法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」

iPhone 12シリーズは買いか? どれを狙うか? それとも?

 例年に比べ、約1カ月遅れとなった10月14日(日本時間)、アップルは「iPhone 12」シリーズ4機種を発表した。

シリーズ初となる4機種展開となったiPhone 12シリーズ。左から順に「iPhone 12 Pro Max」「iPhone 12 Pro」「iPhone 12」「iPhone 12 mini」

そのうち、「iPhone 12」と「iPhone 12 Pro」を10月23日に、「iPhone 12 mini」と「iPhone 12 Pro Max」を11月13日に発売するという二段構えの発売日で展開することになった。

 これまでのiPhoneと違い、ディスプレイやカメラなどの違いにより、4モデル構成となったiPhone 12シリーズだが、どの機種を買えばいいのか、それとも買わずに少し待つのかなど、悩んでしまうユーザーも多いようだ。

 本誌ではすでに速報記事や白根雅彦氏の連載「iPhone駆込み寺」などでも詳細な情報が伝えられているが、今回は筆者から見たインプレッションをお送りしよう。

シリーズ初の4機種展開

 国内はもちろん、グローバル市場でもモバイル業界にとって、毎年9月はiPhoneの発表と発売という大きなイベントを迎える。

 今年はコロナ禍の影響もあり、各社の発表イベントや展示会、製品の発売などが異例のスケジュールで展開されたが、iPhoneも同様で、今年は発表も発売も例年とは異なるスケジュールで進行することになった。

 例年と同じように、9月に最初の発表イベントが行なわれたものの、発表されたのは「iPad Air(第4世代)」や「Apple Watch Series 6」などだけで、肝心のiPhoneは発表されなかった。

 しかし、事前に「次期iPhoneの発表は10月」というリークが多く伝えられていたため、それほど市場に影響はなかった。

 そして、10月になり、いよいよ本命の「iPhone 12」シリーズ4機種が発表された。

 ところが、冒頭でも触れたように、発売日が10月23日と11月13日という二段構えになったうえ、これまでとモデル構成が異なるため、ユーザーからは 「どれを買えばいいの?」「何が違うの?」といった声 が数多く聞かれた。

 続く11月には、Apple Siliconを搭載した「MacBook Air」や「mac mini」など、パソコンも3機種が発表された。

 この他にもオンラインサービスを統合化した「Apple One」なども提供を開始しており、3カ月連続の発表は、アップルにとって、大きな転換期を迎えたことを印象づけた。

 俗に、「GAFA」などと呼ばれるビックテック各社の中で、もっともコンシューマー(一般消費者)に近い存在であり、リアルな商品を中心に扱う企業でありながら、これだけの商品群とサービスを一気に揃えてきたのは、さすがという印象であり、次の時代へ向けたアップルの並々ならぬ意気込みを感じさせた。

 そんな一連の発表において、もっとも多くのユーザーが注目するのは、言うまでもなく、iPhone 12シリーズだ。

 あらためて説明するまでもないが、iPhoneは2007年に初代モデルが米国向けで発売され、2008年からはソフトバンクの手によって、「iPhone 3G」の国内販売がスタートし、今年でいよいよ13年目を迎える。重ねてきたモデル数も国内だけで24機種となり、国内主要3社が扱う一方、サブブランドやMVNOでも旧モデルが扱われ、国内では半数近いシェアを得るところまで成長した。

複数のiPhoneラインアップは2013年から

 今回発表されたiPhone 12シリーズは、「iPhone 12」「iPhone 12 mini」「iPhone 12 Pro」と「iPhone 12 Pro Max」の4機種展開になる。

 アップルがiPhoneを複数モデルで展開したのは、2013年の「iPhone 5s」と「iPhone 5c」に始まり、iPhone 6/6s/7の3世代では画面サイズの異なるモデルが2機種ずつ展開された。

2015年のiPhone 6sとiPhone 6s Plus

 iPhone 8シリーズが発表された2017年はホームボタンを廃した次世代モデル「iPhone X」がラインアップに加わり、3機種が同時期に販売された。

 2018年のiPhone XSシリーズ、2019年のiPhone 11シリーズでは、いずれも画面サイズなどが異なる3機種が展開され、幅広いユーザーのニーズに応えるラインアップを揃えていた。

 その一方で、今年4月にはiPhone 8の後継モデルに位置付けられる4.7インチディスプレイを搭載した「iPhone SE(第2世代)」が発表され、ホームボタンを備えたiPhoneの集大成的なモデルに位置付けられた。

 これらに対し、iPhone 12シリーズは幅広いユーザーのニーズに答えるため、4機種がラインアップされているが、従来のiPhone 11シリーズの流れを継承しつつ、新たにコンパクトな「iPhone 12 mini」が加わったラインアップになる。

 ボディはiPhone 6シリーズから続いてきた周囲をラウンドさせたデザインを一新し、かつてのiPhone 4などにも似た側面がフラットな仕上げの形状を採用してきた。

 仕様面では5G対応が注目されるが、充電にも利用できる新しいインターフェイスである「MagSafe」の採用をはじめ、カメラやディスプレイなども変更が加わり、新しい時代へ向けたiPhoneとして、生まれ変わった印象だ。

区分されたスタンダードモデルとProモデル

 今回発売されたiPhone 12シリーズを発売順で表わすと、「iPhone 12」と「iPhone 12 Pro」、「iPhone 12 mini」と「iPhone 12 Pro Max」という組み合わせだ。

 しかし、シリーズとして捉えると、スタンダードモデルの「iPhone 12」「iPhone 12 mini」、Proシリーズの「iPhone 12 Pro」と「iPhone 12 Pro Max」の2機種ずつに分けられる。

 アップル自身が明言しているわけではないが、昨今のアップルの商品ラインアップ構成にならい、従来以上にスタンダードモデルとProモデルを明確に分けてきた。

スタンダードなiPhone 12/12 mini

 スタンダードモデル(筆者がそう呼んでいるだけだが……)の2機種は、一般的なユーザーが利用するためのモデルで、インターネットからSNS、メール、エンターテインメントアプリなど、 さまざまな用途に対応できるように考えられたシリーズ だ。

 本体はアルミフレームを採用し、重量が162gと133gに抑えられたため、従来モデルに比べ、かなり持ちやすくなっている。

 ストレージは64/128/256GBの3種類で、カメラは広角と超広角のデュアルカメラが搭載される。

 従来のiPhone 11シリーズで言えば、「iPhone 11」の後継モデルになり、これを6.1インチと5.4インチというディスプレイサイズの違いとボディサイズによって、2機種に分離したと考えれば、わかりやすいだろう。

Proモデルの2機種

 これに対し、「Pro」の名が冠された2機種は、スタンダードモデルの一般的な用途に加え、撮影した写真や動画を編集するなど、 よりクリエイティブなユーザーのニーズに応えるモデル だ。

