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中国旅行でもChatGPTが使えるeSIMがあった! 海外データSIM最新事情
2025年12月24日 00:00
先月、久々に海外へ行ってきました。行き先は香港と中国本土の深センです。ご存じの通り、中国本土では「金盾(グレートファイアーウォール)」の影響で、GoogleやFacebook、X(旧Twitter)など、日本では当たり前に使っているサービスがそのままでは使えません。なので昔は「香港で香港/本土ローミングSIMを買い、本土にいても通信だけは香港側に逃がす」というのが定番でした。そう、昔は……。
ところが時代が変わりました。いまの旅で困るのは、地図やSNSというより“AI”です。ChatGPT(通称チャッピー)やGeminiを、ちょっとした調べ物、翻訳、看板の読解、店員さんとの会話の下準備まで、旅先で普通に使いますよね。筆者も例外ではありません。
が、困ったことに、ChatGPTが香港では使えないのですよ……。これは痛い。……と思っていたところ、Trip.comで妙に刺さる商品を見つけます。
「中国本土 5G eSIM|デイパス・データパッケージ|ChatGPT対応」
中国本土で5G通信ができて、しかもChatGPT対応? そんな都合のいい話ある?
と疑いながらも、説明を読むと仕組みが面白い。接続自体は中国移動(China Mobile)系のネットワークを使いつつ、アクセス先によって“出口”を振り分ける、という建て付けです。中国国内向けのアプリは香港側、海外サービスはシンガポール側のIPとして見えるようにする、という説明でした。ホンマかいな、これ……。
しかも安い。今回の滞在は4日間で、1日3GBのプランが854円。さらに「100GB(ただし最大10Mbps)」のプランが1279円。「ChatGPTが使えるなら元が取れる!」と思って、勢いで100GBプランを買ってみました。
深センに着いて、iPhoneでさっそくChatGPTアプリを起動。こう聞いてみます。
「このeSIMで通信しているんですが、私は今どこからアクセスしているように見えます?」
返ってきたのが、
「結論から言うと、いまは“シンガポールからアクセスしている人”に見えています」
おお、普通に返事来た!
さらにChatGPTの助言で、いくつかのサービスで“見え方”を確認してみました。すると、これがなかなかカオスです。
- Amazonは「香港」にいるような表示になることがあった
- WhatIsMyIPAddress.comでは「米国(オークランド)」扱いに
- ABEMAなど“日本国内向け”のサービスは視聴できなかった
- いずれにせよ、筆者が「深セン」にいることはネットワーク上からは分からない
「深センでスマホを使っているのに、ChatGPTにはシンガポール、別サービスには米国住み」って、ネットワーク人格が忙しすぎます。ChatGPTにも「パンチのある体験ですね」と言われて、そりゃそうだと笑ってしまいました。
とはいえ、実用面では大助かりです。1日100GBもあれば、PCを持っていってテザリングしても余裕がありますし、10Mbps制限も体感では“思ったより困らない”レベルでした。
「AIが使える/使えない」では旅の快適度が変わる時代です。次に中国に行く予定のある方は、選択肢のひとつとしてこの手の“ChatGPT対応”eSIMを試してみるのも手だと思います(ただし、各サービスの利用条件や現地ルールは変わることもあるので、その点はご注意を)。






