三井公一の「スマホカメラでブラブラ」
「iPhone 14」「iPhone 13」「iPhone SE(第3世代)」撮り比べ! オススメの機種は?
2023年4月28日 00:00
今や国民機とも言えるアップルの「iPhone」。街中や電車の中などほとんどの人が手にしているスマートフォンが「iPhone」だ。よく観察すると意外と古い機種を使っている人が多い。
そんな人たちを悩ませるのが「機種変更」である。そう、年々高価になるiPhoneシリーズは新しい端末に更新したくてもできない「高嶺の花」というか「高値のスマホ」になっているのが現状だ。
そこで今回は高価格な「Pro」シリーズでなく、ベーシックな「iPhone 14」、一つ前の機種「iPhone 13」、そしてリーズナブルな「Touch ID」搭載機「iPhone SE(第3世代)」のカメラ性能を試してみることにした。
各モデルのスペックなど詳細については、本誌既報記事を参照していただきたい。
「iPhone 14」「iPhone 13」「iPhone SE(第3世代)」、カメラの特徴
さてアウトカメラ周りを確認してみよう。「Pro」シリーズが広角、超広角、望遠のトリプルカメラ構成なのに対して、今回取り上げる無印シリーズは広角、超広角のデュアルカメラ構成、そしてiPhone SE(第3世代)は広角のみのシングルカメラになっている。
デジタルズームは可能だが光学的なカメラが少ない分、表現の幅や画質面において「Pro」シリーズに劣ることは仕方がないであろう。またiPhone SE(第3世代)はナイトモード非搭載なので夜間撮影には圧倒的に不向きだ。
- iPhone 14
12メガピクセル 超広角F2.4 広角F1.5 センサーシフト式手ブレ補正 - iPhone 13
12メガピクセル 超広角F2.4 広角F1.6 センサーシフト式手ブレ補正 - iPhone SE(第3世代)
12メガピクセル 広角F1.8 光学式手ブレ補正 ナイトモード非搭載
ほかのスペックは、アップルの「iPhoneのモデルを比較する」ページで確認してほしい。
実写比較
さっそく実写して比較してみよう。全機種とも搭載している広角カメラで、日中の被写体を撮影してみた。
「iPhone 14」「iPhone 13」「iPhone SE(第3世代)」でブラブラ撮影を楽しむ
ここからは機種ごとにさまざまな撮影カットをご覧いただこう。
iPhone 14
斜めに光が飛び込む橋脚に正対してiPhone 14のシャッターを切った。ハイライト部からシャドウ部までどちらもトーンを残して美しくキャプチャーできた。
超広角カメラで冷凍車の内部を撮った。やはりシングルカメラよりデュアルカメラの方が楽しいし、表現力が高い。明暗差もうまくコントロールしてくれて自然な写真になっている。
夕方の多摩川河川敷。デジタルカメラなら難しいシーンでもコンピュテーショナルフォトグラフィーなら何の問題もない。iPhone特有のゴーストが発生しないようにフレーミングを変えながらシャッターを切った。
iPhone 13
道路標識をポートレートモードで。人物以外でもぼかすことができるのがうれしい。境界判定に難のあるiPhoneのポートレートモードだが、このような単純な物体なら心配いらない。
日が傾きかけた多摩川河川敷。その微妙な色合いをしっかりと表現している。遠景と雲のディテールがいい感じ。
渋谷のガード下で。HDRが効いているが中央のトンネル外部分の絵作りがかなり微妙である。たしかに条件が厳しいシチュエーションだが、シャドウ部の再現に振ってしまった感がある。
「iPhone 14」「iPhone 13」「iPhone SE(第3世代)」撮り比べで感じた、オススメの機種は
3機種を持ちブラブラと撮り歩いたが、広角カメラの写りは大きくない印象を受けた。つまりiPhone SE(第3世代)もiPhone 14も価格差を考えるとアガリはあまり変わらない、という感じだ。ただ超広角カメラ非搭載、ナイトモード非搭載という点には留意したい。それよりも撮影体験という面においてディスプレイのサイズや明るさ、ホームボタンの有無などがかなり気になった。
もし広角カメラしか使わず小さいディスプレイで構わないのであれば断然iPhone SE(第3世代)がオススメだ。何といっても買いやすい価格が魅力である。
iPhone 13、iPhone 14を考えているのであれば、もう少しお金を出して望遠カメラを搭載している「Pro」シリーズも検討したい。望遠カメラがあると撮影がとても楽しくなるからである。
例年どおりであれば9月には新製品が登場する。あと5カ月間悩んで、USB Type-C対応への期待が高まっているモデルを確認するのもひとつの考え方かもしれない。