 本体は従来モデルに引き続き、ステンレスフレームを採用し、重量は相変わらずのヘビー級となっている。

 ストレージはスタンダードモデルよりも大容量の128/256/512GBの3種類で、カメラは広角と超広角に加え、望遠も組み合わせたトリプルカメラが搭載される。

 位置付けとしては、従来の「iPhone 11 Pro」と「iPhone 11 Pro Max」の後継になるが、従来モデル以上に「Pro」色が強くなっている。

 ちなみに、ここで言うところの「写真や動画の編集」は、SNSに投稿するような簡単なものではなく、Apple ProRAW(年内に提供予定)で撮影し、自分で現像したり、Dolby Visionで撮影して映像コンテンツを制作するなど、もう少し高度な機能を求めるユーザー向けという印象だ。

 こうした方向性はソニーの「Xperia 1」や「Xperia 1 II」などにも見られ、スマートフォンのカメラの新しいトレンドとして注目されるが、逆にそういったユーザーは一眼レフカメラなどを所有し、普段はPCやMacで編集作業をしていることを考えると、スマートフォンに対して、どこまでの機能を求めるのかは未知数だ。

 一般的なユーザーにProシリーズが不向きというわけではないが、当然のことながら、価格も大きく異なるため、予算との兼ね合いを考慮しながら選ぶことになる。

 ストレージやカメラの仕様は異なるものの、心臓部であるチップセットなどが共通であるため、かつてのように 「絶対にiPhone最上位モデルを買う!」と、無理に意気込む必要はなさそうだ

iPhone 12シリーズの共通仕様をチェック

 iPhone 12シリーズの各機種について説明する前に、4機種共通の仕様について、チェックしてみよう。

ボディデザインは一新

 まず、各機種ごとにディスプレイサイズが違うため、ボディの大きさは異なるが、デザインは共通で一新されている。

 従来の「iPhone 11」シリーズまでのボディ形状は、2014年発表の「iPhone 6」で採用されたものをベースにしており、側面や四つの角が丸みを帯び、手にフィットする形状となっていた。

 2017年発売の「iPhone X」では、本体前面の上下のベゼル(額縁)とディスプレイ下のホームボタンをなくし、本体前面のほとんどをディスプレイが覆うデザインが採用されたが、ボディ形状などはほぼ同じだった。

 6年ぶりの新デザインとなった今回のiPhone 12シリーズは、四つの角は丸みを持たせつつも側面をフラットに仕上げ、かつてのiPhone 4/4sを彷彿させる形状にデザインされている。

本体側面の処理が大きく変更され、iPhone 6シリーズから続く丸みを帯びた形状から、フラットな形状に変更された。ちなみに、SIMトレイの位置も異なる

 ただし、iPhone 4/4sのようなソリッドな仕上がりではなく、側面部分を各ボディカラーに合わせた色合いに仕上げ、 「iPhone 12」と「iPhone 12 mini」はマットに、「iPhone 12 Pro」と「iPhone 12 Pro Max」は光沢感のある仕上げ となっている。

 なかでも「iPhone 12 Pro」と「iPhone 12 Pro Max」のゴールドの側面は、かなり高級感のある光沢で、カバー類を付けて、見えなくなってしまうのが残念なくらいの仕上がりだ。

背面に光沢ガラスを採用した「iPhone 12」(右から2つめ)と「iPhone 12 mini」(右)に対し、つや消し仕上げのガラスを採用した「iPhone 12 Pro」(左から2つめ)と「iPhone 12 Pro Max」(左)。側面の仕上げは対称的になっている。

 背面はいずれもガラス仕上げとなっているが、「iPhone 12」と「iPhone 12 mini」が光沢仕上げであるのに対し、「iPhone 12 Pro」と「iPhone 12 Pro Max」はすりガラスのようなマット仕上げとなっている。 側面の光沢とつや消し(マット)の仕上げと対称的にデザインされている わけだ。

カメラが影響する「厚み」

 ちなみに、背面にはカメラが搭載されているが、カメラモジュールの違いから背面側への突起が異なり、実質的なボディの厚みも違う。

 カタログスペックではいずれも厚さが7.4mmと表記されているが、この値はカメラの突起を反映していない値だ。

 カメラモジュールの突起を含めた値は、「iPhone 12」と「iPhone 12 mini」が約1.5mm増の約8.9mm、「iPhone 12 Pro」と「iPhone 12 Pro Max」が約2.8mm増の約10.2mmとなっている。

「iPhone 11 Pro Max」(左)に比べ、「iPhone 12 Pro Max」(右)はカメラ部の突起がさらに大きくなっている

 アップルは純正のアクセサリーとして、背面に装着するカバーを販売しているが、いずれもカメラモジュールの突起をカバーする形状になっているため、その分、 少し厚めのサイズになる ことを覚えておきたい。

スマートフォンでもっとも速いA14 Bionicを搭載

 チップセットは4機種共通で、5nmプロセスルールで製造されたA14 Bionicチップを搭載する。

 これまでのiPhoneに搭載されてきたAシリーズのチップセットは、「従来に比べ、○○%高速化」といった表現が強調されてきたが、今回は「他の高速なCPUよりも50%速い」「スマートフォンでもっとも速い」といった表現が使われており、Androidプラットフォームで採用される Snapdragon 865などよりも高速であることを暗にアピール しているようだ。

 A14 Bionicチップに組み込まれるニューラルエンジンは、従来よりも2倍速い16コアで構成され、毎秒11兆回の機械学習を可能にすることで、機械学習を利用するアプリの性能を大幅に向上させるとしている。

 なかでもゲームなどには効果があるとされ、昨今、盛り上がりを見せているeスポーツでの利用拡大が期待される。

FaceIDをサポート

 生体認証は従来に引き続き、FaceIDを採用する。

 2017年に発売された「iPhone X」以降、Face IDを主力としてきたが、昨今のコロナ禍の環境においては、マスクの装着が前提となるため、Face IDでは画面ロックを解除できない。

 直近のアップデートではマスクを認識したとき、パスコードやパスワードの入力画面をすぐに表示するようにしたが、他のプラットフォームで採用例が増えているディスプレイ内指紋認証が採用されることもなく、頑なにFace IDを貫いた格好となっている。

 もっともコロナ禍でマスク装着率が増えたのは今年に入ってからであり、生産台数が多いiPhoneでは、生体認証の変更が間に合わなかったというのが実情だろう。

 ちなみに、10月に販売が開始されたiPad Air(第4世代)では、上部の電源ボタンに内蔵した指紋センサーによるTouch IDを搭載しており、この技術を次期モデルなどで搭載してくることも考えられる。

 とは言え、他のプラットフォームでは3万円台の普及価格帯の機種でもディスプレイ内指紋認証を搭載している実情を踏まえると、全機種が8万円以上の価格を設定しているiPhone 12シリーズが搭載していないのは、いささか残念な印象を否めない。

5Gに対応したiPhone 12シリーズ

 次に、今回の4機種はいずれもiPhoneとして初の5G対応モデルとなっている。アップルが元々、米インテル製のモデムチップ搭載を検討していながら、インテルの開発撤退により、昨年、米クアルコムとの契約に方針転換したことは、本コラムでもお伝えした。

 その後、アップルはインテルのモデム事業を買収し、今回のiPhone 12シリーズに搭載されたA14 Bionicチップを5G対応としてきたが、ハードウェアとソフトウェアを自社で構成し、アンテナなども自ら設計することにより、現時点でもっとも多くのバンドに対応した5G対応端末に仕上げている。こうした取り組みをした背景には、iPhoneが1つのハードウェア(限られたモデル)をより多くの国と地域で販売することも関係している。

