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生成AIデビューに「povo AI」ってどうでしょう
2025年8月6日 00:00
7月23日、KDDIのオンライン専用料金ブランド「povo2.0」のアプリに、新機能の「povo AI」が導入されました。無料で生成AIサービスを利用できるというものです。
いわゆるチャット形式で、こちらから、質問したりお願いしたりすると、それにAIが答えてくれます。ありがちと言えばありがちですが、注目すべきは「povo AI」は、「GPT-4o」「o3-mini」「GPT-3.5」「Perplexity Sonar Pro」という生成AIを利用できること。4つのAIのうち、前者3つは、ChatGPTでおなじみのOpenAIが開発したものです。
「4o」は最新モデルであり、povo AIのなかでも、もっとも高度な会話・文章を生成できると言えそう。「O3-mini」は数学のような論理的な課題が得意とされる「O3」のいわば軽量版と言えるような存在。「GPT-3.5」は約3年前に登場した生成AIで、当時ブームとなったChatGPTとだいたい同じ感じ。最後の「Perplexity」はWeb検索が得意……というのが筆者の理解です。
povo AIの使い方は、アプリを起動して、画面下部にある「povo AI」ボタンをタップ。するとチャット画面に切り替わって、生成AIと会話できるようになります。
たとえばちょっとした調べ物、あるいは相談事を聞いてみる……というのは、よくある使い方でしょうか。どこまで新しい情報に対応しているのか、「GPT-4o」でちょっと試しに「ドコモMAXで観られるバスケットボールリーグは?」と聞いてみました。発表されて間もなく、しかもKDDIの競合であるNTTドコモの情報をカバーできているのか……と少しだけ待つと、8月4日に発表されたばかりの「NBA」の情報を返してきました。うむ。ちなみに「NBAを国内で観られるサービスは?」と質問してみると、ちょっと古い情報と、これからの情報が混ざって表示されました。このあたりは検索に強みを持つ、Perplexityのほうがいいかもしれません。
ちなみに入力した情報がどう扱われるのかなど、利用にあたっては、基本的にOpenAIとPerplexityの利用規約が適用されます。ただ、KDDI側は、ユーザーが入力した情報を、AIが学習するためのデータとしては使わない、としています。
チャットで生成AIと会話する。シンプルな使い方で、それも新しめの生成AIを、無料で、利用回数の制限なく使える。しかもpovo2.0は基本料0円です。これは、生成AIにちょっと興味があるけど、なかなか手が出ないという人にピッタリかも。もちろんpovoを契約するには、音声通話対応プランの場合、本人確認が必要ですので、それなりに手間がかかります。それでも、生成AIを無料で使えるなら……ということで、契約に踏み切る人もいそうです。
povoでは、かねてよりアプリに「アトリエpovo」という機能が用意され、ミニゲームや占いなどを楽しめるようになっています。「povo AI」も、「povoアプリ」をとにかく使ってもらうため、起動してもらうためのきっかけづくりなのかも。
povoからすれば、とにかくユーザーに使ってもらうためのタッチポイントのひとつ、と想像すると、生成AI目当てに新規で契約してもらう……というのは、ちょっと欲張りな目標な気もします。とはいえ、本誌連載「スマホ業界 Watch」でも紹介されたように、もしかしたら将来、生成AIサービスを有料トッピング(追加オプション)として提供するための素地になるのかもしれません。
これまで取材した印象では、povoの中の人たちは、とにかく貪欲というか、新しいことへどんどんチャレンジするチーム。「povo AI」が、どんな反響をもたらすのか、これからも楽しみです。






