ニュース

アップル、Apple Silicon“M1”搭載の「MacBook Air」「Mac mini」「MacBook Pro」を発表

 アップルは、iPhoneアプリも動作する新たなチップセット「M1」を搭載するMacとして、13インチディスプレイの「MacBook Air」、デスクトップの「Mac mini」、13インチの「MacBook Pro」を発表した。

 発表会直後、アップルの日本語Webサイトでも情報が公開された。日本でも11日から注文を受け付け、来週以降、ユーザーへの配送と同時に店頭で扱われるようになるとのことで、Web上では17日発売と案内。

 日本での価格はMacBook Airは10万4800円(税別、以下同)~、学生・教職員価格は9万3800円~、新しい13インチMacBook Proは13万4800円~、学生・教職員価格は12万3800円~、新しいMac miniは7万2800円~、学生・教職員価格では7万800円~。

 12日にはmacOS Big Surが配信される。

MacBook Air

 13インチディスプレイのMacBook Airは、新開発のAM1チップにより、前世代よりも3.5倍、高速化。最大8コアのGPUで、グラフィック性能も最大5倍となる。

 機械学習の性能も最大9倍高速になり、顔認識などのアプリによる作業もすぐ処理できる。

 M1チップのコントローラーなどでSSDのパフォーマンスは最大2倍の高速化を達成した。

 これらのスペックにより、アップルでは「過去1年に販売されたWindowsノートパソコンの98%のチップよりも高速」と競合を上回る性能を誇示する。

M1搭載MacBook Airと一世代前のモデルとの比較(アップルのプレスリリースより引用)

  • 最大3倍の速さでiMovieを使ってWeb用にプロジェクトを書き出す。
  • 最大5倍の速さでFinal Cut Proのビデオに3Dエフェクトを組み込む。
  • Final Cut Proでフレームレートを低下させずに、複数のフル品質の4K ProResビデオストリームの再生と編集を行う。これは、MacBook Airでは初めてのことです。
  • 最大2倍の速さでLightroomから写真を書き出す。
  • Final Cut Proのスマート適合のような機械学習ベースの機能を使って、最大4.3倍の速さで賢くクリップの構図を調整する。
  • MacBook Air史上最も長い最大18時間のバッテリー駆動時間で、より多くの映画やテレビ番組を視聴することが可能に。
  • 1回の充電でできるFaceTimeなどのビデオ通話の長さを最大2倍に延長。

 iPhoneなどと共通の技術で開発された新たなチップセット「M1」により消費電力を抑えており、新しいMacBook Airはファンレス設計となった。バッテリーの持続時間については、たとえばワイヤレスでのネット接続は最大15時間、ビデオ再生は最大18時間で、MacBook Air史上最長という。

 ゴールド、シルバー、スペースグレイの3色が用意される。

 メモリーは8GB。256GBのSSDを搭載する場合で10万4800円。512GBで12万9800円。ストレージは1TB、2TBも選べる。なお、安価なモデルは同じM1チップでも、GPUコアの数が7(12万9800円のほうは8コア)という違いもある。

 指紋認証のTouch ID搭載で、Wi-Fi(IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth 5.0を搭載。720pのFaceTime HDカメラを備える。

 Thunderbolt 3デジタルビデオ出力を備え、USB-C経由でDisplayPort出力を標準でサポートするほか、別売りのアダプタを用いて、VGA、HDMI、DVI、Thunderbolt 2で出力することもできる。1台の外部ディスプレイに最大6K、60Hzで出力できる。

 大きさは30.41×21.24×1.61cm(最薄部0.41cm)、重さは1.29kg。30WのUSB-C電源アダプターと2mのUSB-C充電ケーブルが同梱される。

Mac mini

 M1搭載モデルとして、MacBook Airに続き、コンパクトなデスクトップ用の「Mac mini」も発表された。

 一世代前と比べ、CPUは最大3倍、GPUは最大6倍、機械学習は最大15倍の高速化を実現した。

M1搭載Mac miniと一世代前のモデルとの比較(アップルのプレスリリースより引用)

  • Xcodeを使って最大3倍の速さでコードをコンパイルする。
  • Shadow of the Tomb Raiderのようなグラフィックスを駆使するゲームを、最大4倍のフレームレートでプレイする。
  • Final Cut Proで複雑なタイムラインを最大6倍の速さでレンダリングする。
  • Logic Proで最大3倍多くのリアルタイムプラグインを使って、音楽制作を新しいレベルに引き上げる。
  • Pixelmator Proで最大15倍の速さで、魔法のように写真の解像度を上げる。
  • TensorFlowやCreate MLなど、M1チップによって高速化した機械学習フレームワークを活用する。

 最大2台のディスプレイへの出力をサポート。6K解像度のApple Pro Display XDRも利用できる。背面にはHDMI 2.0端子やUSB-A端子×2、3.5mmイヤホンジャック、Ethernet端子が用意される。

 メモリーは8GBで、16GBにすることもできる。

 M1モデルでは、8GBのメモリーと256GBのSSDの場合、7万2800円。同じく8GBのメモリーと512GBのSSDでは9万2800円となる。

 カラーはシルバー1色。大きさは19.7×19.7×3.6cm、重さは1.2kg。

MacBook Pro

 13.3インチのRetinaディスプレイを備えるMacBook Proは、17日発売で、シルバーとスペースグレイという2色のカラーバリエーションをラインアップ。メモリーは8GBで、16GBにもカスタマイズできる。

 ストレージが256GBの場合、10万4800円。512GBで12万9800円。1TB、2TBに変更することもできる。MacBook Airと異なり、どのモデルでもM1チップのスペックは同じ。

M1搭載MacBook Proと一世代前のモデルとの比較(アップルのプレスリリースより引用)

  • Xcodeで最大2.8倍の速さでコードを書く。
  • Final Cut Proで複雑な3Dタイトルを最大5.9倍の速さでレンダリングする。
  • Unity Editorで複雑なゲームシーンを最大3.5倍の速さで思いのままにデザインする。
  • Create MLで最大11倍の速さで機械学習のタスクを実行する。
  • Neural Engineの驚異的な性能を活かして、djay Pro AIで録音からビート、楽器、ボーカルトラックをリアルタイムで分離する。
  • フル品質の8K ProResビデオを、1フレームも落とさずにDaVinci Resolveで再生する。
  • M1チップの革新的なワット当たりの性能を活かして、1回の充電で4倍の量のコードをコンパイルする。

 同時に発表されたMacBook Airはファンレス設計だが、MacBook Proはアクティブ冷却システムを採用。一世代前よりも2.8倍高速になった。

 GPUは最大5倍の高速性能となり、同等クラスのWindowsパソコンよりも最大3倍高速という。

 機械学習の処理能力も最大11倍速くなった。バッテリー駆動時間は、一世代前の最大2倍で、Mac史上、最も長い。

 MacBook Proでは、高い処理能力に加えて、スタジオ品質のマイクを搭載。M1チップに組み込まれた画像信号プロセッサ(ISP)と720p FaceTime HDカメラでビデオ通話もより精細になった。

 指紋認証のTouch ID搭載をサポート。外部インターフェイスとして、USB 4対応のThunderboltポート×2を搭載する。

 キー上部にはTouch Barも備える。

 Wi-Fi(IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth 5.0をサポート。

 大きさは30.41×21.24×1.56cm。重さは1.4kg。61W USB-C電源アダプターと2mのUSB-C充電ケーブルが同梱される。