ミリ波対応はどう捉えるべきか

 iPhone 12シリーズの5G対応については、米国向けモデルのみがSub 6とミリ波対応で、日本で販売されるモデルはSub 6のみに対応する。

 この点について、SNSなどでは否定的な意見も散見されるが、ミリ波については非常に高い周波数帯域であり、電波も遠くまで飛ばないことから、どちらかと言えば、スタジアムのような限られた空間での利用が想定されている。

 しかも国内ではauが8月、NTTドコモと楽天が9月からサービスの提供を開始したものの、ただですら少ない5G対応エリア(スポット)の中で、ピンポイントのように利用できる場所が存在する程度に過ぎない。

 今後、ミリ波対応の基地局も順次、設置していくだろうが、ミリ波に対応していなくても十分に5Gを利用できるメリットはあり、ミリ波対応のiPhoneが国内で販売されるのを待つというのは、あまり現実的ではないのかもしれない。

iPhoneで楽しめる5Gの体験とは

 では、iPhoneで利用できる5Gのメリットは何かというと、 当面は料金プランのアドバンテージと5Gスポットでの通信速度 などに限られる。

 料金プランについては、すでにauがデータMAX 5Gでデータ通信の使い放題を実現し、NTTドコモも5Gギガホのキャンペーンという形で、同様に使い放題を可能にしている。ソフトバンクは使い放題ではないものの、動画SNS放題を可能にしながら、最大50GBまで利用することができる。

 これらに魅力を感じるのであれば、5G対応iPhoneに移行するメリットはあるだろう。

 ちなみに、これらの内、auについてはユーザーの契約情報を参照し、使い放題の契約ユーザー(データMAX 5Gなど)に対しては、FaceTime HDやTELASAなどを高画質での伝送に切り替える仕組みを導入している。これも5Gならではのメリットと言え、注目に値する。

 通信速度についてはまだエリアが「スポット」のレベルであるため、あまり恩恵を受ける機会も少ないが、都市によってはターミナル駅などが5G対応エリアになっていることもあり、乗り換えの待ち時間中にコンテンツをダウンロードし、移動中にじっくりと楽しむという使い方もできる。

 あるいはWi-Fiスポットなどに接続せず、より安全に通信を行なうという使い方も可能だ。ただし、現状の4Gサービスでも各社のネットワークは十分に高速であり、5Gのためだけに移行するほどのアドバンテージがあるかというと、やや疑問が残る。

 今後、auとソフトバンクは「DSS(Dynamic Spectrum Sharing)」の導入などにより、既存の4G対応周波数帯域でも5Gの信号を混ぜる形でエリアを拡げて行く構えだが、その状況を見ながら、iPhone 12シリーズへの移行を検討するのも悪くない考え方だろう。

気をつけたいSIMフリー版の扱い

 ところで、これまでiPhoneの最新モデルは、NTTドコモ、au、ソフトバンクで販売されるほか、SIMフリー版がアップルの各ストアとオンラインストアで購入できた。

 しかし今回はこれらに加え、家電量販店のヨドバシカメラやビックカメラ、エディオンの店頭とオンラインショップでSIMフリー版を購入できるようになった。

 ひと昔前からは考えられないほど、買いやすくなった印象だが、 SIMフリー版を購入する場合は、気をつけたいことがある。それは5G契約への切り替えだ

SIMカードトレイは従来の右側面から左側面へ移動。nanoSIMカードが1枚、装着できるほか、eSIMにも対応する

 iPhone 12シリーズ発表直後、ネット上で話題になっていたこともあり、本誌でもニュース記事で取り上げ、筆者も関連記事の中で少し触れたが、SIMフリー版のiPhone 12を購入した場合、5G対応料金プランを変更する手続きが必要になる。ところが、これが意外に面倒なのだ。

auでの手続き

 まず、当初はアップルのページ内で「auでは新しいSIMカードが必要です」と記載されていて、ネット上で騒ぎになったが、auが直後の会見で「iPhone 12のSIM切り替えは電話で対応可能に」と表明し、SIMカードの交換も基本的には不要となった。

 この「基本的」という表現は、 サイズが違うSIMカードや古いSIMカードなどでは交換が必要になるケースがあるため のもので、通常は必要ないとされている。ちなみに、電話での手続きについては本誌の「みんなのケータイ」で佐野正弘氏が実体験を伝えているので、そちらも合わせて、参照していただきたい。

 これに対し、NTTドコモとソフトバンクは、SIMカードの交換こそ、基本的には不要であるものの、5Gへの料金プランへの切り替えはそれぞれのキャリアショップに出向く必要がある。

 しかも昨今はコロナ対策もあり、各店舗は来店予約を強く推奨しているため、SIMフリー版を購入して、その足でキャリアショップに立ち寄って、手続きするといったことはできない。

ドコモでの手続き

 筆者も実際に来店予約をして、手続きをしてみたが、NTTドコモは購入した端末を見せる必要もなければ、SIMカードを確認することもなく、書面のみで簡単に手続きが完了した。

 かかった時間は長く見積もっても15分くらいだろうか。

ソフトバンクでの手続き

 一方、ソフトバンクも同じように来店予約をして、手続きをしてみたが、こちらは予想以上に手間がかかった。

 ソフトバンクショップのスタッフによれば、端末の固有番号である「IMEI」をシステムに登録するとのことで、持参したSIMフリー版の「iPhone 12」のIMEI番号を入力しようとしたところ、どうやら未開封でアクティベーションしていないiPhoneのIMEI番号は登録できないようで、結局、他のiPhoneのIMEI番号を登録する形となった。

 この手続きが正しい対応なのかどうかはわからないが、一連の作業のために、1時間以上を要した。しかも契約事務手数料として、3000円が請求される。

 これらのことからもわかるように、アップルストアやヨドバシカメラなどでSIMフリー版を購入した場合、NTTドコモ、au、ソフトバンクの5G対応の料金プランに切り替えるため、一定の手間が掛かることは覚えておきたい。

 同時に、NTTドコモとソフトバンクは、ユーザーにこうした切り替えの手間を強いるのではなく、せめてauのように、電話で対応するか、さもなくば、My docomoなどでオンライン手続きができるように、手続きのしくみを見直していただきたい。

 さらに付け加えるなら、 こういった部分こそ、総務省はいち早く改善するように指導するべき なのだが、今の指導ぶりでは、いったい何年先になることやら……。

セラミックシールドの採用で画面割れ対策を強化

 ボディ周りではデザインが一新されたが、ディスプレイの前面には新たに「セラミックシールド」と呼ばれる素材を採用し、万が一、端末を落としても無傷である確率が4倍に向上させているという。

 セラミックシールドはナノセラミックの結晶を使い、高温結晶化ステップという製造プロセスを経ることで、従来のガラスよりも強度を高めているそうだ。

 街中でもiPhoneを使う人をよく見かけるが、画面の割れたまま使っている人を見かけることも非常に多い。

 アップルはこれまでのモデルでも「スマートフォンでもっとも頑丈なガラスを採用」などとアピールしてきたが、その一方で「スマートフォンでもっともガラスが割れている機種」と呼びたくなるほどの割れっぷりだった。今回のセラミックシールドで強化されたことで、どの程度、この状況が改善されるのかが注目される。

