原因だとしている。

 2024年12月に行われた電気通信事業法の省令改正により、ミリ波対応端末の割引額が最大5万5000円に引き上げられたことから、今後のiPhone最新シリーズが割引額の引き上げを狙ってミリ波に対応するか注目される。

チャネル別ではオープン市場が過去最高に

 チャネル別のスマートフォン出荷台数では、携帯キャリア出荷台数が2520.4万台、オープン出荷台数が268.8万台となった。オープン市場のシェア率は9.6%で、出荷台数は暦年として過去最高を記録した。

 携帯キャリア市場の事業者別出荷台数では、NTTドコモが919.4万台(シェア 33.0%)、ソフトバンクが753.6万台(同27.0%)、KDDIが752.6万台(同27.0%)、楽天モバイルが94.9万台(同3.4%)となった。

アップルが13年連続シェア率1位

 メーカー別の総出荷台数は、2012年から2024年までの13年連続でアップルが1位となった。出荷台数は1407.4万台で、総出荷台数シェアは48.8%。スマートフォン市場全体の増加に反して、前年より台数は減少しシェアを落としたが、2年連続でシェア50%超と根強い人気を示している。

 総出荷台数シェア2位はシャープで336.7万台(シェア11.7%)、3位はグーグルで317万台(同11.0%)、4位はサムスン電子で184.2万台(同6.4%)、5位はシャオミで131.3万台(同4.5%)、6位は京セラで130.1万台(同4.5%)と続いた。

 MM総研では、今後AIスマホや折りたたみスマホなど、新しいテクノロジーを活用した端末の進化により、2025年以降も買い替え需要は堅調に推移すると予測している。さらに、 Apple Intelligenceの日本語対応がAIスマホをさらに身近なものとし、一般ユーザーへの普及が進むと推測する。