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1年経ったら、「Apple Watch Ultra」のダイブ機能がだいぶ進化していた

 私史上最高級(に値段の高い)腕時計「Apple Watch Ultra」を買ってから、1年が経ちました。すでに先日、「Apple Watch Ultra 2」も発売され、初代のオーナーとしては「やっぱり毎年、新しいのが出ちゃうのか」とガックリしているわけですが、そうそう買い換えられるわけもなく、「指ちょんちょんで操作できるのいいなぁ」と指をくわえながら、日々過ごしております。

 ですが、旧機種もアップデートによって最新の機能を使えるのが、スマートデバイスの良いところ。筆者の「Apple Watch Ultra」も、おかげさまで日々できることが増えています。

海の中でも明るく視認性が高い「Apple Watch Ultra」のダイコン機能

 スタンダードなApple Watchにはない、Ultraならではの「ダイブコンピューター(通称:ダイコン)」機能もそのひとつ。専用のアプリケーション「Oceanic+」が、リリースから1年経ってフリーダイビング(素潜り)にも対応するなど、いろいろと進化を遂げています。

 「Oceanic+」は昨年11月のリリースから数回アップデートが行われていて、11月27日現在の最新バージョンは2.0.8となっています。日々身につけているApple Watchが、ダイビングの減圧症対策に欠かせないダイコンとしても使えるということで、昨年の発売と同時に「Apple Watch Ultra」の購入を決めた筆者でしたが、正直なところ当初はその機能に不満を感じるところも多くありました。

 たとえば、エントリー(潜水)するとアプリは自動的に起動(要事前設定)するものの、さらにアクションボタンを押さないといけないというのもそのひとつ。へなちょこダイバーの筆者はエントリー時にあまり余裕がなく、ボタンを押し忘れてしまうことがたびたびありました。アップデートによって今ではボタンを押さなくてもエントリーすれば自動でデータが記録されるし、イグジットすれば終了するようになっています。ただし、ボタンを押さないと画面が切り替わらないのは、相変わらず。イグジット後、5分経過したらダイビング終了というしくみのようで、潜水時間が少々長めに記録されるのもちょっと気になる点ではあります。

 ダイビングのあとは一定時間、飛行機に乗れないのですが、そうした情報をひと目で確認できる専用のウォッチフェイスや、iPhoneの通知機能も追加されています。

飛行機搭乗禁止時間や水面休息時間などの情報にまとめてアクセスできるウォッチフェイス

 また、身長や体重、体脂肪、使用機材などの情報から、必要なウェイトを計算できる便利な機能「ウェイトプランナー」も追加されました。さらにダイビング計画を立てるための「ロケーションプランナー」は、最近同じポイントで潜ったダイバーからの情報をもとに、天気や海の状況をチェックできるように進化しています。

同じくiPhoneの通知にも飛行機搭乗禁止時間や水面休息時間が表示されるようになりました
入力した諸条件から必要なウェイトを計算してくれる便利な機能も追加されました

 ログブック機能も改善されて、手動で記録できる項目が増えました。ダイビングの情報を自動で記録できるのは、「Apple Watch Ultra」のダイコン機能の大きな魅力ですが、自動で記録されるマップ上のエントリーとイグジットの位置情報、潜水時間や温度、最大深度、最大浮上速度だけでは、ログブックとして不十分だと感じていました。当初、ほかに手動で記録できるのは、海の状態(透明度、水面の状態、潮流)とウェイトくらいでしたが、今はタンクの種類(スチールかアルミか)やタンクの容量(10L/12L/15L)、開始時と終了時の残圧も記録できるようになっています。エアをどのくらい消費したかは重要な情報なので、簡単に記録できるようになったのはうれしいことなのですが、筆者は8Lのタンクを使うこともあるので、8Lが選択項目にないのは残念です。

タンクの種類や容量、残圧が記録できるようになりました。ただしバーを動かして指定するのは少々面倒

 このほか、他のログブックアプリへのデータの書き出しも、できるようになったようです。「ようです」と曖昧に書いているのは、その方法がいまいちよくわからないから。

 筆者もやってみたのですが、メールで通知されるリンクからデータはダウンロードできたものの、入手したファイル形式がどのアプリに対応しているのかわからず、他のログブックアプリに取り込むところまでは試せませんでした。メーカーのホームページのFAQも更新されていないようなので、このあたりはきちんとサポートして欲しいところです。

 ログブック機能にはもう少し不満もあって、潜水時間から計算すればわかるとはいえ、エントリー時間だけでなく、イグジットの時間も記載してほしいし、最大深度だけでなく平均深度もわかるように数値化してほしい。欲を言えばキリがありませんが、有料サービスだけに、一般的なログブックにある項目は埋められるようにしてほしいなと思ってしまいます。

トータルのデータが見られたり、潜ったポイントをマップ上で一覧できるなど、アプリならではの機能をさらに充実させてほしいです

 米国ではすでに同じメーカーから、iPhone用の防水ケース「Oceanic+ Dive Housing」の予約販売が開始されていて、これを使うとiPhoneのカメラで撮影した水中写真をログブックと連携できるようです。さらにセンサーを搭載し、iPhoneをダイコンとして使える機能も搭載されているとのこと。「だったら、Apple Watch Ultraいらんやん」となりそうではありますが、同じサブスク料金内で両方を利用できるのはいいですね。日本での発売開始が楽しみですが、同時に、できればiPhone以外のカメラから取り込んだ写真も、ログブックに添付できるようにしてほしいところです……とまぁいろいろ不満や要望を書きましたが、海の中での視認性の高さや、バイブレーションによるわかりやすい注意喚起などは気に入っているので、今後のさらなるアップデートに期待したいと思います。