ノッチ周辺のデザインは継続

 また、ディスプレイ周りでは期待されていたノッチの見直しはなく、相変わらずの巨大なノッチを備えるディスプレイとなった。

 アップルがこのノッチを「デザインである」というなら受け入れるしかない。

 しかし、他のスマートフォンを見ると、ノッチの形状も半円から水滴型になり、パンチホールを搭載する機種も増え、ついにはディスプレイ内にカメラを内蔵した機種まで登場している。

 iPhoneの場合、Face IDの動作にインカメラ以外のセンサー類が必要になるため、どうしてもこの部分が大きくなるのはしかたないが、お世辞にもカッコいいデザインとは言えず、そろそろ見直しを期待したいところだ。

ディスプレイの上部には従来のiPhone 11シリーズ同様、ノッチを備える。Face IDに利用するセンサーや前面カメラが内蔵されている

 同じくボディに関連するところでは、従来モデルに引き続き、IP68等級の防水防塵性能を実現している。

 ただし、従来モデルと同じというわけではなく、iPhone 11シリーズで「最大水深2メートルで最大30分」としていた水没の条件は、iPhone 12シリーズで「最大水深6メートルで最大30分」に進化しており、より高い水圧がかかる水深に沈んだ後でも動作できるようにしている。

 ただし、実際に水に濡れたときは、乾いた布などで、水分を拭き取ってから利用することをおすすめしたい。

充電器やアクセサリーを磁力で付けるMagSafe

 さらに、ハードウェアに関連する部分で、新たに共通仕様として搭載されたのが充電システムの「MagSafe」だ。

端末の背面に丸いMagSafe充電器(左)を近づけると、マグネットで付く

 iPhoneは従来モデルもQi対応のワイヤレス充電に対応していたが、背面の充電器に当たる部分がずれてしまい、正しく充電ができないことがあった。

 そこでiPhone 12シリーズでは本体背面とMagSafe充電器に磁石を内蔵し、双方を磁力で付けることで、確実に充電しようというしくみだ。

 MagSafe充電器による充電は最大15Wに対応するが、接続するACアダプターの仕様によっては、低くなるケースもある。

本体背面の中央にマグネットがあり、適切な位置に付くため、ワイヤレス充電での失敗が少ない

 MagSafeという名称は、かつてMacBook Proなどの充電コネクタにも使われていたもので、その名称がiPhoneで復活したことになる。

 iPhone 12シリーズ用のケースを背面に装着した状態でもMagSafe充電器が付けられ、充電器以外にも「MagSafe対応iPhoneレザーウォレット」のような新しいアクセサリーも発売されている。

 新しいスタイルのアクセサリーが増えることは面白そうだが、気になるのはマグネット(磁石)というしくみだろう。

 iPhone 12シリーズの背面とMagSafe充電器のマグネットは、クリップやSIMカード取り出しピンなどの小さな金属パーツをひきつけるだけの磁力を持っており、他の磁気を利用した製品などに影響を与える可能性が十分にある。

 クレジットカードやキャッシュカードの磁気ストライプは、比較的、磁力が強いため、消えてしまうようなことはなさそうだが、乗車券や駐車券などの磁気記録紙をはじめ、さまざまなものに磁気記録は使われており、低抗磁気のカード類などは影響を受ける可能性が十分に考えられる。

 iPhoneに手帳タイプのケースを装着し、ケース内にポイントカードなどを入れるユーザーを見かけるが、iPhone 12シリーズの場合はシールド効果を持つケースを検討するなど、しばらくはMagSafeの影響をじっくりと見極めながら、使うことをおすすめしたい。

 個人的には、充電に関して言えば、MagSafe充電器を利用するよりも数多く販売されているQi対応のスタンド式充電器の方が有用だと考えている。

本体にも磁石が内蔵されているため、磁気記録紙などを近づけないように注意したい

ACアダプターは同梱されず

 さて、今回発売された4機種は従来モデルと比較して、端末そのもの以外でも共通仕様として、大きく変更された部分もある。

 たとえば、同梱品の見直しが挙げられる。

 iPhoneは歴代モデルでACアダプターとヘッドフォン(EarPods)が同梱されてきたが、アップルによれば、すでに20億個以上のACアダプターと7億本以上のLightningヘッドフォンが出荷され、AirPodsなどのワイヤレスイヤホンなども普及しはじめたことから、前回のiPhone 11シリーズではイヤホンの同梱をやめ、今回のiPhone 12シリーズではACアダプターの同梱もやめている。これらの省略に伴い、パッケージもスリムになり、輸送コストの削減に結び付くとしている。

 確かに、環境保護の観点などからは評価できるが、ユーザーが負担する購入価格は高くなっており、実際の価格以上に端末価格が値上げされたという見方もできる。

 しかも同梱されるUSBケーブルはLightning - USB Type-Cケーブルであるため、別途、充電器を購入するときは、USB Type-C端子を備えた充電器を選ぶ必要がある。

 ANKERなどの周辺機器メーカーがコンパクトなUSB Type-C端子を備えたACアダプターを出荷しているが、まだ複数のUSB Type-Cポートを備えた製品はそれほど多くないため、少し注意が必要だ。

 ちなみに、充電については20WのACアダプターの利用が可能で、「iPhone 12」「iPhone 12 mini」「iPhone 12 Pro」は30分の充電で最大50%、「iPhone 12 Pro Max」は35分の充電で最大50%まで充電できるとしている。

各機種の特徴をチェック

 2機種ずつのスタンダードモデルとProモデルに区別されるiPhone 12シリーズだが、それぞれの機種の項目別の特徴について、チェックしてみよう。

スタンダードな「iPhone 12」

 まず、もっともスタンダードなモデルに位置付けられるのが「iPhone 12」だ。従来のiPhone 11の後継機種に相当するが、iPhone 12シリーズ各機種とiPhone 11シリーズ各機種の違いでは、実はもっとも差分が多い一台と言えるかもしれない。

アップル「iPhone 12」、約146.7mm(高さ)×71.5mm(幅)×7.4mm(厚さ)、約162g(重量)、グリーン(写真)、ブルー、PRODUCT RED、ホワイト、ブラックをラインアップ

 ボディのフレームは素材として、アルミを採用しているが、ボディの幅と高さが4mm前後、小さくなり、内部の構造が見直されたことで、重量が194gから162gへ、約15%程度の軽量化に成功している。

 実際に手にしたときも 「お、軽くなったな」 と実感させるほどの仕上がりだ。

 筆者は従来からiPhoneの重量増に「使い勝手を損なうレベル」と評してきたが、「iPhone 12」ではようやくライバル機種と比較しても遜色ないレベルに仕上げてきた印象だ。

「iPhone 11」(左)と「iPhone 12」(右)を並べてみると、ディスプレイ周りの額縁が狭くなり、仕上がりが大きく変わったことがよくわかる

 本体の軽量化はiPhone 12シリーズで向上したとされる耐落下性能にも大きく寄与する。

 前述のように、ディスプレイのセラミックシールドと呼ばれる素材が備えられているため、落下時でも無傷である確率が4倍に向上しているが、「iPhone 12」は重量が30g以上、軽くなったことで、破損するリスクはより低くなりそうだ。

 ただし、セラミックシールドは前面のみの採用で、背面はこれまで通りのガラス仕上げなので、割れたり、ヒビが入ってしまうリスクはある。耐落下性能をあまり過信せず、ケースを装着するなどの対処を考えたい。

背面のデザインは従来のiPhone 11のものを継承
外部接続端子は従来通り、Lightning端子を採用
左側面には分割式音量キー、着信/サイレントスイッチ、SIMカードトレイを備える
右側面は電源キーのみとなった

 ボディカラーはブルー、グリーン、PRODUCT RED、ホワイト、ブラックの5色展開で、側面のフレーム部分はそれぞれのボディカラーに合わせ、つや消しで仕上げられている。

 iPhone 11にあったパープルやイエローといった華やかなカラーはなくなってしまい、逆に、PRODUCT REDが朱色のような色合いになったり、新色のブルーも光沢のガラスとも相まって、やや微妙なバランスに仕上がった印象もある。

 ゴールドやシルバー、スペースグレイなどのカラーが採用されていたiPhone 8シリーズよりも前の世代のユーザーは、少し戸惑うかもしれない。購入時には一度、実機のカラーを確認することをおすすめしたい。

背面は光沢仕上げで、カメラモジュールの周りだけ、つや消し仕上げ

 ディスプレイは6.1インチのSuper Retina XDRディスプレイを採用する。

 iPhone 11と同じサイズだが、パネルはIPS液晶からOLED(有機EL)に変更され、解像度も1792×828ドット表示から2532×1170ドット表示になった。

 ドット数で表現すると、今ひとつピンと来ないかもしれないが、iPhone 11まではフルHD未満の解像度だったのに対し、「iPhone 12」はフルHD+を超え、QHDに近い解像度となっている。

 利用するアプリにもよるが、他のスマートフォンではフルHD+以上が当たり前となっていることを考慮すれば、当然の進化だろう。

 バッテリー容量は非開示となっており、従来のiPhone 11と比べて、ビデオ再生やオーディオ再生の時間が同程度、ビデオ再生のストリーミングが10%増となっている。

 海外の分解サイトなどの情報によれば、実際のバッテリー容量は2815mAhで、iPhone 11の3110mAhに比べ、10%程度も少なくなっている。

 それでもiPhone 11と同等以上のバッテリー駆動時間を実現しているのは、省電力制御などが進化したと言えそうだ。

iPhone 12のカメラ

 「iPhone 12」は背面に2つ、前面に1つのカメラを搭載する。

 背面の2眼カメラの内、上側の1200万画素/F2.4の超広角カメラは、5枚構成のレンズで、焦点距離は35mm換算で13mm相当、120度の視野角で撮影できる。

 下側の1200万画素/F1.6の広角カメラは、7枚構成のレンズで、焦点距離は35mm換算で26mm相当になる。

 iPhoneのカメラは従来モデルでも一定のクオリティを保っていたものの、カメラの進化としてはファーウェイやサムスン、OPPO、シャオミなどのハイエンドモデルの開発競争が激しく、iPhoneはやや取り残された感があった。特に、暗所での撮影は厳しい評価が多かったが、今回の「iPhone 12」は広角カメラのレンズが明るくなったことで、光を取り込める量が増え、画像処理も改善されたことで、幅広いシーンで撮影しやすくなった印象だ。

背面のカメラは「iPhone 11」(左)と「iPhone 12」(右)で、ほぼ共通のレイアウ
「iPhone 12」で撮影。2枚の写真を見比べると、うまく切り抜き、背景をぼかしていることがわかる。モデル:るびぃ(ボンボンファミンプロダクション)

 なかでも従来のiPhone 11からサポートされていたナイトモードは、「iPhone 12」では周囲の明るさによって、ナイトモードを起動しない状態でも明るく撮影できることが増えた。

 超広角カメラについてはiPhone 11で使えなかったナイトモードが「iPhone 12」では使えるため、ワイドな夜景を撮りやすくなっている。

 今年はコロナ禍の影響もあり、ライトアップなどの夜景は例年より少ないかもしれないが、ぜひ広角カメラだけでなく、超広角カメラでも夜景を撮ってみることをおすすめしたい。

「iPhone 12」でホテルのガラス越しに夜景を撮影

動画

 動画についてはDolby Vision形式のHDR動画(最大30fps)に対応し、最大4K/60fpsの動画を撮影できる。

 動画の撮影モードの切り替えはファインダーの右上(縦画面の場合)に表示される文字列をタップして、順に切り替えるか、設定アプリ内の[カメラ]で変更する必要があり、やや説明不足な印象が残った。

 アップルが強化ポイントとして挙げているDolby Vision形式の動画は確かにきれいだが、他機種とやり取りする場合、同じiPhone 12シリーズにAirDropで転送すれば、劣化しないものの、iPhone 11シリーズなどに転送したり、SNSなどに投稿すると、データが変換されてしまい、本来のクオリティで楽しむことができない。

 これはiPhoneに限ったことではないが、スマートフォンで動画撮影のスペックを向上させても端末のディスプレイはフルHDクラスが中心であり、高解像度にすれば、データ量も増えてしまい、端末のストレージも圧迫するため、どこまで必要なのかは判断が難しいところだ。

 前面カメラについては1200万画素のイメージセンサーに、F2.2のレンズを組み合わせており、基本的にはiPhone 11の仕様を継承しているが、背面カメラ同様、Dolby Vision形式の動画撮影に対応するほか、静止画でナイトモードが利用できるようになっており、夜景をバックにした撮影なども楽しめる。

コンパクトなボディが新鮮な「iPhone 12 mini」

 iPhone 12シリーズの4機種の中で、おそらく日本のユーザーに幅広く受け入れられそうなのが「iPhone 12 mini」だ。

アップル「iPhone 12 mini」、約131.5mm(高さ)×64.2mm(幅)×7.4mm(厚さ)、約133g(重量)、PRODUCT RED(写真)、ブルー、グリーン、ホワイト、ブラックをラインアップ

 iPhoneはモデルを重ねるごとに、ディスプレイサイズとボディサイズが大きくなってきたが、現時点でもっともコンパクトなモデルとしては、今年4月に発表された「iPhone SE(第2世代)」が販売されている。

 今回、ラインアップに加わった「iPhone 12 mini」は、「iPhone SE(第2世代)」よりもひと回り小さいボディに仕上げられており、コンパクトなiPhoneを求めるユーザーにはうれしい一台となっている。

「iPhone SE(第2世代)」(左)よりもコンパクトなボディを実現した「iPhone 12 mini」(右)。上下の額縁も狭いため、画面サイズの差は歴然

 ただ、半年前にiPhone SE(第2世代)を購入したユーザーにとっては、ちょっと複雑な気分かもしれない。ホームボタンや販売価格の差があるとは言え、さらにコンパクトなボディで、最新の5Gにも対応し、iPhone 12とまったく同等のスペックなのだから、「悔しい」と感じてしまう人もいるかもしれない。

「iPhone SE(第2世代)」(左)のシングルカメラに対し、「iPhone 12 mini」(右)は2眼カメラを搭載。カメラ性能の差もかなり大きい

 ボディは「iPhone 12」同様、アルミニウムのフレームを採用し、ボディサイズがひと回り小さいことから、重量もさらに軽い133gに抑えられている。

 画面サイズやプラットフォームをはじめ、製品のクラスが違うため、一概に比較できないが、国内では軽さと高性能で評価を得たシャープの「AQUOS zero」の146g、「AQUOS zero2」の141gよりもさらに軽く仕上げているわけだ。

背面のデザインは「iPhone 12」のものをそのまま小さくした印象

 ボディ周りの仕様もiPhone 12と共通で、前面にセラミックシールド、背面はガラスが採用され、側面のフレーム部分はボディカラーに合わせたつや消し仕上げとなっている。

外部接続端子はLightning端子を採用

 ボディカラーはブルー、グリーン、PRODUCT RED、ホワイト、ブラックの5色展開で、こちらもカラーごとの仕上がりには賛否両論があるようなので、できるだけ実機で色合いを確認したうえで、購入することをおすすめしたい。

左側面には分割式音量キー、着信/サイレントスイッチ、SIMカードトレイを備える
右側面は電源キーのみを備える

 ディスプレイは5.4インチのSuper Retina XDRディスプレイを採用する。パネルはOLED(有機EL)で、解像度はフルHD+2340×1080ドット表示が可能となっている。

 一部ではやや文字が小さいという指摘もあるようだが、iOSには設定アプリ内の[画面表示と明るさ]で、[テキストサイズを変更]で文字サイズを大きくしたり、[表示]を[拡大]に切り替えることもできるため、多くのユーザーは設定変更で対処できるはずだ。

iPhone 12 miniのバッテリー

 バッテリー容量は同じ非開示だが、iPhone 12よりもボディが小さいこともあり、2227mAhのものが搭載されている。iPhone 12 miniよりもひと回り小さいiPhone SE(第2世代)が1821mAhであることを考えると、20%以上、大容量のバッテリーを搭載したことになる。

 アップルが公開している仕様では、iPhone 12に比べ、ビデオ再生やオーディオ再生が10~20%程度、短くなっている点を考えると、 iPhone SE(第2世代)よりは長持ちだが、iPhone 12ほどは持たない というわけだ。

 実使用時間はまだ短いため、明確な判断は下しにくいが、今回試用した範囲ではメールやネット、SNSなどの一般的な用途であれば、十分なバッテリーライフが確保されているという印象だ。

iPhone 12 miniのカメラ

 カメラについては背面、前面共に、iPhone 12と共通仕様で、ポートレートやDolby Visionによる動画撮影などの機能も同じように利用できる。写真と動画に対応した光学手ぶれ補正も同じように利用できる。

コンパクトなボディながら、「iPhone 12」とまったく同じ仕様のカメラを搭載

 カメラモジュールは同じものが搭載されているが、背面のカメラ部のガラスが盛り上がった部分は、デザイン的なことを考慮してか、「iPhone 12」よりも「iPhone 12 mini」の方がわずかに小さくなっている。

背景がボケることで、人物が浮かび上がる写真が撮影できる。撮影後に編集も可能
夜景を超広角で撮影。十分な明るさで撮影できている

 ちなみに、「iPhone 12 mini」と「iPhone 12」はカメラ部の盛り上がった部分が光沢仕上げの背面と対称的に、つや消し仕上げになっている。

 逆に、「iPhone 12 Pro」と「iPhone 12 Pro Max」はつや消し仕上げの背面と対称的に、光沢仕上げになっている。

 筆者はカメラの専門家ではないが、被写体に近付いて、接写などをするとき、カメラ部周囲はつや消しの方が光の反射を抑えられるはずだ。その意味から考えると、「iPhone 12 mini」と「iPhone 12」の方が適しているという見方もできる。

 もっともiPhone 12シリーズはマクロ撮影のモードを搭載していないため、あまり接写をするケースはなさそうだが、スマートフォンで撮影するシチュエーションはかなり多彩なため、少し気をつけた方がいいかもしれない。

クリエイティブなユーザーを意識した「iPhone 12 Pro」

 10月に、「iPhone 12」と同時に発売されたのが「iPhone 12 Pro」だ。その名の通り、「iPhone 11 Pro」の後継モデルだが、ボディやディスプレイのサイズもまったく新しいモデルとして、設計されている。

アップル「iPhone 12 Pro」、約146.7.5mm(高さ)×71.5mm(幅)×7.4mm(厚さ)、約187g(重量)、パシフィックブルー(写真)、ゴールド、グラファイト、シルバーをラインアップ

 ステンレスを採用したボディは、前述の通り、iPhone 4/4sのデザインを彷彿させるデザインを採用する。

 四つの角はラウンドさせているが、側面はいずれも背面及び前面に対して、ほぼ垂直に立った形状で、それぞれのボディカラーに合わせた高級感のある光沢仕上げとなっている。

 サイズは「iPhone 12」とまったく同じで、背面に装着するカバーなどのアクセサリー類は、共通のものが利用できる。

 ただ、重量は「iPhone 11 Pro」の188gから1g減に留まっており、「iPhone 12」と比較すると、25gも重い。体積との関係もあるのか、手にしたときのずっしり感は、「iPhone 11 Pro」と変わらない。

 ボディの前面はセラミックシールド、背面にはガラスを採用しているが、「iPhone 12」や「iPhone 12 mini」と違い、背面のガラスはつや消しのマット仕上げとなっている。

 人によって、好みはあるだろうが、背面については「iPhone 12」や「iPhone 12 mini」の光沢仕上げよりも「iPhone 12 Pro」や「iPhone 12 Pro Max」のつや消し仕上げの方が落ち着きがあり、ボディカラーも映えて、高級感があるように見受けられる。

背面はつや消し仕上げで、側面部分は光沢仕上げを採用。3眼カメラを搭載
外部接続端子はLightning端子を採用
左側面には分割式音量キー、着信/サイレントスイッチ、SIMカードトレイを備える
右側面は電源キーのみを備える

 ボディカラーはパシフィックブルー、ゴールド、グラファイト、シルバーの4色展開で、冒頭でも触れたように、ゴールドの側面は貴金属のような華やかさを感じさせる光沢仕上げとなっている。

iPhone 12 Proのディスプレイ

 ディスプレイは「iPhone 12」と同じSuperRetina XDRディスプレイを採用する。

 パネルはOLED(有機EL)で、解像度も「iPhone 12」と同じ2532×1170ドット表示に対応する。「iPhone 11 Pro」と比較して、対角サイズは0.3インチ大きくなり、解像度もわずかに高くなっているが、見た目はほとんど変わらず、多くのユーザーがストレスなく利用できそうだ。

「iPhone 12」(左)と「iPhone 12 Pro」(右)は同じサイズのディスプレイを採用

バッテリー

 バッテリーは非公開だが、「iPhone 12」と同じ2815mAhのものが搭載されているという。iPhone 12シリーズは4モデル展開に拡大したが、こうした共通パーツをうまく利用することで、効率性を高めているわけだ。

 ビデオ再生やオーディオ再生の時間も「iPhone 12」とまったく同じ表記となっており、実使用でもほとんど差がわからない程度だった。

カメラ

 カメラについては背面に3眼カメラを搭載するが、前面カメラは「iPhone 12」と共通の1200万画素/F2.2のものを搭載する。

 背面の3眼カメラの内、「iPhone 12」「iPhone 12 mini」と同じ1200万画素/F2.4の超広角カメラ(13mm相当)、1200万画素/F1.6の広角カメラ(26mm相当)が搭載されている。

 もうひとつのカメラが1200万画素/F2.0の望遠カメラだ。6枚構成のレンズで、焦点距離は35mm換算で52mm相当になる。

 つまり、広角カメラを基準として、超広角カメラが0.5倍、望遠カメラが2倍という構成になる。[カメラ]アプリの表示も[0.5x][1x][2x]と切り替わるので、わかりやすい。

背面を見ると、カメラの数の違いで、「iPhone 12」(左)と「iPhone 12 Pro」(右)は見分けられる

 また、「iPhone 12 Pro」のカメラ部には「LiDAR(ライダー)スキャナー」と呼ばれるセンサーが搭載される。

 「LiDAR」は「Light Detection and Ranging」の略で、簡単に言ってしまえば、光を使い、数m内にある対象物の距離をすばやく測定できるセンサーということになる。

 今年3月に発表された「iPad Pro(第4世代)」にも搭載されていたセンサーで、LiDARスキャナー対応アプリとカメラを組み合わせることで、空間を立体的にスキャンして、現実空間に合わせたARなどを描いたり、3Dモデリングをすることができる。アップルとしては自らのアプリなどで、具体的な活用事例をまだ提案していないが、今後の展開が期待できるデバイスと言えそうだ。

 カメラを撮影した印象だが、広角と超広角については「iPhone 12」や「iPhone 12 mini」と同様で、従来モデルに比べると、明るく撮れるようになり、ポートレートでの背景のボケもうまく演出できている。

 判断が難しいのが望遠カメラで、広角カメラに対して2倍のズームなので、今ひとつメリットを感じさせるシーンが少ない。

 たとえば、少し離れたところに置いてあるクルマなどを撮るのであれば、被写体に一歩、近付いた方が広角カメラで明るく撮影できるからだ。夜景などの撮影では光学手ぶれ補正などが効き、LiDARスキャナーによる高速AFですばやく被写体を捉え、奥行き感のある写真や動画を撮ることができる。

 動画についてはDolby Vision形式での撮影ができ、iPhone内で動画を編集する環境も整っているため、クリエイティブなユーザーには打ってつけの端末と言えそうだ。

夕暮れ時に超広角で撮影。バランス良く撮れている
同じ場所で広角に切り替えて撮影
同じ場所で望遠に切り替えて撮影。広角カメラに対して、約2倍で撮影できている
ポートレートで撮影。効果が付けられた写真は背景の明かりがうまくにじんで、自然に撮影できている

 ただ、気になるのは価格で、「iPhone 12 Pro」はいずれの容量のモデルも10万円以上の価格が設定されており、昨年の改正電気通信事業法で端末購入補助が制限されている状態では、値引きもほとんど期待できそうにない。

 後述する「iPhone 12 Pro Max」との価格差はストレージの容量の違いで、約1万1000円程度のため、ボディの大きさと重量が気にならないのであれば、より高性能な「iPhone 12 Pro Max」を目指してみるのも意外にいい選択と言えるかもしれない。

望遠カメラも強化された「iPhone 12 Pro Max」

 今回発表されたiPhone 12シリーズの中で、最高スペックを実現しているのが「iPhone 12 Pro Max」だ。

アップル「iPhone 12 Pro Max」、約160.8mm(高さ)×78.1mm(幅)×7.4mm(厚さ)、約226g(重量)、グラファイト(写真)、パシフィックブルー、ゴールド、シルバーをラインアップ

 従来の「iPhone 11 Pro Max」の後継モデルに位置付けられ、「Pro」のネーミングに加え、大画面を表わす「Max」の名を冠したモデルとなっている。

 そのため、「iPhone 12 Pro」のディスプレイサイズを大きくしただけと捉えられそうだが、実は搭載されているカメラのイメージセンサーなどに違いがあり、スペック的にも最上位モデルに位置付けられる。

 ボディはステンレス素材を利用したフレームで構成され、4つの角をラウンドさせながら、側面は垂直に立った形状でデザインされている。デザインは「iPhone 12 Pro」と共通だが、側面の光沢仕上げはボディの大きさから、一段と目立ち、なかでもゴールドはかなり派手な印象を受ける。

 この派手さをアピールしたいのなら、クリアカバーなどを装着して持ち歩きたいところだ。ちなみに、今回、アップルは純正でもMagSafe対応のクリアカバーをアクセサリーとして販売している。

 ボディサイズは従来の「iPhone 12 Pro Max」と比較して、高さで2mm、幅で0.3mm増えただけで、厚みは0.7mm薄くなっている。重量はまったく同じ226gで、大画面ディスプレイを搭載したライバル機種よりもかなりずっしり感がある。

 本体前面に高強度のセラミックシールド、背面につや消し仕上げのガラスを採用しており、側面の光沢仕上げとの対称的なコントラストを演出する。ボディカラーはパシフィックブルー、ゴールド、グラファイト、シルバーの4色展開となっている。

背面はマットなつや消し仕上げを採用
外部接続端子はLightning端子を採用
左側面には分割式音量キー、着信/サイレントスイッチ、SIMカードトレイを備える
右側面は電源キーのみを備える

ディスプレイ

 ディスプレイはiPhone 12シリーズ最大となる6.7インチSuperRetina XDRディスプレイを採用する。

 パネルはOLED(有機EL)で、解像度は2778×1284ドット表示に対応する。

 「iPhone 11 Pro Max」と比較して、対角サイズで0.2インチ大きくなり、解像度もわずかに高くなっている。

かなり大きいという印象だった「iPhone 11 Pro Max」(左)に比べ、「iPhone 12 Pro Max」(右)はさらに大画面になった

バッテリー

 バッテリーはボディサイズが大きいこともあり、iPhone 12シリーズ最大の3687mAhのものが内蔵されていることがわかっている。

 他のハイエンドモデルと比較しても遜色のない容量だが、実は従来の「iPhone 11 Pro Max」のバッテリー容量が3969mAhだったとされており、実は10%近くも容量が少なくなっている。

 にも関わらず、アップルが明示している動作時間は同等となっており、本体の省電力性能の向上などによって実現しているようだ。

 ただ、「iPhone 12 Pro Max」と「iPhone 12 Pro」は、スタンダードモデルとの差別化が図られ、動画や写真の撮影、編集など、クリエイティブな用途が増えており、これらを端末のみで利用することになると、これだけの大容量バッテリーでも物足りないというユーザーが現われるかもしれない。

カメラ

 カメラは基本的に「iPhone 12 Pro」と同じように3眼カメラで構成されているが、共通なのは1200万画素/F2.4の超広角カメラ(13mm相当)のみで、その他のカメラは微妙に仕様が異なる。

 望遠カメラは1200万画素のイメージセンサーに、6枚構成のF2.2レンズを組み合わせ、焦点距離は35mm換算で65mmとなっており、メインで利用する広角カメラ(26mm)を基準にすると、2.5倍の望遠撮影ができるわけだ。

背面部のカメラは従来モデル以上に存在感がある印象
「iPhone 11 Pro Max」(左)と「iPhone 12 Pro Max」(右)のカメラ部を並べてみると、「iPhone 12 Pro Max」の方が突起が大きいことがよくわかる

 そして、もっとも違うのがメインで利用する広角カメラだ。

 イメージセンサーは画素数が同じ1200万画素で、焦点距離も同じ35mm換算で26mmだが、イメージセンサーのサイズがひと回り大きいようで、画素ピッチは1.7μmとされている。

 これに7枚構成のF1.6レンズを組み合わせる。センサーサイズの大型化により、撮影時により多くの光を取り込めるようになるため、暗いところでも明るく撮影できるわけだ。さらに、手ぶれ補正もこれまでのレンズを動かす方式ではなく、より効果の高いセンサーシフト式を採用しており、正確に被写体のぶれを抑えることができるとしている。

夜景を超広角で撮影
同じ場所で広角に切り替えて撮影
約2.5倍の望遠で撮影。離れているが、建物の明かりや橋のライトアップなども撮影できている
ポートレートで撮影。背景の明かりがボケて撮影できている
薄暗いバーで撮影。ボトルの外観も捉えつつ、背景もボケて、美しく撮影できている

 これらのことからもわかるように、「iPhone 12 Pro」と同じように3眼カメラを搭載しながら、望遠カメラと広角カメラは別仕様となっており、一段と高品質な写真や動画の撮影も求めるユーザーのニーズに応えようとしているわけだ。

iPhone 12シリーズは買いか? どれを狙うか? それとも?

 例年、9月のiPhoneの発売を機に、本格的に商戦期が動き出すと言われてきた国内のモバイル業界。今年のiPhone 12シリーズは、コロナ禍の影響もあり、発表が10月にずれ込み、発売も10月と11月の二段階になるなど、例年とは少し違うスケジュールで市場に展開されることになった。すでに、4機種とも販売が開始され、店頭にはデモ機が並び、実機を手に取ることができるようだ。

 あらためて説明するまでもないが、iPhoneは国内で半数近いシェアを持つ人気モデルだ。今回、発売されたiPhone 12シリーズは、NTTドコモ、au、ソフトバンクの主要3社のキャリアショップとオンラインショップ、アップルの各ストアやオンラインストアなどに加え、早くもヨドバシカメラとビックカメラ、エディオンでSIMフリーモデルが購入できるようになっている。

 本稿でも説明したように、5G対応料金プランへの切り替えに手間が掛かるところはいただけないが、かつてのように、街中に行列を作り、延々と待たされながら買っていたことを考えれば、かなり買いやすい環境が整ったと言えるだろう。

 では、実際のところ、iPhone 12シリーズが買いなのか、どのモデルを狙うのかという点について、少し考えてみよう。

4モデル展開となったiPhone 12シリーズ。どのモデルを、どのタイミングで、どのように買うのかをじっくり考えてみよう。

 まず、iPhoneの世代から考えると、今回、買い替えるべき対象は ずばりiPhone 7シリーズ以前のモデル だろう。

 昨年もiOSのバージョンアップ対応で買い換えの是非を考えたが、現在のiOS 14はiPhone 6sシリーズ以降が対応機種となっている。そのため、順当に行けば、2021年秋には、iPhone 6sシリーズが対応機種から外されそうだ。

 今回のiPhone 12シリーズはボディのデザインも一新され、新しい世代へ進んだことを考慮すれば、もしかすると、iPhone 7シリーズも切り捨てられてしまう可能性も十分に考えられる。ホームボタンというユーザーインターフェイスを維持したいのであれば、iPhone SE(第2世代)を選ぶ手もあるが、ホームボタンを搭載したモデルは、これが最後になる可能性が高いため、今後のことを考慮すれば、新しいユーザーインターフェイスのモデルに乗り換えておいた方が賢明だろう。

 特に、iPhone 12シリーズは日本のユーザーに好まれることが予想されるコンパクトな「iPhone 12 mini」がラインアップされており、既存の4.7インチディスプレイ搭載のiPhoneを利用してきたユーザーもストレスなく、移行できそうだ。

 次に、どのモデルを選ぶかだが、ユーザーの好みによるものの、今回のiPhone 12シリーズは4機種の方向性が明確に分かれているため、ある程度、選びやすい。たとえば、一般的なコンシューマーが選ぶのであれば 、「iPhone 12」が王道であり、コンパクトなモデルが欲しければ、「iPhone 12 mini」を選ぶ ことになる。

 一方、普段から一眼レフカメラに親しんでいたり、作品としての映像を撮ったりするクリエイティブなユーザーであれば、Proモデルの2機種が候補になるが、悩ましいのは価格が高いことだ。

 「iPhone 12 Pro」と「iPhone 12 Pro Max」はストレージ容量の違いで、3つのモデルが選べるが、いずれも11万円を超えている。凝った写真や動画を数多く撮るのであれば、ストレージの容量は大きい方がベターなので、最低でも256GB、できれば512GBのモデルを選びたいところが、「iPhone 12 Pro Max」の512GBモデルを選ぶと、価格は税込で16万5880円になり、これにAppleCare+を追加すれば、20万円近くに達してしまう。

 これはもう普及価格帯のミラーレス一眼カメラが購入できる価格帯であり、さすがのカメラ好きのユーザーでも躊躇してしまいそうだ。

 今回のiPhone 12シリーズはデザインを一新し、従来モデルで今ひとつと言われてきたカメラを改善するなど、確実に進化を遂げたモデルであることは間違いない。

 ただ、本稿でも触れたように、ユーザーが期待するものとアップルが提案する方向性に、ややズレが生じてきた印象も残る。

 おそらくiPhoneユーザーがアップルに対して、やさしいというか、甘いというか、あまり強く求めないからなのかもしれないが、イケてないデザインのノッチの見直しをはじめ、ディスプレイ内指紋認証やワイヤレスリバースチャージなど、ユーザーが期待する機能が搭載されず、MagSafeのような評価が分かれる機能が優先してしまっている。

 カメラの強化もライバル製品がスマートフォンのカメラの性能を極めつつある状況にありながら、ようやく同一周回に入ったようにも見える。

 確実にクオリティは上がっているものの、物足りなさが残るというか、一般的なユーザーが撮るうえで、他製品に対する明確なアドバンテージが見えてこない。人によって、スマートフォンに期待する要素はさまざまだが、もし、新しい機能、新しい体験を求めているのであれば、この際、違ったプラットフォームを試してみるのも悪くはないだろう。

 最後に少し厳しいことは書いたが、統一された世界観、わかりやすいユーザーインターフェイス、製品としての質感の高さ、仕上げなどは、iPhoneならではのものであり、多くの人を惹きつけるスマートフォンであることは間違いない。

 買い換えのタイミングを迎えているユーザーであれば、デザインを一新した新世代のiPhone 12シリーズをぜひチェックしておきたい。

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